天候がすぐれず再び古いお金の話。古代ローマ帝国と言えば誰でも一度は耳にしたことがあるシーザーことガイウス・ユリウス・カエサル。写真のコインはそのカエサルが自身をモチーフに49-48BC頃に恐らく戦勝を記念してガリアで鋳造されたとするデナリウスといわれる銀貨。その紀元前49年はカエサルが名言を残してその後の歴史が大きく動くことになる北イタリアにあるルビコンと呼ばれる川を渡った年。そしてCAESARの文字が初めてコインに登場するのがこの銀貨。象のモチーフはカエサル家の象徴でもあり、共和制時代にポエニ戦争で名将スピキオ・アフリカヌスに敗れた当時の北アフリカのカルタゴ軍が得意とする戦術にも多く起用された動物で、象の前足で踏むのは小さな蛇。そしてカエサルには44BCの3月15日にポンペイウス劇場で志半ばで悲劇が訪れることになる。没後は遺言により叔父の遺志を継いだアウグストゥスの巧みな治世により神格化され帝政期には、CAESARの文字が皇帝の代名詞となる歴史が伺える貴重な一枚。
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