雨水・・《冬至より60日。この時期から寒さも峠を越す。雨が降って土が湿る。》
1日約50数秒、今日で一時間程、日没が延びたことになります。土堤の菜の花は、一株だけが以前から、花を付けていました。季節到来をうかがうパイロット=“魁”(さきがけ)なのでしょうか。“蘇生” 好きな言葉です。
山の端の はつかにかすみ春立ちて 我に続けや 菜花の一もと -夢 蔡ー
枯れ園の日陽しの中に鶫ゐて 旅立つ刻を空に訊ねむ ー夢 蔡ー
ツグミ 河原の枯れ草の茂み当たりから、「クエ~クエ~」 と独特な鳴き声を立てながら飛び立ちます。人影のない公園の芝生を飛び跳ね、虫を探しているようです。春が、もう少し深くなると “北へ旅立ち”、季節は動きます。
言葉なく ただ眺めいる山の端に ゆるりゆるりと日は入りゆく ー夢蔡ー
西の端は 雲ひとつなく茜染む 春を兆すや荒船台地 ー夢 蔡ー
過っては、この荒船台地が良く見渡せた。しかし、此の風景の手前は、工場・新興住宅地・鉄道高架・送電線が林立して、今や一望することは出来なくなりました。(画像処理でなんとかしたもの。)
山気 日夕に佳なり / 飛鳥 相与(ともに)に還(かえる)る / 此の中に真意あり / 弁ぜんと欲すれども すでに言を忘れたり ー 陶 淵明 ー〔「飲 酒」より)
* 抄訳・・ 《この夕暮れの中に真意がある。それについて述べようと思ったが、もはや言葉など失ってしまった。》
人は、自分の中に、「言葉など超越した世界」をひとつやふたつは、持っているのではないだろうか。言葉を必要としない「“癒し”」の世界は、「汗を流し去った心持ちに」 ( 漱石 )してくれるものです。もっとも、最早、人生そう気張って生きる時間も残り少ないのですが・・・。
梅が香や ゆるりゆるりと 日は入りむ ー夢 蔡ー