諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

水無月慕情

2013-06-07 22:05:57 | 日記・エッセイ・コラム

“みなーづき” 【水無月・六月】 (古くは清音。「水の月」で、田に水を注ぎいれる月の意。) (広辞苑」) ▼ 今年は、「梅雨入り宣言」が早すぎたのか雨がまったく降らない文字通りの「水 無 月」となっている。5月29日は、宣言通りの雨であってが、小ぬか雨が半日ほどで終わってしまった。

梅雨入りの 雨細く降り 水面(みなも)うつ   めだか浮き来て 泡沫(うたかた)ひとつ ー夢蔡

20130612_031 ▲ メダカの産卵時期と、田に水を張る時が丁度一致しているので、日本の稲作文化と共存してきました。「水田の魚」と言われる所以であります。が・・▼「今は、側溝で囲まれた四角形の田んぼで棲む所ありませんので~」ーーby メダカ

“ただ何事もかごとも 夢幻の水の泡 笹の葉に置く露の間に 味気なの世や(訳←ただ何もかもこの世の中は、夢まぼろしや水の泡とおんなじで,露のように消えやすく儚いものです~この世の中は)<「閑吟集」 岩波文庫・朝の健二校注> ▼ 中世の無常観の小唄のひとつであります。メダカにとっては、こんな気持ちでしょうか^~

ー 土堤は、すっかり夏草に覆われました。茅萱が、穂を立てております。葛が、“耕作放棄地”に蔓を伸ばし始めました。

野の花の 小(ち)さき褥(しとね)に はなむぐり 生命(いのち)受け継ぐ 性さが)の狂(くるお)し ー夢蔡 

201306_030 ▲ 野の花は、ヒメジオン 正確には、ひめーじょおん 【姫女菀】 北アメリカ原産の帰化植物。雑草として、田畑の畦、道端、何処でも見られる。初夏から秋まで花の時期は長い。▼はなーむぐり 【花潜り】 コガネムシ科ハナムグリ亜科の昆虫の総称。写真は、【コアオハナムグリ】 体長1・5cm 花粉やみつがを食べるのでこの名前。(「広辞苑」参)

▼ 植物=花粉の提供、昆虫=受粉の手伝い、【共生】の一断面を夏草群落の狭い空間に見つけました。

▼環境保全が叫ばれる一方で、農薬や除草剤散布は、日常的であります。昆虫類が、とみに少なくなっております。「こんなところで、秘かに~ がんばってる~」とか、生命力の絶妙さにを感じいりました次第です。

▼ 人間は自ら生み出した“文明科学技術”結果によって“滅亡”したとしても、生き残るのは、案外、彼らだったりして・・~

          ----<了>-----