ストラット式サスペンションは純正ではキャンバ調整できないものがほとんどだと思いますが、調整したい場合調整式ピロアッパを使うのが一般的だと思います。ジャッキアップなしに調整できるメリットや、ダイレクトなフィーリングの反面、ピロ特有のコトコト音が嫌、という方も多いのではないでしょうか。
ピロアッパー以外でのキャンバ調整手段として、キャンバーボルトなる製品があります。ストラット下部の二本のボルトのうち、上の一本を偏芯ボルト(あるいは細いボルト)に交換することでキャンバ調整が可能になるという代物です。
走行性能を重視すれば少しキャンバを付けたいところですが、ピロアッパーでのキャンバ調整には以前からちょっぴり疑問を持っていることもあって、このキャンバボルトによるキャンバ調整はぜひやってみたいと思っていました。
数種の製品があるようですが、中でもモンローのマジックキャンバーは偏芯タイプのため、ボルトを回転させることで微調整ができること、調整幅が広いこと(±3°と謳われている!)ため、使うならコレがいいかなと考えていました。
今回、兄のL250ミラターボの更なる進化のためこのマジックキャンバーを導入してアライメントのセッティングを進めてみたいと思います。
まずは説明書に従ってストラット下部ブラケットのボルトを交換します。
ボルトがやたら長くて、同梱のぶ厚いカラーを入れるようになっています。
ストラットのブラケット幅ごとに対応品番が違いますが、このカラーの違いなんじゃないの?という気がします。ちなみにミラに適合するのはMC212という品番ってことになっています。
定価は6825円とのことですが、安いところだと5500円くらいで購入できるようです。
ボルトを組み替えたら締め付けはせずに、ボルトのマークを目安に一番ネガティブ側になる位置にセットしてナックルを押し付けます。これが調整の限界です。
その後タイヤを付けて地面に下ろし、キャンバを測定しながらボルトをまわして徐々にキャンバを起こし、任意の値に調整するというわけです。
±3°調整可という謳い文句ですが、ミラの場合、-側はMAXでも1°台のようです。これはおそらく純正のキャンバや、ストラットの2本のボルトの間隔などもろもろの事情によるものと思います。まあ3°ともなると町乗り車としてはあまり現実的ではないと思いますので特に問題は無いです。
以前にも紹介した自作アライメントゲージで測定しながらボルトをまわしてキャンバを調整して行きます。今回は1°程度のネガティブキャンバを付けてみました。
このとき、ただ細いタイプだと微調整のための位置決めが難しいと思いますので偏芯タイプのマジックキャンバーがお勧めです。
キャンバは鉛直方向を基準として測定してますので、地面の水平出しが重要になります。最初左右が上手く合わなかったのですが案の定地面の水平出しが甘かったみたいです。これをやり直したら上手くいきました。
そうそう、キャンバを調整するとトーが盛大にズレますので再調整が必要となります。今回は左右IN0.5mm程度としました。
調整後早速試走しましたが、オーナーによれば「ノーズの入りが違う」とのこと。
自分でも運転してみましたが、ノーズの入りも、コーナリングしながら踏んでいく場面の安定感も増したように思います。
やはりキャンバの効果は大きいようです。
1°程度なのでぱっと見て気づく人は居ないでしょうが、さりげなくついたフロントキャンバは見た目的にもなかなか精悍です。
DIYアライメントもだんだん板についてきましたので、トー調整だけじゃなあという感じですが、こうやって調整可能箇所が増えるといろいろ楽しみが増えます。
ボルト2本で5000円、というと高い感じもしますが、キャンバを調整できる効果を思えば費用対効果は高いと思います。マジックキャンバー、なかなか良いんじゃないでしょうか。
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