生まれてこのかたお伊勢さんに一度も行ったことがなかったので、相棒くんと常々名古屋にいる間にお伊勢さんに一度は行きたいねと話していました。
やっと末っ子も年中になり、遠出や歩きでの移動も結構楽になってきたので今年こそは‼と思っていました。
ただ春~夏は、土日もわたしが仕事なので、週末もがんばっても午後からしか時間もとれなくて遠くの実家に帰省したり、実家の近くに海水浴に出かけるくらいで精いっぱい。
秋になってようやくなんとか日帰り旅行くらいなら連れて行ってあげられるかなあという感じになって来て…ついに、この週末、伊勢神宮に家族5人で行ってきました。
我が家にしては本当に珍しく早起きをして(といっても6時半)、軽食だけ用意して7時半に出発~!
9時半過ぎに、外宮に到着してまずは外宮参拝♪
内宮に移動して10時半くらいから11時半くらいで内宮参拝♪
秋晴れの素晴らしいお天気で、五十鈴川をわたる橋を渡りつつ、その景観を愛でることができました。子どもたちも五十鈴川で手を清めて、清々しいな気持ちで参拝していました。
11時半からは、楽しみにしていたおはらい町やおかげ横丁散策!
手こね寿司、伊勢うどん、松坂牛コロッケやメンチカツなどを楽しみ、子どもたちにもひとつずつお土産を選ばせて、長女がいつもお土産をもらってくるのでいつもいただいているお子さんにもお土産を選んでいるうちに夕方に。
まだまだまわりたかったけれど、3人を連れて歩くのにももうヒイヒイになってきて、退散~!
外宮は、目の前の無料駐車場がかなりゆったりしていて、駐車場の心配がないと思います。
内宮はおはらい町の入口付近の市営の駐車場(河川敷だった…!)に止めて、時間制でったので1000円程度でした。そこから参道のようなおはらい町を歩いて内宮に向かうという感じでした。
駐車場の出口を出て安く済んだね~と話していたその時、市営駐車場にほぼ隣接しているワンコイン500円ぽっきりの結構大きなパーキングを発見…笑
今後行かれる方は、そちらに停められた方がいいと思います♪
さてさて!
参拝のほかで、今回のわたしの一番の収穫は松坂木綿と出会えたことですかね…!
おかげ横丁の「もめんや藍」さん。
藍染の木綿の小物やバッグ、衣類などがたくさんあり、よくよく見ると藍染めや草木染めの刺し子糸などもあって、胸がどきどき…。
子どもたちが飽きて外に行ってしまったので気もそぞろにお店を出ようと思ったその時、壁面のショーケースを見つけてしまいました。
遠州木綿と書かれたきれいな反物たち。遠州って、静岡の遠州だよね・・・?
実は我が家の椅子の座布団カバーをつくるときに、まさにこんな柄の木綿を探していたんですよね。
でも、布屋さんで見つけることができませんでした。
やっとイメージしていた柄の布と会えたと思い、嬉々として木綿を選び出しました。
そしてきれいな藍染めの着物を着ているお店の方にこれくださいと声をかけました。
お店の方とあれこれお話したりしているうちに、ふと奥にあった地元・松阪木綿の棚を発見…!
色合いが美しい遠州木綿が捨てがたかったけれど、せっかく伊勢に来たので地場のものをと思い直し、柄を選んで松阪木綿を購入させてもらいました。
それがこちら。
実は、これが欲しいなと思った見本のものは店内の蛍光灯にあたって焼けて、すごく味わいのあるエメラルドグリーンがかった藍色になっていたんですが、新品がこの色。
濃い藍で素敵…!
そして時を経て、今後あの見本のような色にも変化していくと思うととても楽しみです。
のりが付いたままの木綿と、のりを落とす加工まで終わった木綿がありましたが、手間を考えてのりを取ったものを購入しようと思っていました。
するとお店の方が結構お値段も違うしと、のりの落とし方をしっかり教えてくだったので、せっかくだからのりつきの方を購入してみました。
昨夜2~3時間水に浸して軽く脱水(数十秒くらい)しました。これでいいのだけど、わたしはもうワンウォッシュかけてから干し、アイロンをあてました。
こんな感じ♪
今はニットをつくるので精いっぱいだから、つかうのはもう少し先になるけれど、気に入ったらほかの木綿もトライしてみたいなあ~今後注目の木綿です♪
もめんや藍さんのカードに書かれてきた文章を転記させてもらいます。
名前の通り、「松阪もめん」は伊勢の隣町・松阪で生まれました。そして、粋好みの江戸っ子の「普段着」として江戸で大変流行しました。と申しますのは、松坂の商人が江戸店(えどだな)での商いにより売りひろめたからで、その中心が三井高利(みついたかとし・三井財閥=三井銀行・三越百貨店の生みの親)でした。
その昔より松坂の近郷では神宮に納める布織る「機殿(はたどの)」があり、その歴史は古く、大陸より渡来した「呉織(くれはとり)」が布を織る技術を伝えたと言われます。室町時代には綿の栽培が普及し、木綿織が定着しますと、農家の主婦が盛んに織り、その後、南方と交易していた角谷七郎兵衛がベトナムより持ち込んだ縞柄が今の松坂木綿の縞柄のもとになっていると言われています。
永いゝ月日といろゝな時を経て、その時代ゝの生活の中に溶け込んで、…そして今に生きる松阪もめんの味わいを
どうぞあなたなりにお楽しみいただければ幸いに存じます。
松阪もめんに関するご質問・ご相談など、ございましたらどうぞお気軽にお申しつけくださいませ。
もめんや藍一同
…遠州木綿のお話もちょっとうかがいました。
昔、遠州(現在の浜松)に織物の技術があり、もう長い間廃れていた遠州木綿がほんの数年前に地元から地場の物をという動きが生まれて復興したばかりなんだということでした。
古くから生活にとけこんでいた木綿たち。
うかがえば、古い機械で織られたそうで、先日の愛知県一宮市のガラ紡もおなじく古い機械でゆっくりと製糸されていたなあと思い出しました。
時代とともに高速化・合理化されていき、それはそれでメリットもたくさんあると思うけれど、やっぱり品質や生産性(存続していけるかどうかなども)を考えると、古い技術や方法などをもう一度拾い上げていくことで、前に進むことも出てくると思う。
すべてではないにしても、安く仕入れるために生産者たちが虐げられている背景や、度を超えて環境に負担をかけすぎている現実もあると思う。
どこかに負担をかけすぎずに存続できる方法を、まずは視野を広くして考える必要があると思うけれど、そのひとつの方法として古いやり方から学ぶ部分もあるといいなと思う。
…民芸に心惹かれるのは、洒落て味わいのある表面上のことだけではなく、昔の人々がタフに生き抜いていたり、遊び心たっぷりに楽しんでいたりする姿が、時や空間を越えて届くような気がするからかもしれません。
知恵や願いが込められた民芸品から教えられることはとても多い気がします。昔から変わらない人臭さというか、たくましく楽しんで生きるという、人間としてもっとも基本的な力を感じてとても面白い。
詳しい知識もないけれど、触れたときに感じるものが何かな~と、わたしなりに考えていきたい。