【2024.12.15追記; 備忘録が出てきたため、12月29日の文章を少し追加しました(画像は追加していません)。敢えて最初にアップした日時を残しています】
旅の第2弾では、1泊2日で南部の海岸沿い=以下の地図の➍~➐を巡ります。
ただし、セリャランスフォスとスコガフォスは近いため➍に、ブラックサンドビーチとヴィークは近いため➎に、ヨークルスアゥルロンとダイヤモンドビーチとスキャタフェットルは近いため➐にまとめています。さらに 内陸のヴァトナヨークトル氷河に足を踏み入れたのですが、正確な位置が不明のため➐にまとめています。
また、後の下線部の数字にも対応しています。
1・4・5・6 レイキャビク ⇒セリャランスフォス ⇒スコガフォス ⇒ブラックサンドビーチ ⇒ヴィーク ⇒ヘプン (2023年12月28日)
6時半過ぎに起床。
メールをチェックすると、12月30日にオーロラ鑑賞ツアーのやり直しがO.Kになったとtravel agentから連絡がきていた。心の中で快哉 が、ピックアップのバス停が15番になっている。30日に泊まるのはここから南東に1.5㎞以上離れた別のホテルなので、9番のバス停に変更してもらう必要がある。その旨を伝えるべくメールを送信。
この日のピックアップは8時半~9時となっていたが、これまでの経験を踏まえて8時半より少し前に着くようにバス停へ向かう。たいした距離はないが、とけ残った雪の上をスーツケース転がすのは思いのほか力が要る。ヨロヨロとバス停を目指す私に近づいてきた男性が、右上がりの疑問形アクセントで私のgiven nameを呼ぶ。Yesですとも
はぁ、よかった・・・前日同様に人でごった返す停留所で探す手間が省けた。今回のドライバー兼ガイドさんの英語は滑らか。見た感じ30代くらい。7年前からガイドをやっていると後で言っていたから、ドンピシャでなくとも遠からずだろう。
なんでもレイキャビクから拾うのは私だけで、後は30分ほど走った所のホテルから乗ってくるという。車窓は前日と同様にまだ暗い(画像上部の白いのは月ではなくて、車内の電灯が窓に反射したもの)。
大グループにおまけで自分1人入るのかと想像していたら、2~4人グループ16名に自分と同じく1人旅のおばちゃん(欧米系)1名だった。ワゴンは程よく埋まり、にぎやかになった。
10時半前、レイキャビクから100㎞南東のセリャランスフォスの滝に到着。駐車場を降りると、もう視界に滝。
後ろを振り返る。国道1号線のすぐそば。画像手前、滝から流れ出る水が川を成している。画像中央やや左の白いのは正真正銘の月、まだ陽が昇っていない。
今日もツアーで貸し出されたアイゼンをつけて歩く(撮影は後刻)。
人の流れに合わせて滝に近づく。お気づきの通り、この滝は奥が洞窟のようにえぐれており、滝の裏にまわることができるのである。
が、立ち入り禁止となっていた。冬季は凍結のため立ち入れないことがあると事前情報で知りつつも、あわよくばと期待していたのに・・・残念すぎる
実は、この場所は個人的に思い入れ大だった。オーロラを見たいと思うよりもっと以前、ネット上で偶然にセリャランスフォスの滝を裏から眺める画像を目にした時、アイスランドを訪れたいと初めて思ったのだった。
こうなったら、許される限界まで近づくしかない。まずは向かって右手からパシャリ
次は左手へ赴く。滝の落差は60m。
左サイドからは、より近寄ることができた。しぶきを浴びつつ、何度も深呼吸してマイナスイオンをこれでもかと吸い込んだ。
メインの滝の奥にも支流(?)が流れているようだった。集合時間までたっぷりあったので、行ってみることにする。
冬なので水量は激減しているが、水流で大地を穿った痕跡が明らかに見てとれる。
ちなみに、道中はツルッツルに凍っていた。来し方を振り返ると、こんな感じ(画像左端中央がメインの滝)。
借りたアイゼンが役に立った 登山靴の人でさえ滑っていたので、なかなかツワモノな凍り具合である。
さらに奥へ進む。
岩の割れ目に下りてみたい気もしたが、戻る時間を逆算して引き返すことにした。
次は30㎞南東のスコガフォスに向かう。その途中で日が昇った。車窓から気になっていたが走行中に撮った画像は全部ブレブレだったので、ドライバーさんが停めてくれてラッキー
雲間から顔を出す予兆。
ズームアップしてみる。ちなみに、画像右上のは飛行機雲(120㎞北西にケフラヴィーク国際空港がある)。
いよいよ・・・
ついに
一部始終を見届けることができた。朝が弱い自分にはとてもありがたい11時過ぎの日の出。
ちょうど正午にスコガフォスの滝に到着。40分しか時間がなかったので、まず展望台にのぼることにした。その階段(画像右端)はかなり長く傾斜もあり、前日のグトルフォスのそれとは比べものにならないほどハードだった
のぼりきって、駐車場方面を見下ろす。
展望台は網状のスケルトン。人でいっぱい。
展望台から滝を望む。
画像中央が滝壺の真上。
滝の上流へ向かう道が整備されていたので、足を向ける。
上流を眺めるトレイルはここが行き止まりのようだった。
時計を気にしながら、来た道(画像左端)を戻る。
残った時間で滝壺に近づく。
【この地に入植したヴァィキングが10世紀初頭、亡くなる直前に金銀財宝の詰まった宝箱をこの滝の近くの洞窟に埋めたという伝説があるらしい。それを聞いた人々がやって来ては探し、ついにある時発見。宝箱に付いていた金の取っ手をつかんだが、宝箱は滝壺に沈んで行方知れずという。その金の取っ手は付近の教会を経て、現在はスコガル博物館に保管されているという】
ほんのわずかながら、虹色に反射していた。
落差60m、先ほどのセリャランスフォスと同じ。が、幅が25mあるためか大きく見えるような・・・
滝壺付近は白い世界だった
滝のそばのホテルでランチ。テーブル番号を伝えて注文、先に支払うシステムだった。野菜不足にコーヒーを飲んでいなかったのでオーダー。
ところが、ツアーグループの中でわりと早めに注文したはずなのに全然来ない。一行18人のうち皿が運ばれてないのがあと2~3人になった時さすがにと思い、立ち上がってレジへ向かう。その様子を見たらしいウェイターが声をかけてくれたので、たどたどしい英語で事情を説明する。至急確認してもらったら、ツアーグループ内の4人組(たぶん20代、中国人と思われる)がシーザーサラダと間違えて手をつけていた。違うテーブルに運んでしまうお店側も問題アリだが・・・遅れて到着した料理をせわしなく平らげるハメに
直径20cmのお皿に高さ3cmほど盛られていて一見するとボリュームがあったが、野菜なので消化は早かった。
食後は一路、30㎞南東のブラックサンドビーチへ向かう。移動中のワゴン内からパシャリ
この国に来て初めて間近に見る海は、とにかく荒々しかった。波が高いだけでなく激しい。降車前、波打ち際から30m離れるようにとガイドさんは告げたが、たしかに・・・
波に引きずり込まれる事故が起こることから、注意書きや警報灯も厳重。
浜辺の石は白くて丸い【砂が黒いのは、火山活動が盛んなこの島で溶岩が冷えて固まる時に形成された黒い火山岩が削られてできたためという】。
犬に遭遇。近所に住んでいるのか、はたまた犬を連れて旅行中なのか・・・
柱状節理がくっきりと浮かび上がる崖。
遠方に屹立するレイニスドランガル(海食柱)が気になり、ずんずん歩いて行く。
この海食柱には伝説があり、トロール(北欧の神話・民話に登場する精霊)が船にいたずらをするうち夜が明け朝日を浴びて岩になってしまったとか、妻を殺したトロールを探してきた男がこの場所で追いついて岩にしたとか、諸説あるらしい。
横向きの柱状節理 どうやって形成されたんだろう。北アイルランドはジャイアンツ・コーズウェイでおびただしい数見かけたけど、こんなのはなかったような・・・
もう日が落ちてきている、ときに15時前。
早足で歩いて、海食柱のそばまで到達。滑らないようにと注意を払いつつ、岩にのぼってみる。先達ほど前方に行く度胸はないけど
見える範囲に同じツアーの人々はいない。時計を見て踵を返し、帰路を急ぐ。
最初のポイントにやっと帰還。
ビジターセンターの前にさりげなく置かれていた。海の生物の骨かなぁ
駐車場へ向かう。この景色だけ見たら、海のすぐそばとは思わないんじゃないだろうか・・・
ブラックサンドビーチから小さな丘をひとつ越えて、教会のあるview pointへやって来た。先ほどとは異なる角度(東側)から海食柱を眺めることができる。
さっきは2本しか見えなかったけど、もっとあるのね。
てか、今日は日の出も日没も拝めたなぁ、ラッキー 今日は前日よりもさらに天気が良いのかも(いる場所が違うから、単純に比較できないけど)。
白壁に赤い屋根の教会は新しそうだった(この記事を書くにあたり調べたところ、1934年築の木造らしい)。鍵がかかっていて、中に入れなかったのは残念。
未練がましく、外からステンドグラスを撮影してみる。
その後、ほど近くのショッピングモールで買い出しタイムとなった。駐車場から先ほどの教会を見上げることができる(画像中央やや右)。
ガイドさん曰く、今夜泊まる宿の周辺はお店がないから、何か買うならここでねと。この辺りはヴィークという村で、インドでいうカニャークマリ的な最南端である【レイキャビクから180㎞ほど。人口は300人ほどだが、東部と西部を結ぶ交通の要衝のため往来は激しいみたい】。
モール内はいくつかのパートに分かれていて、アウトドア用品や土産物をそろえる店、スーパー、カフェ等で構成されていた。
土産物屋でハガキを物色したがピンとくるものがなく、結局スーパーで水のみ購入。0.5リットルのペットボトルが119kr(≒140円)、レイキャビクの半額以下
そしてキャビアが安い(599kr≒707円)。買ってみたいけど今夜食べきれるはずもなく、ナマモノを明日持ち歩くのが怖いので断念。
16時にモールを出発。ここから宿までが約200㎞の大移動で、1度のトイレ休憩をはさんでワゴンは3時間半くらい北東へひた走る。日頃の5時間睡眠よりも充分足りているからか、一向に眠気をもよおさず ずっと起きていた。さして深く考えず右サイドの席に座ったのだが、基本的に車窓は海である。この海原のはるか向こうはアイルランドかぁ・・・
午前中にセリャランスフォスとスコガフォス間を移動中、かつてアイルランドから移住してきた人々がその辺りに暮らしていたとガイドさんから聞いた。2日前に訪れたハットルグリムス教会のパネルには、アイルランドからやって来た修道士からこの国にキリスト教が伝わったと書いてあった。聖パトリックがアイルランドを教化したのが5世紀、この地に人々が暮らし始めたのが9世紀だから辻褄は合うなぁ。アイスランドとアイルランドが決して酷似しているわけじゃないし、かつてとは全然異なる温度なのだが、思考は取りとめもなく広がっていくのだった。そして、いつのまにやら天空に浮かんでいる月は真ん丸に近い形をしていた
19時20分、今宵の宿に到着。後から調べたところによると、アイスランド東部のヘプンという漁師町の北西30㎞ほどの場所にあるゲストハウスだった【レイキャビクから400㎞超】。
車窓から見る限り付近は暗い。夕食は付いていないけど、温かいものを食べたいなら宿の食堂以外に選択肢はなかった。ランチョンマットがクリスマスバージョン
メインディッシュにはスープとパン、サラダが付いていた。ビールGullは別途注文、500㎖で1050kr(≒1239円)。
数種類のメインから白身魚のフライをチョイス。お皿の中央の白いのはレムラードソース【マヨネーズをベースにマスタード、ケッパー、ハーブなどを混ぜたもの。フランス料理で使用される】。5350kr(≒6313円)、地方都市といえど食費は高い
食堂から部屋に戻る途中、ほんの少し屋外に出る動線だった。外からロビーを撮影。
ゲストハウスゆえ、部屋は素朴。
シャワーはmax38℃、水圧も弱めだった。この寒さの中、水でないだけマシなんだろう。
この夜はオーロラを見られるチャンスがあるかもとガイドさんは言っていたが、22時前に外に出てみたら綺麗な星空が広がるばかり。23時にも出てみたが、しっかり曇っていた。1時間でこんなに空模様が変わるのね・・・念のため0時に部屋の窓から見上げると、空の大半が雲で覆われていた
6・7・5・1 ヘプン ⇒ヴァトナヨークトル ⇒ヨークルスアゥルロン ⇒ダイヤモンドビーチ ⇒スキャタフェットル ⇒ヴィーク ⇒レイキャビク (2023年12月29日)
6時半過ぎに起床。前夜 夕食をとった食堂に行くと、朝食ビュッフェの支度がされていた。
ハムはあるが卵がないのかぁ、仕方ないなと受け流した。が、食べ終えて出る時には卵料理が出ていた。7時過ぎに行くのが正解だったみたい
8時15分にゲストハウスを出発。
前日暗くなってから到着、この日は陽が昇る前に去ったので、宿の外観とか周辺の様子がさっぱり分からないままだった。こんなことってあるのね~
9時、ヴァトナヨークトル氷河の中でワゴンを降り、ジープに乗り換える。除雪車のような外観だなぁ、深い雪をぐいぐい掻き分けて進めそう。
車窓はやはり空と雪原の境界が融け合っている。一歩間違えれば遭難だよなぁ・・・
貸し出されたアイゼンは、前日のよりも本格的なヤツだった(撮影は後刻)。
レイキャビクから同行しているガイドさんとは一旦別れ、現地のガイドさんに導かれるまま薄暗い中を進む。
ヴァトナヨークトル氷河はこの国最大の氷河で、国土の8%を占める。氷河の厚さは400~1000mに達するという。
アイスランド冬の観光の目玉のひとつといわれる、氷の洞窟への入口(帰路に撮影)。
【ice caveに入れるのは11月~3月のみ。気温が上がると洞窟は融け、寒くなってくると形成される。毎年新しく生まれ、消えていく儚いものである】
けっこうな斜面をくだる。下の画像中央やや右、人影の見える箇所がルート。
下りきって右を見ると、こんな感じ。
頭上にはゲートのような氷。
一旦屋外に出る。
氷が透き通っている。
来た道を戻り、再び洞窟の中へ。ガイドさん(下の画像左、黄色いウェアの方)にカメラを預けると、一人一人を撮ってくれた。
その後、かなり暗い洞窟内を歩く。何枚撮影しても全然ダメな画像だらけ・・・でも参考までに載せておく。
cave内に設置されたライトを反射する氷。
洞窟の出口付近で、ガイドさんが再び撮ってくれた(自分にモザイクをかけています)。
最後に斜面をのぼって、外に出る。
往きよりは明るくなっていて、はるか遠くにジープだまりが見晴らせた。
ジープの駐車場に到着してアイゼンを返却したら、金髪で肩にかかりそうな長髪をまとめている渋いイケメンのice caveガイドさん(30代後半?)は私に"謝謝”と。このツアーグループ18名中8名が中国人と思われ、そして間違われがちな自分だから まぁそうなるわな
再びジープに乗り、20分ほどでワゴンの駐車場に到着。下の画像、中央から左にかけて写っている丘が見えるでしょうか? 辺り一面、白い世界
ヴァトナヨークトル氷河を後にして30分余り、ヨークルスアゥルロン湖に到着【気候変動により、氷河の雪解け水がたまって1935年頃に形成された氷河湖。ヴァトナヨークトル氷河の最南端に位置する。面積18k㎡、深さ248m】。
氷山が集結している光景は圧巻。
海中の氷が見えるほどの透明度。帽子のような形(画像右上)はどうやって形成されたの それにしても、青くて美しい・・・
そして、お気づきのとおり吹雪いていた
温度の低い海は遠目に灰色に見えるのね・・・
正直に言えば、もっと長い時間眺めていたかった。個人で訪れていたなら、確実にそうしただろう。
が、無情にも与えられた時間は30分のみ。しかもトイレに行列したことで割を食った(宿を出て3時間余り、さすがに行かずにはいられない)。目の端に入った土産物屋にも寄ることができず、後ろ髪引かれる思いで去らねばならなかった
次は、目と鼻の先のダイヤモンドビーチへ【ヨークルスアゥルロン湖から流れてきた氷河のかけらが黒砂の海岸に打ち寄せられている。陽光まぶしき時には氷河が光り輝くことから名付けられた】。前日のブラックサンドビーチほどでないとはいえ、ここも波が高いので近づいてはダメとのことだった。結局、アイスランドでは海水に触れられずじまい
前日来、車窓から気になっていた電柱をパシャリ 画像中央奥、鳥居みたいな形が面白い。豪雪に耐えうる最善のフォルムなのかな。
海とヨークルスアゥルロン湖(画像奥)を結ぶ水路には橋がかかっていた。
救命救急用具が用意されている。見た目以上に流れが速いのか、水温が低すぎて危険なのか・・・どちらもなのかも。
ダイヤモンドビーチを発ち、30㎞西のスキャタフェットルへ。ワゴンはホフスキルキャ教会の目の前で停まった。ツアーの人々はあまり興味がないようで、降りたのは18名中4名のみ。
雪が積もっていて分かりにくいかもしれないが、芝で覆われた造り=ターフハウスなのである【9世紀、ノルウェーからの入植者がもたらしたとされる建築様式。石を積み上げた土台・流木を使用した骨組みの上を芝で覆う。芝は断熱効果が高く、19世紀まで石油ストーブを使用しなかったというアイスランドで重宝された】。
側面はこんな感じ。キリスト教が土着の文化と融合して生み出されるバリエーションに興味がある自分。アイスランドの他の教会ではあるが、わが愛しの写真集『世界の教会』で目にして以来、気になっていた
冬の様子を知ってこれはこれでいいんだけど、夏の青々と草茂る感じがベストなんだろうなぁ、やっぱり
施錠されていて入れなかったが、窓から中を覗くことができた。たったひとつしかない扉の側からの眺め。画像中央奥にささやかな祭壇が備えられている。
逆方向、祭壇側からの眺め。このアングルだと、天井の高さを感じることができる。
なお、設置されていた説明ボードによると この教会は1884年創建、伝統的な様式で建てられた最後のターフ教会で、歴史的建造物として保存されている6棟の教会のひとつという。
ワゴンは20分ほど西へ走り、日本でいうSAのような場所に停車。土産物屋と食堂が併設されている。
ときに13時20分、お腹は空いている。レイキャビクまでまだ遠いし、到着したところで2日前の食事処探しでは骨が折れたし、出発まで1時間もあるし・・・色々考えた末ここで食べることにした。昼どきを過ぎているにもかかわらず激混みではあったが回転率は悪くなく、幸いにも席をゲットできた。
トレーを持って並び、serveしてくれる厨房スタッフにカウンター越しに注文する方式。ホッキョクイワナにクリームグラタンと野菜付きで2995kr(≒3534円)。メインよりも、クリームとチーズが濃厚なグラタンに野菜が美味だった
トイレから出てバスへ戻ろうとしたら、私を探しに来たガイドさんに遭遇。どうやら最後の一人だったらしい。特にとがめられるわけでもなく、“どこで降りるの? 昨日は15番のバス停だったよね。” と聞かれる。なかなか滑らかに英語が出てこず、つい "え~っとぉ” と口にすると、オウム返しされた。耳コピー上手いなぁ。ともあれ、今日は9番と伝えることができてよかった
さらに西へ2時間進み、前日も立ち寄った南端の町ヴィークのショッピングモールに到着。ドライバーの休憩も兼ねて、ここでも十分な時間が与えられた。
16時なので、もう陽が落ちている。視線を上げると、丘の上には教会。
道路をはさんでモールの斜め向かい側にあるvinbudinへ足を運ぶ。前日から気になっていたのだが、まさか今日もここに停車するとは。
レイキャビクでは前を通り過ぎるばかりだったが、ついに入店。初めてにつき少しドキドキしたが、特殊な雰囲気ではなくスーパーの酒売り場のようにカジュアルな雰囲気だった。
入店直後に私を一瞥したおばちゃん店員から無事にビールを2本購入。350㎖が2缶で988kr(≒1166円)、スーパーで買うライトビールと比べて1缶50円くらいしか違わない・・・だとしたら、通常ビールのがいいな。ホクホクしながらワゴンに戻る
ヴィークからワゴンで約3時間、近づいてくるレイキャビクの街は宝石箱のようにキラキラ 世界最高緯度の首都、14万人が暮らす都市は宵闇に美しく煌めきを放っていた。
レイキャビク市内に点在するバス停に寄るごとに、一人またひとりとツアー客が降りていく。19時40分、自分が降りるべき停留所に到着。スーツケースを下ろしてくれたガイドさんに“Thank you so much.”と言ったら拳を突き出されたので、グータッチ。そして元日もまたツアーでヨークルスアゥルロン湖に行くと言っていた彼の息災を祈りつつ、“Have a happy new year!” と告げて去る。
今夜から泊まるホテルはバス停の真横にあって、迷う余地はなかった。ホッ
荷物を置いてまもなく散策に出かけた。ロイガヴェーグル通りの端に位置する宿は至便で、界隈は人通りも多くにぎわっていた。土産物屋を冷やかし、スーパーで水を買い込んで戻る。
シャワーを浴び、vinbudinで入手したばかりの “ライトじゃない" 缶ビールで晩酌
この銘柄は入国2日目に飲んでいるが、種類が色々あるようでpale aleは初めて。
この数日で何本の滝を見ただろう・・・この国らしいラベルに魅かれてチョイス
★ 中締め ★
次回、旅の最後はレイキャビクを巡ります。
お楽しみに
旅の第2弾では、1泊2日で南部の海岸沿い=以下の地図の➍~➐を巡ります。
ただし、セリャランスフォスとスコガフォスは近いため➍に、ブラックサンドビーチとヴィークは近いため➎に、ヨークルスアゥルロンとダイヤモンドビーチとスキャタフェットルは近いため➐にまとめています。さらに 内陸のヴァトナヨークトル氷河に足を踏み入れたのですが、正確な位置が不明のため➐にまとめています。
また、後の下線部の数字にも対応しています。
1・4・5・6 レイキャビク ⇒セリャランスフォス ⇒スコガフォス ⇒ブラックサンドビーチ ⇒ヴィーク ⇒ヘプン (2023年12月28日)
6時半過ぎに起床。
メールをチェックすると、12月30日にオーロラ鑑賞ツアーのやり直しがO.Kになったとtravel agentから連絡がきていた。心の中で快哉 が、ピックアップのバス停が15番になっている。30日に泊まるのはここから南東に1.5㎞以上離れた別のホテルなので、9番のバス停に変更してもらう必要がある。その旨を伝えるべくメールを送信。
この日のピックアップは8時半~9時となっていたが、これまでの経験を踏まえて8時半より少し前に着くようにバス停へ向かう。たいした距離はないが、とけ残った雪の上をスーツケース転がすのは思いのほか力が要る。ヨロヨロとバス停を目指す私に近づいてきた男性が、右上がりの疑問形アクセントで私のgiven nameを呼ぶ。Yesですとも
はぁ、よかった・・・前日同様に人でごった返す停留所で探す手間が省けた。今回のドライバー兼ガイドさんの英語は滑らか。見た感じ30代くらい。7年前からガイドをやっていると後で言っていたから、ドンピシャでなくとも遠からずだろう。
なんでもレイキャビクから拾うのは私だけで、後は30分ほど走った所のホテルから乗ってくるという。車窓は前日と同様にまだ暗い(画像上部の白いのは月ではなくて、車内の電灯が窓に反射したもの)。
大グループにおまけで自分1人入るのかと想像していたら、2~4人グループ16名に自分と同じく1人旅のおばちゃん(欧米系)1名だった。ワゴンは程よく埋まり、にぎやかになった。
10時半前、レイキャビクから100㎞南東のセリャランスフォスの滝に到着。駐車場を降りると、もう視界に滝。
後ろを振り返る。国道1号線のすぐそば。画像手前、滝から流れ出る水が川を成している。画像中央やや左の白いのは正真正銘の月、まだ陽が昇っていない。
今日もツアーで貸し出されたアイゼンをつけて歩く(撮影は後刻)。
人の流れに合わせて滝に近づく。お気づきの通り、この滝は奥が洞窟のようにえぐれており、滝の裏にまわることができるのである。
が、立ち入り禁止となっていた。冬季は凍結のため立ち入れないことがあると事前情報で知りつつも、あわよくばと期待していたのに・・・残念すぎる
実は、この場所は個人的に思い入れ大だった。オーロラを見たいと思うよりもっと以前、ネット上で偶然にセリャランスフォスの滝を裏から眺める画像を目にした時、アイスランドを訪れたいと初めて思ったのだった。
こうなったら、許される限界まで近づくしかない。まずは向かって右手からパシャリ
次は左手へ赴く。滝の落差は60m。
左サイドからは、より近寄ることができた。しぶきを浴びつつ、何度も深呼吸してマイナスイオンをこれでもかと吸い込んだ。
メインの滝の奥にも支流(?)が流れているようだった。集合時間までたっぷりあったので、行ってみることにする。
冬なので水量は激減しているが、水流で大地を穿った痕跡が明らかに見てとれる。
ちなみに、道中はツルッツルに凍っていた。来し方を振り返ると、こんな感じ(画像左端中央がメインの滝)。
借りたアイゼンが役に立った 登山靴の人でさえ滑っていたので、なかなかツワモノな凍り具合である。
さらに奥へ進む。
岩の割れ目に下りてみたい気もしたが、戻る時間を逆算して引き返すことにした。
次は30㎞南東のスコガフォスに向かう。その途中で日が昇った。車窓から気になっていたが走行中に撮った画像は全部ブレブレだったので、ドライバーさんが停めてくれてラッキー
雲間から顔を出す予兆。
ズームアップしてみる。ちなみに、画像右上のは飛行機雲(120㎞北西にケフラヴィーク国際空港がある)。
いよいよ・・・
ついに
一部始終を見届けることができた。朝が弱い自分にはとてもありがたい11時過ぎの日の出。
ちょうど正午にスコガフォスの滝に到着。40分しか時間がなかったので、まず展望台にのぼることにした。その階段(画像右端)はかなり長く傾斜もあり、前日のグトルフォスのそれとは比べものにならないほどハードだった
のぼりきって、駐車場方面を見下ろす。
展望台は網状のスケルトン。人でいっぱい。
展望台から滝を望む。
画像中央が滝壺の真上。
滝の上流へ向かう道が整備されていたので、足を向ける。
上流を眺めるトレイルはここが行き止まりのようだった。
時計を気にしながら、来た道(画像左端)を戻る。
残った時間で滝壺に近づく。
【この地に入植したヴァィキングが10世紀初頭、亡くなる直前に金銀財宝の詰まった宝箱をこの滝の近くの洞窟に埋めたという伝説があるらしい。それを聞いた人々がやって来ては探し、ついにある時発見。宝箱に付いていた金の取っ手をつかんだが、宝箱は滝壺に沈んで行方知れずという。その金の取っ手は付近の教会を経て、現在はスコガル博物館に保管されているという】
ほんのわずかながら、虹色に反射していた。
落差60m、先ほどのセリャランスフォスと同じ。が、幅が25mあるためか大きく見えるような・・・
滝壺付近は白い世界だった
滝のそばのホテルでランチ。テーブル番号を伝えて注文、先に支払うシステムだった。野菜不足にコーヒーを飲んでいなかったのでオーダー。
ところが、ツアーグループの中でわりと早めに注文したはずなのに全然来ない。一行18人のうち皿が運ばれてないのがあと2~3人になった時さすがにと思い、立ち上がってレジへ向かう。その様子を見たらしいウェイターが声をかけてくれたので、たどたどしい英語で事情を説明する。至急確認してもらったら、ツアーグループ内の4人組(たぶん20代、中国人と思われる)がシーザーサラダと間違えて手をつけていた。違うテーブルに運んでしまうお店側も問題アリだが・・・遅れて到着した料理をせわしなく平らげるハメに
直径20cmのお皿に高さ3cmほど盛られていて一見するとボリュームがあったが、野菜なので消化は早かった。
食後は一路、30㎞南東のブラックサンドビーチへ向かう。移動中のワゴン内からパシャリ
この国に来て初めて間近に見る海は、とにかく荒々しかった。波が高いだけでなく激しい。降車前、波打ち際から30m離れるようにとガイドさんは告げたが、たしかに・・・
波に引きずり込まれる事故が起こることから、注意書きや警報灯も厳重。
浜辺の石は白くて丸い【砂が黒いのは、火山活動が盛んなこの島で溶岩が冷えて固まる時に形成された黒い火山岩が削られてできたためという】。
犬に遭遇。近所に住んでいるのか、はたまた犬を連れて旅行中なのか・・・
柱状節理がくっきりと浮かび上がる崖。
遠方に屹立するレイニスドランガル(海食柱)が気になり、ずんずん歩いて行く。
この海食柱には伝説があり、トロール(北欧の神話・民話に登場する精霊)が船にいたずらをするうち夜が明け朝日を浴びて岩になってしまったとか、妻を殺したトロールを探してきた男がこの場所で追いついて岩にしたとか、諸説あるらしい。
横向きの柱状節理 どうやって形成されたんだろう。北アイルランドはジャイアンツ・コーズウェイでおびただしい数見かけたけど、こんなのはなかったような・・・
もう日が落ちてきている、ときに15時前。
早足で歩いて、海食柱のそばまで到達。滑らないようにと注意を払いつつ、岩にのぼってみる。先達ほど前方に行く度胸はないけど
見える範囲に同じツアーの人々はいない。時計を見て踵を返し、帰路を急ぐ。
最初のポイントにやっと帰還。
ビジターセンターの前にさりげなく置かれていた。海の生物の骨かなぁ
駐車場へ向かう。この景色だけ見たら、海のすぐそばとは思わないんじゃないだろうか・・・
ブラックサンドビーチから小さな丘をひとつ越えて、教会のあるview pointへやって来た。先ほどとは異なる角度(東側)から海食柱を眺めることができる。
さっきは2本しか見えなかったけど、もっとあるのね。
てか、今日は日の出も日没も拝めたなぁ、ラッキー 今日は前日よりもさらに天気が良いのかも(いる場所が違うから、単純に比較できないけど)。
白壁に赤い屋根の教会は新しそうだった(この記事を書くにあたり調べたところ、1934年築の木造らしい)。鍵がかかっていて、中に入れなかったのは残念。
未練がましく、外からステンドグラスを撮影してみる。
その後、ほど近くのショッピングモールで買い出しタイムとなった。駐車場から先ほどの教会を見上げることができる(画像中央やや右)。
ガイドさん曰く、今夜泊まる宿の周辺はお店がないから、何か買うならここでねと。この辺りはヴィークという村で、インドでいうカニャークマリ的な最南端である【レイキャビクから180㎞ほど。人口は300人ほどだが、東部と西部を結ぶ交通の要衝のため往来は激しいみたい】。
モール内はいくつかのパートに分かれていて、アウトドア用品や土産物をそろえる店、スーパー、カフェ等で構成されていた。
土産物屋でハガキを物色したがピンとくるものがなく、結局スーパーで水のみ購入。0.5リットルのペットボトルが119kr(≒140円)、レイキャビクの半額以下
そしてキャビアが安い(599kr≒707円)。買ってみたいけど今夜食べきれるはずもなく、ナマモノを明日持ち歩くのが怖いので断念。
16時にモールを出発。ここから宿までが約200㎞の大移動で、1度のトイレ休憩をはさんでワゴンは3時間半くらい北東へひた走る。日頃の5時間睡眠よりも充分足りているからか、一向に眠気をもよおさず ずっと起きていた。さして深く考えず右サイドの席に座ったのだが、基本的に車窓は海である。この海原のはるか向こうはアイルランドかぁ・・・
午前中にセリャランスフォスとスコガフォス間を移動中、かつてアイルランドから移住してきた人々がその辺りに暮らしていたとガイドさんから聞いた。2日前に訪れたハットルグリムス教会のパネルには、アイルランドからやって来た修道士からこの国にキリスト教が伝わったと書いてあった。聖パトリックがアイルランドを教化したのが5世紀、この地に人々が暮らし始めたのが9世紀だから辻褄は合うなぁ。アイスランドとアイルランドが決して酷似しているわけじゃないし、かつてとは全然異なる温度なのだが、思考は取りとめもなく広がっていくのだった。そして、いつのまにやら天空に浮かんでいる月は真ん丸に近い形をしていた
19時20分、今宵の宿に到着。後から調べたところによると、アイスランド東部のヘプンという漁師町の北西30㎞ほどの場所にあるゲストハウスだった【レイキャビクから400㎞超】。
車窓から見る限り付近は暗い。夕食は付いていないけど、温かいものを食べたいなら宿の食堂以外に選択肢はなかった。ランチョンマットがクリスマスバージョン
メインディッシュにはスープとパン、サラダが付いていた。ビールGullは別途注文、500㎖で1050kr(≒1239円)。
数種類のメインから白身魚のフライをチョイス。お皿の中央の白いのはレムラードソース【マヨネーズをベースにマスタード、ケッパー、ハーブなどを混ぜたもの。フランス料理で使用される】。5350kr(≒6313円)、地方都市といえど食費は高い
食堂から部屋に戻る途中、ほんの少し屋外に出る動線だった。外からロビーを撮影。
ゲストハウスゆえ、部屋は素朴。
シャワーはmax38℃、水圧も弱めだった。この寒さの中、水でないだけマシなんだろう。
この夜はオーロラを見られるチャンスがあるかもとガイドさんは言っていたが、22時前に外に出てみたら綺麗な星空が広がるばかり。23時にも出てみたが、しっかり曇っていた。1時間でこんなに空模様が変わるのね・・・念のため0時に部屋の窓から見上げると、空の大半が雲で覆われていた
6・7・5・1 ヘプン ⇒ヴァトナヨークトル ⇒ヨークルスアゥルロン ⇒ダイヤモンドビーチ ⇒スキャタフェットル ⇒ヴィーク ⇒レイキャビク (2023年12月29日)
6時半過ぎに起床。前夜 夕食をとった食堂に行くと、朝食ビュッフェの支度がされていた。
ハムはあるが卵がないのかぁ、仕方ないなと受け流した。が、食べ終えて出る時には卵料理が出ていた。7時過ぎに行くのが正解だったみたい
8時15分にゲストハウスを出発。
前日暗くなってから到着、この日は陽が昇る前に去ったので、宿の外観とか周辺の様子がさっぱり分からないままだった。こんなことってあるのね~
9時、ヴァトナヨークトル氷河の中でワゴンを降り、ジープに乗り換える。除雪車のような外観だなぁ、深い雪をぐいぐい掻き分けて進めそう。
車窓はやはり空と雪原の境界が融け合っている。一歩間違えれば遭難だよなぁ・・・
貸し出されたアイゼンは、前日のよりも本格的なヤツだった(撮影は後刻)。
レイキャビクから同行しているガイドさんとは一旦別れ、現地のガイドさんに導かれるまま薄暗い中を進む。
ヴァトナヨークトル氷河はこの国最大の氷河で、国土の8%を占める。氷河の厚さは400~1000mに達するという。
アイスランド冬の観光の目玉のひとつといわれる、氷の洞窟への入口(帰路に撮影)。
【ice caveに入れるのは11月~3月のみ。気温が上がると洞窟は融け、寒くなってくると形成される。毎年新しく生まれ、消えていく儚いものである】
けっこうな斜面をくだる。下の画像中央やや右、人影の見える箇所がルート。
下りきって右を見ると、こんな感じ。
頭上にはゲートのような氷。
一旦屋外に出る。
氷が透き通っている。
来た道を戻り、再び洞窟の中へ。ガイドさん(下の画像左、黄色いウェアの方)にカメラを預けると、一人一人を撮ってくれた。
その後、かなり暗い洞窟内を歩く。何枚撮影しても全然ダメな画像だらけ・・・でも参考までに載せておく。
cave内に設置されたライトを反射する氷。
洞窟の出口付近で、ガイドさんが再び撮ってくれた(自分にモザイクをかけています)。
最後に斜面をのぼって、外に出る。
往きよりは明るくなっていて、はるか遠くにジープだまりが見晴らせた。
ジープの駐車場に到着してアイゼンを返却したら、金髪で肩にかかりそうな長髪をまとめている渋いイケメンのice caveガイドさん(30代後半?)は私に"謝謝”と。このツアーグループ18名中8名が中国人と思われ、そして間違われがちな自分だから まぁそうなるわな
再びジープに乗り、20分ほどでワゴンの駐車場に到着。下の画像、中央から左にかけて写っている丘が見えるでしょうか? 辺り一面、白い世界
ヴァトナヨークトル氷河を後にして30分余り、ヨークルスアゥルロン湖に到着【気候変動により、氷河の雪解け水がたまって1935年頃に形成された氷河湖。ヴァトナヨークトル氷河の最南端に位置する。面積18k㎡、深さ248m】。
氷山が集結している光景は圧巻。
海中の氷が見えるほどの透明度。帽子のような形(画像右上)はどうやって形成されたの それにしても、青くて美しい・・・
そして、お気づきのとおり吹雪いていた
温度の低い海は遠目に灰色に見えるのね・・・
正直に言えば、もっと長い時間眺めていたかった。個人で訪れていたなら、確実にそうしただろう。
が、無情にも与えられた時間は30分のみ。しかもトイレに行列したことで割を食った(宿を出て3時間余り、さすがに行かずにはいられない)。目の端に入った土産物屋にも寄ることができず、後ろ髪引かれる思いで去らねばならなかった
次は、目と鼻の先のダイヤモンドビーチへ【ヨークルスアゥルロン湖から流れてきた氷河のかけらが黒砂の海岸に打ち寄せられている。陽光まぶしき時には氷河が光り輝くことから名付けられた】。前日のブラックサンドビーチほどでないとはいえ、ここも波が高いので近づいてはダメとのことだった。結局、アイスランドでは海水に触れられずじまい
前日来、車窓から気になっていた電柱をパシャリ 画像中央奥、鳥居みたいな形が面白い。豪雪に耐えうる最善のフォルムなのかな。
海とヨークルスアゥルロン湖(画像奥)を結ぶ水路には橋がかかっていた。
救命救急用具が用意されている。見た目以上に流れが速いのか、水温が低すぎて危険なのか・・・どちらもなのかも。
ダイヤモンドビーチを発ち、30㎞西のスキャタフェットルへ。ワゴンはホフスキルキャ教会の目の前で停まった。ツアーの人々はあまり興味がないようで、降りたのは18名中4名のみ。
雪が積もっていて分かりにくいかもしれないが、芝で覆われた造り=ターフハウスなのである【9世紀、ノルウェーからの入植者がもたらしたとされる建築様式。石を積み上げた土台・流木を使用した骨組みの上を芝で覆う。芝は断熱効果が高く、19世紀まで石油ストーブを使用しなかったというアイスランドで重宝された】。
側面はこんな感じ。キリスト教が土着の文化と融合して生み出されるバリエーションに興味がある自分。アイスランドの他の教会ではあるが、わが愛しの写真集『世界の教会』で目にして以来、気になっていた
冬の様子を知ってこれはこれでいいんだけど、夏の青々と草茂る感じがベストなんだろうなぁ、やっぱり
施錠されていて入れなかったが、窓から中を覗くことができた。たったひとつしかない扉の側からの眺め。画像中央奥にささやかな祭壇が備えられている。
逆方向、祭壇側からの眺め。このアングルだと、天井の高さを感じることができる。
なお、設置されていた説明ボードによると この教会は1884年創建、伝統的な様式で建てられた最後のターフ教会で、歴史的建造物として保存されている6棟の教会のひとつという。
ワゴンは20分ほど西へ走り、日本でいうSAのような場所に停車。土産物屋と食堂が併設されている。
ときに13時20分、お腹は空いている。レイキャビクまでまだ遠いし、到着したところで2日前の食事処探しでは骨が折れたし、出発まで1時間もあるし・・・色々考えた末ここで食べることにした。昼どきを過ぎているにもかかわらず激混みではあったが回転率は悪くなく、幸いにも席をゲットできた。
トレーを持って並び、serveしてくれる厨房スタッフにカウンター越しに注文する方式。ホッキョクイワナにクリームグラタンと野菜付きで2995kr(≒3534円)。メインよりも、クリームとチーズが濃厚なグラタンに野菜が美味だった
トイレから出てバスへ戻ろうとしたら、私を探しに来たガイドさんに遭遇。どうやら最後の一人だったらしい。特にとがめられるわけでもなく、“どこで降りるの? 昨日は15番のバス停だったよね。” と聞かれる。なかなか滑らかに英語が出てこず、つい "え~っとぉ” と口にすると、オウム返しされた。耳コピー上手いなぁ。ともあれ、今日は9番と伝えることができてよかった
さらに西へ2時間進み、前日も立ち寄った南端の町ヴィークのショッピングモールに到着。ドライバーの休憩も兼ねて、ここでも十分な時間が与えられた。
16時なので、もう陽が落ちている。視線を上げると、丘の上には教会。
道路をはさんでモールの斜め向かい側にあるvinbudinへ足を運ぶ。前日から気になっていたのだが、まさか今日もここに停車するとは。
レイキャビクでは前を通り過ぎるばかりだったが、ついに入店。初めてにつき少しドキドキしたが、特殊な雰囲気ではなくスーパーの酒売り場のようにカジュアルな雰囲気だった。
入店直後に私を一瞥したおばちゃん店員から無事にビールを2本購入。350㎖が2缶で988kr(≒1166円)、スーパーで買うライトビールと比べて1缶50円くらいしか違わない・・・だとしたら、通常ビールのがいいな。ホクホクしながらワゴンに戻る
ヴィークからワゴンで約3時間、近づいてくるレイキャビクの街は宝石箱のようにキラキラ 世界最高緯度の首都、14万人が暮らす都市は宵闇に美しく煌めきを放っていた。
レイキャビク市内に点在するバス停に寄るごとに、一人またひとりとツアー客が降りていく。19時40分、自分が降りるべき停留所に到着。スーツケースを下ろしてくれたガイドさんに“Thank you so much.”と言ったら拳を突き出されたので、グータッチ。そして元日もまたツアーでヨークルスアゥルロン湖に行くと言っていた彼の息災を祈りつつ、“Have a happy new year!” と告げて去る。
今夜から泊まるホテルはバス停の真横にあって、迷う余地はなかった。ホッ
荷物を置いてまもなく散策に出かけた。ロイガヴェーグル通りの端に位置する宿は至便で、界隈は人通りも多くにぎわっていた。土産物屋を冷やかし、スーパーで水を買い込んで戻る。
シャワーを浴び、vinbudinで入手したばかりの “ライトじゃない" 缶ビールで晩酌
この銘柄は入国2日目に飲んでいるが、種類が色々あるようでpale aleは初めて。
この数日で何本の滝を見ただろう・・・この国らしいラベルに魅かれてチョイス
★ 中締め ★
次回、旅の最後はレイキャビクを巡ります。
お楽しみに