「フェルメール光の王国展」に心惹かれていたのには訳がある。
宮崎市へ帰省するたびにANAフライト便を利用していた。
そして、乗るたびに機内誌「翼の王国」で足掛け4年間にわたり、連載されていた紀行文でもあり、解説でもある、特集「フェルメールの旅」を所々、読んでいたためだ。
当時から纏まったものを読んでみたいと思った。願いがかなって嬉しい。
フェルメールの人を引き込む絵の雰囲気は、機上の人になった私の暗い気分を一次的に明るくしてくれた。
その頃は、50代ながらIT系の派遣社員としての身分を獲得して希望に燃えて仕事をしていた。
ところが、居住地、大阪では夫の度重なる入院手術(脊柱管狭窄など)があり、宮崎では母の股関節骨折による入院、転院。
母は、「仕事だけは続けなさい。」とベッドの上でも娘を案じてくれていたが、入院中に脳梗塞を発生して意識が戻らなくなってしまった。
父は、年齢が80歳に近く腎臓病で人工透析を週3回、受けていた。
妹は、虚弱体質で家事もこなせない。多分に認知症が出てきた父のカーナビ役を果たすという二人三脚状態で、お互いに補い合って暮らしていた。
家を購入したばかりの大阪、高槻での暮らしは、腰痛を抱える夫には快適な生活であり、宮崎での同居は無理であった。
10年前から帰省の度に、宮崎市役所に介護保健申請をしたりしてきたが、今後、親世帯はどうなるのかと考えると、機上の人となっても、周囲の景色が窓の外の景色同様に灰色である。
そんな気持ちで機内誌を開いて、一枚の絵を見つめると、暗澹たる気持ちが晴れてくるように思えたものだ。
この続きは後ほど…。
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