司書講習に通いだして、8日が経った。
14科目のうち講義が始ったのは6科目。演習科目は別にして思想的(理論的)な図書館学のなかで、もっとも大きなのは『図書館概論』であろう。図書館学の総合的な内容を含んでいる。全30時間。ここで図書館学のまとめを習う。これを習うことの大きな円か袋としよう。
その下に科目が分かれていて、それぞれ『図書館サービス論』とか『情報サービス概説』、『図書館資料論』などを習う。大きな袋のなかに入る袋だ。これらのほかにも袋は『生涯学習概論』や『図書及び図書館史』などがある。
つまり、大きな袋の『図書館概論』を学びながら、そのなかにある個別の袋を同時進行で教えていってもらうって訳。
となると、すべての図書館学は循環していくしかない。昨日、聞いたことを今日は別の科目で聞き、明日は他の科目で聞く。ハハア、よく出来ているなあ。忘れないうちに同じ言葉や同じ事柄が出てくるわけだ。
覚えの悪い頭には助かるなあと感謝! 感謝!
それなのに、先生方には、このことがハナハダ申し訳ないことであるらしい、のだ。師のたまわく「まことに申し訳ない」ということらしい。ナンノナンノいたく感謝。であります。
しかるに先生方、これではならない。受講生が飽きてしまう。同じ事を聞かされる身にもなってみよ。と判断し、「このテーマはアタシ詳しくしゃべります。あなたチョコットダケでお茶をにごしてください」「じゃ、著作権法はあなたにゆずるとして僕は、これこれをしゃべりますから」「え、それはちょっと待ってくださいよ。それじゃ都合が悪い。なぜなら私の方が先にこれこれのテーマで・・・」となり、事前の配慮というか、テーマ争奪戦ともなっているらしい。
ウーム。面白い。皆、頭をひねって工夫をこらし、いかに同僚講師の先生に叱られないように気をくばりつつも、ついしゃべりたくなるテーマをしゃべってしまうらしい!
ダッテこれ今、流行の、活きの良い素材なんだと思う。だから、立てるべき相手を立てながら、興味のあるテーマなんで、となると力を入れてしゃべりたくなる事柄。触れておきたい事柄なんだわ。最も受講生に伝えたい事柄なんだわ!
で、風信子。
ところで図書館学はそれぞれに進行していくのだが、
昨日は『図書および図書館史』で、古代中国の焚書(ふんしょ)について習った。今日は、図書館概論でケストナーの『本は焼かれています』を習った。検閲、禁書の問題である。
『図書館資料論』の先生は、初回から最近の図書館などで起こった、図書の選別についての事例を資料として配布されたり、「完全自殺マニュアル」の本について、図書館はどうすべきかレポートに書けという。
『図書館概論』の先生も負けてはいない。読む自由と禁書、検閲について説明されたあと、ブラッドベリ著の『華氏451度』を紹介された。そして! ジャーン。月曜日は、朝から『華氏451度』のビデオをみせていただくことになった。90分。本を読むことを禁止された国。本を読むことを禁止されたら人はどうなていくのだろう。図書館員として是非、見ておく必要がある。とのことで、嬉しいなあ。本も読んでみたいけれど。楽しみだなあ。