網代(あじろ)織りです。
網代とは竹や草で編んだカゴの編み模様のことを指します。
たしかにカゴの網目に似ています。
平織だけで織るこの織物は見る者を不思議と魅了します。
殆どの織り本に紹介されている組織図です。
順通しで平織、色の配色だけでできる模様ですが、
素材を変えることで敷物から服地まで幅広く使われています。
左貫 伊(さぬきたすく)氏の「続木綿伝承」には
古い縞本帳とともに、いくつかその技法を紹介しています。
縞と聞くと縦縞を思い浮かべますが、
ここでは崩し縞と呼ばれる特異な縞柄も紹介されていてます。
その中から一例を織ってみました。
たて糸、よこ糸:紡績綿19/4
筬:6/㎝(引き込み2本)
ろくろ機使用
実際にはもっと細い糸で織られていたと思うのですが、
縞帳には今に利用されているパターンも多くあります。
先人の探求心には敬意を感じます。
この布、夫の水筒袋になりました。