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ICT総研

The Research & Investment Company. ICT市場の調査分析・投資 by ICT総研

IT業界は水平分業からふたたび垂直統合へ

2009年12月22日 | Weblog
オラクルのサン買収については、いろいろな見方があるが、本線は垂直統合モデルへの転換をねらったものと考えている。

IT業界は、かつてメインフレームベンダーがハードウェアからソフトウェアまですべてを提供していた。顧客は、ワンストップでサービスを受けられるというメリットもあったが、ベンダーロックインによるサービス価格の割高感を甘受しなければならなかった。

だが、1社でベストといえるモジュールをすべてつくるのは困難だ。そこで、特定モジュールに特化するベンダーが出てきた。OS専業、業務アプリケーション専業、サーバー専業、ストレージ専業ベンダーなどの参入である。

プレイヤーが増えたことで価格が大幅に下がった。また、他ベンダーの提供するモジュールとの連携性のテクノロジーが重要なポイントになった。標準的でオープンな規格は、製品のコモディティ化をもたらし、価格競争に耐えられないベンダーは、買収されるか市場から撤退した。

一方で、製品のモジュール化は、あらたなビジネスをも生み出した。複雑なモジュール群をインテグレーションするシステムインテグレーターがあらわれた。多すぎる製品の選別、検証などはユーザーの手に負える範囲をはるかに超えたものになった。

そして今度は、コモディティ化したモジュールを集約的にインテグレーションし提供するサービスがメインストリームになると予測する。クラウドコンピューティングである。たしかにクラウドコンピューティングは、完全な垂直統合モデルとはいえない。しかし、ユーザーからみれば垂直統合されたサービスを受けることには変わりはないのだ。

IT業界のプレイヤーはこれからドラスティックに減っていくだろう。とんがったテクロノジーをもつベンダーは、ツキがあればクラウドベンダーに統合されていくとみている。