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クラウドと「漏れのある抽象化」by ICT総研

クラウドの本質は、ITリソースの高度な抽象化にある。ユーザーは、ブラウザベースで簡単にアクセスし利用できる。

だが、裏では従来の複雑なエンタープライズシステムがオンプレミスのときと同じように稼働している。

つまり、複雑なシステムを隠蔽し、表層の操作をシンプルにしているのだということができる。

ところで、ソフトウェア開発で、「漏れのある抽象化」というイッシューがある。

プロセスを抽象化することをどんどん進めていけば、プログラミングはもっと簡単で楽なものになるだろうと想像できる。

しかし、完璧な抽象化は無理で、どこかで漏れが生じる。これが「漏れのある抽象化」である。

漏れのある抽象化は、プログラミング分野だけではなく、様々なフィールドで生じうる現象だ。

抽象化の塊であるクラウドでもこのような問題が将来的に発生すると考える。抽象化されたブロックとブロックを結合させた結果、想定しないような結果が発生する可能性は否定できない。

「漏れのある抽象化」の解決策は、抽象化を解除し、ふたたびミクロレベルで解析していくことである。

そうなると、やはりオンプレミスレベルの粒度のテクノロジースキル、ナレッジが必要になってくる。

さらにソースレベルでハンドリングできればベター。クラウドプレイヤーが垂直統合を急ぐのは、このためだ。

ブラックボックスを標準化したインタフェースでコンソリデーションしていくだけでは、トラブルに対応できない。

クラウドが普及すればするほど、このスキル、ナレッジに希少価値が出てくるだろう。
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PC事業の収益率の実態 by ICT総研

ドイツ銀行がPCベンダーのマーケットシェアとOperating profit share(営業利益率)の関係を分析している。

スケールメリットからマーケットシェアが高ければ、営業利益率も高いはずである。まさにHP、Dellである。

しかし、注目すべきはAppleだ。マーケットシェアが低いにもかかわらず、営業利益率が一番高い。

ドイツ銀行の分析によると、Microsoftに対するOSのライセンスの支払いがPCベンダーの収益を圧迫しているという。

Appleは、これがないぶん、収益性が高い。

東芝よりもマーケットシェアが低い富士通が、営業利益率がプラスになっているのがちょっと驚きだ。

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