The Research & Investment Company. ICT市場の調査分析・投資 by ICT総研
ICT総研
グリーンIT(ICT)の成否は政府が握る
グリーンITが成功するかどうかは、政府がどれだけポジティブな関与ができるかにかかっている。
グリーンITに適合した製品は、コンポーネントが省電力対応であることがポイントだ。だが、そうした部材は汎用のものよりも価格が高い。結果、そうした部材を集積させた製品の価格も高くなる。
一般のユーザーであれば、頭でグリーンITの重要さをわかっていても、価格が安い製品に流れる。そうした消費行動は、利にかなっていてインセンティブなしに変更させるのは難しいだろう。
そこで政府の登場である。グリーンIT基準に適合した製品に対しては、減税措置をとったり、補助金を出すという施策がいいのではないかと考える。補助金は、ユーザーあるいはベンダーどちらに与えてもよい。
家電製品や自動車では、トップランナー方式をとっている。これはICT業界にとっては、重要な参考例だ。
いずれにせよ、グリーンITに適合した製品とそうでない製品の価格が同等であれば、グリーンIT適合製品は競争力を持つと思うのだ。
グリーンITに適合した製品は、コンポーネントが省電力対応であることがポイントだ。だが、そうした部材は汎用のものよりも価格が高い。結果、そうした部材を集積させた製品の価格も高くなる。
一般のユーザーであれば、頭でグリーンITの重要さをわかっていても、価格が安い製品に流れる。そうした消費行動は、利にかなっていてインセンティブなしに変更させるのは難しいだろう。
そこで政府の登場である。グリーンIT基準に適合した製品に対しては、減税措置をとったり、補助金を出すという施策がいいのではないかと考える。補助金は、ユーザーあるいはベンダーどちらに与えてもよい。
家電製品や自動車では、トップランナー方式をとっている。これはICT業界にとっては、重要な参考例だ。
いずれにせよ、グリーンITに適合した製品とそうでない製品の価格が同等であれば、グリーンIT適合製品は競争力を持つと思うのだ。
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SaaSがもたらすインパクト―――システムはフローからストックへ
SaaSビジネスが本格的に立ち上がってきた。
ベンダー各社も取り組みを強化している。例えば、
●NTTは、SaaSオーバーNGNを掲げ、NTTグループ総力でSaaS事業に参入する。
●SAPジャパンは、ライセンス使用許諾権(EULA、エンドユーザーライセンス契約)をパートナーによる間接販売から、直接販売に切り替える。SaaSを見越して販売戦略を変更した可能性が高い。
●NECは2008年3月からSaaS提供を本格的に開始する。
●NECネクサソリューションズは、成果連動型で課金するSaaSを開始。
●丸紅情報システムは、メールなどの業務システムをSaaSで提供し始めた。
フェーズはちがえども着実にSaaSへ向けたテイクオフが進む。
ユーザーでは、自社システムからSaaSへシステムの切り出しが始まるだろう。ただし、SaaSを利用できないカスタムアプリケーションのシステムは自社所有のまま残る。だが、ICTコストを削減するには、自社システムを最小限にしなければならない。
自社システムがフローだとすれば、SaaSはストックだ。会社財務では、ストックは資産・負債(貸借対照表にあたる)だが、フローは損益になる(損益計算書にあたる)。システムのあり方にパラダイムシフトが起こると考える。ただし、100パーセントSaaSでまかなうというケースはないだろうから、混在型が続く。
販売パートナーやリセラーもビジネスモデルの大幅な転換が求められる。SaaSは、ISVが直接ユーザーにサービスデリバリを行なう。だが、販売パートナーやリセラーのビジネスがなくなるわけではない。SaaSベンダー1社ですべての顧客ベースをケアすることはできないからだ。SaaS導入コンサルティング、SaaSのカスタマイズなどを提供することになる。また、障害時にSaaSベンダーとユーザーの間に入ってトラブルシューティングすることも重要なサービスになるだろう。そういう意味で、販売パートナーやリセラーが長年顧客に密着して培ったSIサービス力はかたちを変えて必要とされ続ける。
またSaaSは、近年好調なアウトソーシングビジネスとも競合する。アウトソーサーにとっては脅威だ。アウトソーシングからSaaSへ切り替えるユーザーもでてくるとみる。
なお、ASP・SaaS事業者の業界団体であるASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン(ASPIC Japan)によれば、国内のASP・SaaS市場規模は、2007年で8,070億円、2010年には1兆5,000億円以上の規模に拡大すると予測している。
ベンダー各社も取り組みを強化している。例えば、
●NTTは、SaaSオーバーNGNを掲げ、NTTグループ総力でSaaS事業に参入する。
●SAPジャパンは、ライセンス使用許諾権(EULA、エンドユーザーライセンス契約)をパートナーによる間接販売から、直接販売に切り替える。SaaSを見越して販売戦略を変更した可能性が高い。
●NECは2008年3月からSaaS提供を本格的に開始する。
●NECネクサソリューションズは、成果連動型で課金するSaaSを開始。
●丸紅情報システムは、メールなどの業務システムをSaaSで提供し始めた。
フェーズはちがえども着実にSaaSへ向けたテイクオフが進む。
ユーザーでは、自社システムからSaaSへシステムの切り出しが始まるだろう。ただし、SaaSを利用できないカスタムアプリケーションのシステムは自社所有のまま残る。だが、ICTコストを削減するには、自社システムを最小限にしなければならない。
自社システムがフローだとすれば、SaaSはストックだ。会社財務では、ストックは資産・負債(貸借対照表にあたる)だが、フローは損益になる(損益計算書にあたる)。システムのあり方にパラダイムシフトが起こると考える。ただし、100パーセントSaaSでまかなうというケースはないだろうから、混在型が続く。
販売パートナーやリセラーもビジネスモデルの大幅な転換が求められる。SaaSは、ISVが直接ユーザーにサービスデリバリを行なう。だが、販売パートナーやリセラーのビジネスがなくなるわけではない。SaaSベンダー1社ですべての顧客ベースをケアすることはできないからだ。SaaS導入コンサルティング、SaaSのカスタマイズなどを提供することになる。また、障害時にSaaSベンダーとユーザーの間に入ってトラブルシューティングすることも重要なサービスになるだろう。そういう意味で、販売パートナーやリセラーが長年顧客に密着して培ったSIサービス力はかたちを変えて必要とされ続ける。
またSaaSは、近年好調なアウトソーシングビジネスとも競合する。アウトソーサーにとっては脅威だ。アウトソーシングからSaaSへ切り替えるユーザーもでてくるとみる。
なお、ASP・SaaS事業者の業界団体であるASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン(ASPIC Japan)によれば、国内のASP・SaaS市場規模は、2007年で8,070億円、2010年には1兆5,000億円以上の規模に拡大すると予測している。
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生活保護がもたらすモラルハザード
日経新聞に、生活保護を受給している高齢者のうち52%が無年金との記事があった。生活保護の制度は否定しない。というか、この制度を国としてもっていなければ恥ずべきことだ。だが、高齢者のうち52%が無年金という事実は、おそろしい可能性を秘めている。
「年金を納めず無年金になっても、生活保護があるから大丈夫」という考えが頭をよぎる人もいるだろう。年金離れが加速している現在の日本において、さらに拍車がかかる可能性がある。
年金をおさめず、そのぶん遊びまくる。老後は生活保護でカバーする。こうなれば確信犯だ。こういうふうに考える人間が増えるとどうなるか?
国家的危機である。あるいは、そういう国民がマジョリティになるような国は存在しなくてもいいというメッセージなのかもしれない。
社会的なセイフィティーネットからモラルハザードを完全に排除することは不可能だ。その比率をいかに低く抑えるかが重要だ。こればかりは国民のモラルに期待するしかない。
国民以上の政治家は生まれないという言葉がある。
そうだとすれば、国民は国民以上の国家を持つことはできないということになる。
「年金を納めず無年金になっても、生活保護があるから大丈夫」という考えが頭をよぎる人もいるだろう。年金離れが加速している現在の日本において、さらに拍車がかかる可能性がある。
年金をおさめず、そのぶん遊びまくる。老後は生活保護でカバーする。こうなれば確信犯だ。こういうふうに考える人間が増えるとどうなるか?
国家的危機である。あるいは、そういう国民がマジョリティになるような国は存在しなくてもいいというメッセージなのかもしれない。
社会的なセイフィティーネットからモラルハザードを完全に排除することは不可能だ。その比率をいかに低く抑えるかが重要だ。こればかりは国民のモラルに期待するしかない。
国民以上の政治家は生まれないという言葉がある。
そうだとすれば、国民は国民以上の国家を持つことはできないということになる。
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テクノロジーは、Web2.0からEnterpriseへ逆流する
ICT市場では、製品・サービスやテクノロジーがEnterprise市場(企業向け市場)で導入されて、それからコンシュマー市場へ広がるというのが従来の大きなトレンドであった。例えばインターネットは、企業ユースでまず普及し、それからコンシュマー市場に波及した。
Enterprise市場では、テクノロジーの進歩は断続的に継続しているものの、以前ほどのイノベーションは起こっていない。一方、隆盛著しいブログ、SNSなどに代表されるWeb2.0は、コンシュマー主導で形成されたテクノロジーであり、サービスである。
膨大な数のユーザーが日々サイトを訪れるので、データの蓄積が進む。こうしたデータは、とてつもないバリューをもつ。また、ユーザーインタフェースはかなり洗練されているし、進化し続けている。企業システムのインタフェースの使いづらさに辟易している人も多いのではないだろうか。
このようなすばらしいものをコンシュマーユースに限定するるのはもったいない。そこで、ブログ、SNSなどを企業で導入しようとする動きがでてきた。だが、企業内のブログやSNSはうまくいっていないのが大半だ。そもそも匿名で自分の意見を自由に発信したいなどWeb2.0で担保されていたモチベーションは、Enterpriseに適用された瞬間しぼむ。
Enterprise情報システムはそもそもトップダウン型である。だが、Web2.0はボトムアップ型なのだ。従来のやり方ではうまくいくはずがない。
また、ブログ、SNSに似て非なるシステムがすでに企業内あるため、ユーザーは、混乱してしまう。システムが乱立する結果、どれも中途半端なる可能性も大きい。既存システムといかにバランスをとっていくかが成功の鍵となる。
ICTベンダーは、Web2.0テクノロジーを自社サービスに取り込んでいかなければ生き残れない。IBMは、すでにWeb2.0のテクノロジーをベースとした開発プラットフォームを作っており、今度はこれをオープン化した。マイクロソフトもGoogleのマネをしようと必死である。Googleのコピーともいえる機能を次期製品で続々と盛り込む。
Enterprise市場では、テクノロジーの進歩は断続的に継続しているものの、以前ほどのイノベーションは起こっていない。一方、隆盛著しいブログ、SNSなどに代表されるWeb2.0は、コンシュマー主導で形成されたテクノロジーであり、サービスである。
膨大な数のユーザーが日々サイトを訪れるので、データの蓄積が進む。こうしたデータは、とてつもないバリューをもつ。また、ユーザーインタフェースはかなり洗練されているし、進化し続けている。企業システムのインタフェースの使いづらさに辟易している人も多いのではないだろうか。
このようなすばらしいものをコンシュマーユースに限定するるのはもったいない。そこで、ブログ、SNSなどを企業で導入しようとする動きがでてきた。だが、企業内のブログやSNSはうまくいっていないのが大半だ。そもそも匿名で自分の意見を自由に発信したいなどWeb2.0で担保されていたモチベーションは、Enterpriseに適用された瞬間しぼむ。
Enterprise情報システムはそもそもトップダウン型である。だが、Web2.0はボトムアップ型なのだ。従来のやり方ではうまくいくはずがない。
また、ブログ、SNSに似て非なるシステムがすでに企業内あるため、ユーザーは、混乱してしまう。システムが乱立する結果、どれも中途半端なる可能性も大きい。既存システムといかにバランスをとっていくかが成功の鍵となる。
ICTベンダーは、Web2.0テクノロジーを自社サービスに取り込んでいかなければ生き残れない。IBMは、すでにWeb2.0のテクノロジーをベースとした開発プラットフォームを作っており、今度はこれをオープン化した。マイクロソフトもGoogleのマネをしようと必死である。Googleのコピーともいえる機能を次期製品で続々と盛り込む。
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外資系企業の凋落
日本コーンフェリー社長の橘氏のインタビューによると、
「アジアでの日本の経済的ポジションが相対的に下がっている。従来は、欧米本社の人間は、日本でキャリアを積むことで箔をつけた。今は中国やインドでの経験がキャリアのバリューになる」という(適せん要約)。
この発言の意味は重い。今後欧米企業は、ハイポ(ハイポテンシャル)な人材を日本に送り込むのをやめる可能性がある。長期的にみると、日本にある外資系企業は国内での採用が苦戦することにだろう。グローバルサイトであまり重きを置かれていない拠点では、モチベーションがあがるとは思えないからだ。待遇もそれなりのものになるだろう。
欧米企業にとって、日本マーケットは、すでにピークアウトしているという認識も一部あるのではないか。そこそこのマーケットサイズでなんとか引きとめているといった感じだ。ただこれも、中国やインドのマーケットサイズが拡大することで、優位性ではなくなる。
国内企業であれば、国内市場が魅力的でないなら、海外へ進出することはひとつの有力な手だ。一方、日本にある外資系企業はオペレーションカンパニーであるため不可能だ。欧米本社は、すでに中国に現地法人をもっているであろうし、ない場合は設立するだろう。
日本にある外資系企業は日本で戦うしかないのだ。
外資系企業はスマートでクレバーなイメージで日本市場に食い込みポジションを築いた。今後はどう維持するかが課題だろう。
ただし、窮鼠猫を噛むという可能性は否定できないのだが。
「アジアでの日本の経済的ポジションが相対的に下がっている。従来は、欧米本社の人間は、日本でキャリアを積むことで箔をつけた。今は中国やインドでの経験がキャリアのバリューになる」という(適せん要約)。
この発言の意味は重い。今後欧米企業は、ハイポ(ハイポテンシャル)な人材を日本に送り込むのをやめる可能性がある。長期的にみると、日本にある外資系企業は国内での採用が苦戦することにだろう。グローバルサイトであまり重きを置かれていない拠点では、モチベーションがあがるとは思えないからだ。待遇もそれなりのものになるだろう。
欧米企業にとって、日本マーケットは、すでにピークアウトしているという認識も一部あるのではないか。そこそこのマーケットサイズでなんとか引きとめているといった感じだ。ただこれも、中国やインドのマーケットサイズが拡大することで、優位性ではなくなる。
国内企業であれば、国内市場が魅力的でないなら、海外へ進出することはひとつの有力な手だ。一方、日本にある外資系企業はオペレーションカンパニーであるため不可能だ。欧米本社は、すでに中国に現地法人をもっているであろうし、ない場合は設立するだろう。
日本にある外資系企業は日本で戦うしかないのだ。
外資系企業はスマートでクレバーなイメージで日本市場に食い込みポジションを築いた。今後はどう維持するかが課題だろう。
ただし、窮鼠猫を噛むという可能性は否定できないのだが。
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省エネソリューション需要急拡大の予兆
日経新聞によると、
● 国土交通省は、建築物の省エネルギー規制を中小規模の建物にまで拡大する方針だ。すでに大規模オフィスは規制対象になっている。
● 経済産業省はソニーや松下など電機関連企業約200社や大学と組んで、ICT機器の省エネルギー化を進める協議会を来年1月に立ち上げる。2025年までにICT機器の消費電力量の半減を目指す予定である。
省エネへの規制、ルール策定が本格化してきた。こうした規制を遵守する上で、ICTを使わなければならないことは確実である。というのも、こまめな消灯や電気のムダづかいをやめるといった原始的なやり方では、まず達成できないからだ。
規制を背景としたICT需要は、かなりの確度で期待できる。
例えば、日本版SOX法により、コンプライアンスソリューション市場が急拡大した。法規制がある以上、ユーザーは動かざるを得ない。先送りも許されない。
また法規制以外にも、ユーザー企業は、省エネを推進することでCSR(企業の社会的責任)を果たしたいというニーズを持っている。
今後、省エネ基準を達成するための省エネソリューション市場が急速に立ち上がるだろう。
ICTベンダーは、今まで過剰な期待に何度も踊らされてきたが、今回はそうではないのは確実だ。
● 国土交通省は、建築物の省エネルギー規制を中小規模の建物にまで拡大する方針だ。すでに大規模オフィスは規制対象になっている。
● 経済産業省はソニーや松下など電機関連企業約200社や大学と組んで、ICT機器の省エネルギー化を進める協議会を来年1月に立ち上げる。2025年までにICT機器の消費電力量の半減を目指す予定である。
省エネへの規制、ルール策定が本格化してきた。こうした規制を遵守する上で、ICTを使わなければならないことは確実である。というのも、こまめな消灯や電気のムダづかいをやめるといった原始的なやり方では、まず達成できないからだ。
規制を背景としたICT需要は、かなりの確度で期待できる。
例えば、日本版SOX法により、コンプライアンスソリューション市場が急拡大した。法規制がある以上、ユーザーは動かざるを得ない。先送りも許されない。
また法規制以外にも、ユーザー企業は、省エネを推進することでCSR(企業の社会的責任)を果たしたいというニーズを持っている。
今後、省エネ基準を達成するための省エネソリューション市場が急速に立ち上がるだろう。
ICTベンダーは、今まで過剰な期待に何度も踊らされてきたが、今回はそうではないのは確実だ。
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ICT書籍出版社の倒産が意味するもの
本屋にいったら、エクスメディア社の本が割引で販売されていた。棚をよくみると、倒産のお知らせの紙がはってあった。エクスメディアは、PCリテラシーの解説書シリーズが主力の出版社だ。
PCの普及初期から拡大期にかけて、こうした書籍のニーズは高かった。人は、わからないことは本で勉強しようと思うものだ。だが今は、サーチエンジンでほとんど一発で知りたいページにたどり着ける。わざわざ本を買う必要がないのだ。ネットは人々の勉強スタイルをも変えたといえる。
1世帯にPC1台がかなりの割合で普及した現在、少なくとも家人のだれか1人以上はそこそこPCを使いこなせるはずだ。ちょっと聞くだけでよい。
また、出版業界そのものが厳しい時代に入ったことも追い討ちをかけた。
PCユーザーのリテラシーそのもののベースがアップしているし、今後もアップしていくことは確実だ。ICTビジネス企業は、こうしたマクロ的な環境を常に把握しておくことが重要だ。チャンスにもなるし、企業倒産の危機にもなる。
PCの普及初期から拡大期にかけて、こうした書籍のニーズは高かった。人は、わからないことは本で勉強しようと思うものだ。だが今は、サーチエンジンでほとんど一発で知りたいページにたどり着ける。わざわざ本を買う必要がないのだ。ネットは人々の勉強スタイルをも変えたといえる。
1世帯にPC1台がかなりの割合で普及した現在、少なくとも家人のだれか1人以上はそこそこPCを使いこなせるはずだ。ちょっと聞くだけでよい。
また、出版業界そのものが厳しい時代に入ったことも追い討ちをかけた。
PCユーザーのリテラシーそのもののベースがアップしているし、今後もアップしていくことは確実だ。ICTビジネス企業は、こうしたマクロ的な環境を常に把握しておくことが重要だ。チャンスにもなるし、企業倒産の危機にもなる。
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ベンダートップ年頭挨拶から2008年ICT市場を予測する
ベンダートップ年頭挨拶から、キーワードを抽出した。ベンダーごとに共通するキーワードは、国内ICT市場でメインテーマとなる確率が高いと考える。
さらにスクリーニングをかけると
● グリーンIT
● 内部統制
● セキュリティ
どのベンダーも考えていることは、そんなに大きくはちがわない。
問題は、それらの大テーマ上で、なにをどのようにやるかだ。
例えば、グリーンITについては、IT機器の省電力設計、データセンターの高効率なクーリングなどがある。また、最近の発表によると、ベンダー各社が物流会社の省エネ輸送支援サービスにITを活用した提案をはじめた。
これまでベンダーは、同じような製品、同じようなマーケットで戦ってきた。これからもそうした競争は続くだろう。だが、グリーンIT、内部統制、セキュリティのカバーする範囲は広い。
2008年以降は、競争の拡散が本格化すると考える。
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変わりゆく市場調査――ネットリサーチの台頭
アンケート調査に協力したことがあるだろうか。一番身近なものが、アンケート用紙に記入していくものだろう。場合によっては、電話や訪問で聞き取りするというのもある。
市場調査会社がこのような個別の回答票(個票)を集計分析し、レポーティングするのが市場調査の一般的な流れだ。長らく専門調査会社が業界を支配してきた。
この業界に異変が起こっている。
紙、電話、訪問面接ではなく、インターネットでやってしまおうというのだ。いわるゆネットリサーチだ。マクロミルやインフォプラントなどネット専門調査会社がある。また、yahooリサーチ、gooリサーチなどポータルサイトが圧倒的なPVを背景に参入している。モニターを獲得できる強いブランドさえあれば、なんでもよいという感じだ。
従来の方法論をネットがリプレイスする。このこと自体はオーケーだ。問題なのは、ネットリサーチの上位グループが新興リサーチ会社だという点だ。古典的なリサーチ手法をメインとするオールドリサーチ会社は、過去の成功経験が足かせとなってネットリサーチ事業への参入が遅れた。
また、当時はインターネットが今日ほど一般的なインフラではなかった。そうすると、回答者にバイアス(偏り)がでるため、リサーチ結果の信憑性に疑問が残る。だから、オールドリサーチ会社は、ネットリサーチに本腰を入れられなかったのだろう。リサーチの専門家であれば、あるほどこうした点にナーバスになる。
ちなみにマクロミル創業者は、リクルート出身である。彼は、リクルートでは市場調査会社を使う側だった。市場調査はなぜこんなに値段が高くて、納期が遅いのかという問題意識が、ネットリサーチ会社設立の動機らしい。
バイアスなんて考えにも浮かばなかったのだろう。知らないということは基本は弱みだが、強みにも転換するいい例だ。
ある意味理不尽な気もするが、ビジネスとはそういうものなのかもしれない。
市場調査会社がこのような個別の回答票(個票)を集計分析し、レポーティングするのが市場調査の一般的な流れだ。長らく専門調査会社が業界を支配してきた。
この業界に異変が起こっている。
紙、電話、訪問面接ではなく、インターネットでやってしまおうというのだ。いわるゆネットリサーチだ。マクロミルやインフォプラントなどネット専門調査会社がある。また、yahooリサーチ、gooリサーチなどポータルサイトが圧倒的なPVを背景に参入している。モニターを獲得できる強いブランドさえあれば、なんでもよいという感じだ。
従来の方法論をネットがリプレイスする。このこと自体はオーケーだ。問題なのは、ネットリサーチの上位グループが新興リサーチ会社だという点だ。古典的なリサーチ手法をメインとするオールドリサーチ会社は、過去の成功経験が足かせとなってネットリサーチ事業への参入が遅れた。
また、当時はインターネットが今日ほど一般的なインフラではなかった。そうすると、回答者にバイアス(偏り)がでるため、リサーチ結果の信憑性に疑問が残る。だから、オールドリサーチ会社は、ネットリサーチに本腰を入れられなかったのだろう。リサーチの専門家であれば、あるほどこうした点にナーバスになる。
ちなみにマクロミル創業者は、リクルート出身である。彼は、リクルートでは市場調査会社を使う側だった。市場調査はなぜこんなに値段が高くて、納期が遅いのかという問題意識が、ネットリサーチ会社設立の動機らしい。
バイアスなんて考えにも浮かばなかったのだろう。知らないということは基本は弱みだが、強みにも転換するいい例だ。
ある意味理不尽な気もするが、ビジネスとはそういうものなのかもしれない。
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