ともすれば、個人の自由と組織とは相反するように感じる人もいるかもしれない。
しかし、国家でも、社会でも、また、いかなる団体でも、その目的を果たしていくためには、組織は不可欠です。
同様に創価学会にあっても、皆が信・行・学を実践し、広宣流布を進めていく手段として、組織はなくてはならないものといえます。
今、皆さんが、こうして信仰することができたのも、組織があっての結果です。
また、多数の人びとが秩序ある前進をしていくためにも組織は必要であり、それがなければ、独善的で自分勝手な信心となり、いわゆる我見に陥りかねない。
そうなれば、正しい信仰、正しい行学から外れ、妙法を基盤にした正しい生き方を確立していくこともできなくなってしまう。
ともかく、一人だけの信仰では、進むべき軌道がわからなくなってしまうものです。
信心を貫くには、大勢の人びととスクラムを組み、勇気ある人生を歩み抜けるよう励まし合い、退転を戒め合い、正道へ向かうよう守り合うことが大切です。
そう考えるならば、組織というものが、いかに重要であるか、よくおわかりいただけると思う。
ただし、組織は手段であり、個々人の信心の向上を促し、幸福になっていくための指導こそが、その出発点であることを忘れてはならない。
あくまでも学会の組織の目的は、一人ひとりのメンバーの絶対的幸福であり、成仏にあります。
組織での役職も上下の関係を意味するものではありません。
幹部は、いわば団結の要となる存在といえます。
ゆえに、メンバーは互いに尊敬し合い、共に社会の一員として理解、信頼し、励まし合いながら、人生を勝ち飾っていただきたい。
:池田大作 「新・人間革命 暁鐘7」より