マネジメント(責任者)の第一の役割は、組織本来の使命を果たすべくマネジメントすることである。
第二の役割は、生産的な仕事を通じて人に成果をあげさせることである。
第三の役割は、社会と個人に生活の質を提供することである。
この第二、第三の役割は、テクノクラシー(技術による支配)をはるかに超える課題である。
だが、ここに大きな問題がある。
哲学者たらんとする誘惑である。
ここで強調すべきは、よいことを行うための基礎は、よく行うことであるということである。
よき意図は無能の言い訳にはならない。
いわゆる社会意識が、自らの企業、病院、大学に本来の成果をあげさせるべくマネジメントすることの代わりになるとする考えは、愚かさか狡さか、あるいはその両方を示すにすぎない。
:「マネジメント 基本と原則」
たとえネクスト・ソサエティになってマネジメントがリベラルアーツになったとしても、実際にマネジメントを機能させるのはそれぞれの組織であり人である。
よって、マネジメントがリベラルアーツになればマネジメントし易くはなるが、単純に容易になるとは言えない。
人は知識よりも感情に影響を受けやすい。
マネジメントがリベラルアーツになることと、マネジメントができるようになることは違う。
どちらも大切ではあるが、実際にマネジメントができる人が多くなる社会の実現を優先したい。