白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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木曜日の中継対局感想

2021年02月14日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
昨夜の福島沖地震で被災された方々にお見舞い申し上げます。
ただ、大地震にもかかわらず、亡くなった方がいらっしゃらないことは幸いでした。
災害に強い地域作りに対し、敬意を表したいと思います。



皆様こんばんは。
ずいぶん間が空いてしまいました。
棋聖戦第3局の封じ手予想は、見事に外れましたね
次こそはなんとか・・・。

さて、本日は木曜日に日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された対局の一部についてコメントしたいと思います。


<名人戦リーグ 許家元八段-一力遼天元>
本局は一力天元の硬軟自在な打ち回しが素晴らしかったと思います。
例によって凄まじい読み比べに発展しましたが、きっちりと制しましたね。

<名人戦リーグ 安斎伸彰七段-河野臨九段>
河野九段が大模様の中で鮮やかな捌きを見せました。
その後は黒の挑戦を返り討ちにして、盤石の態勢を築いたと見えましたが・・・。
それでも勝負が決まらないとは、難しいものですね。

<本因坊戦リーグ 鶴山淳志八段-羽根直樹九段>
好きなだけ広げさせ、好きなだけ攻めさせ、最後は相手の嫌みを衝いて凌ぐ・・・。
これぞ羽根流といった打ち回しでした。
羽根九段は誰もが認める人格者ですが、碁だけは性格が悪いと思います(笑)。
優勢を築いていた鶴山八段としては残念な一局でしたね。

<会津中央病院・女流立葵杯予選 辰巳茜三段-仲邑菫初段>
仲邑初段が自身の指導者であった叔母に挑戦。
序盤から優位に立ち、しっかりと勝ちきりました。
中盤緩んだとの感想がありましたが、快勝と言っても良いのではないかと思います。

これで、初指導から8年越しの恩返しを果たしたことになるそうです。
しかし、8年と言っても3歳から11歳ですからね・・・。
とてつもないスピードであることを再確認しました。
今年は6勝1敗と素晴らしいスタートを切っており、またステージが一段上がりそうな気配です。