I.Takashi @ NED

商業計画プランナー、リサーチャー、ライター。
海外の街や特別なホテルの情報、最新農業事情や食の研究などをお届けします。

【Business Blog-12】一生懸命に働くことだけが美徳ではない

2017-09-22 10:28:08 | 【Business Blog】Business / Projects

日本から上海に出張で来る人からよく聞く質問がある。

・プロジェクト責任者はなぜ皆こんなに若いのか。

・何もせずにほっつき歩いている人がなんでこんなに多いのか?

・仕事をしている人たちはなぜ皆早く帰ることができるのか?

などなど。働き方に関するものが多い。

 

そもそも我々はなんのために仕事をするのか?

個人的な大義や感情を除き、大きくはお金を得るためである。

或いは別の言い方をするなら、生活をするためである。

 

日本では、

「お金を得ること=会社で高い給料をもらうこと」

という感覚が多くある。

これは私が日本で働いていた時に持っていた感情で、

日本でそう感じている人は多いと思う。

 

これは日本以外、上海においても当然同じである。

違う点を挙げるとすれば、

「皆当然のように投資活動をしている」

ということに尽きると思う。

要するに収入源や資産形成方法が多様化している中で、

一つの手段として「会社員」をしている。

 

例えば、上海の不動産はずっと上昇している。

基本的には上昇トレンドで推移している。

それは中国で最も発展している商業都市上海に

投資しようとする全国の中国人が支えている。

株や金、アンティークなどへの投資も積極的だ。

 

当然ながら会社員として働くことは一つの手段。

そこで大きな実績と会社への利益をもたらすことができれば

それに伴い高い給料を得ることができるのは道理だ。

 

ただ、盲目的に一生懸命会社員だけに従事する必要はない。

不動産などで資産を形成し、空いている時間で株などの投資できれば、

日々の給料はそれほど高くなくても例えば自分の本当に興味のある分野で働いて、

心を充実させながら生活していくことは可能だ。

 

そうするためには、自分がどうしたいかを考える自分の時間と、

ネットに頼らない、信頼できる友人達からの有益な情報が必要になる。

 

自分の時間と、大切な友人との時間。

これらをしっかり確保しようとするなら、

長時間会社の時間に拘束される生活は不便でしかない。

そして会社員であったとしても僕ならその中で、

少しでも自分の興味と近い領域の仕事に従事するだろう。

或いはまだその業務やプロジェクトがないなら、積極的に営業するだろう。

 

一生懸命、一所懸命、どちらの言葉も命がけで、という意味。

命がけで会社で仕事を頑張りすぎず、楽しみながら、

日々充実した生活することも可能だと思っている。

 

I.Takashi


【Business Blog-11】マレーシアと中国の関係

2017-08-31 14:14:16 | 【Business Blog】Business / Projects

最近色々な方と話していてマレーシアの話になる。

海外小売に関わる企業ほど、中国から南下傾向にあり、

マレーシア、インドネシア、ベトナム、カンボジア、ミャンマーへと舵をとる。

 

製造業は人件費の関係もあり、

いわゆる発展途上のベトナム、カンボジア、ミャンマーなどを中心としているが、

その売り場となるのはもはや先進国の一歩手前のマレーシア、インドネシア、シンガポール。

 

マレーシアやインドネシア、もちろんシンガポールでは

日本を上回るような熱気とセンスに溢れる場所が多い。

クアラルンプールのおしゃれなカフェ、ジャカルタのルーフトップバーなど、

サービスも味も雰囲気も全く問題なく、そして快適だ。

一度でも足を運んだことがある人は肌で感じることができることだが、

行ったことのない人は、まだまだ田舎臭いイメージを持っている。

 

上海や北京などの中国の一級都市等も同じ状況で、

日本が先進性で中国はまだその属国的なイメージを持つ人は多い。

日本での中国の報道は未だ持ってネガティブなものも多い中、

来て見て触れてみればすぐわかる全く違う世界を、

実体験なしにイメージで片付けるのは危険だ。

 

現実世界は自分で体験する他ない、と常々思っている。

 

I.Takashi


【Business Blog-10】香港で感じる閉塞感とグローバリゼーション

2017-06-29 22:40:01 | 【Business Blog】Business / Projects

このところ月一で香港に出張している。

ファッション関係のアジア本部は

まだまだ香港に拠点を置いている会社が多く、

色々な交渉ごとはまず香港へ出向くことになる。

 

言語はただのツールだ、とは良く言われるもので、

香港での会話は基本は英語となる。

欧米とアジアとの共通言語だし、特別なことはない。

 

いつも思うのはアジア人が話す英語はわかりやすい。

聞きやすい話やすい。

それはもちろん元々ネイティブではないからに過ぎない。

 

私が上海に住むようになって変わったことは、

普通語、いわゆるマンダリンが話せるようになったこと。

このマンダリンは、実は香港ではマイナーな言語だ。

 1広東語

 2英語

 3マンダリン

というような順位になる。

 

ただ、香港が中国に返還されて今年で20年。

中国の国の方針もあり、若い人は小学校からマンダリンを習う。

なのでまあ基本的なことはわかるのだが、

香港人同士の場合は基本の交流が広東語。

そして文字も繁体字となり、中国本土で使用されている簡体字とは異なる。

 

ビジネス的には中国本土のマーケットが大きくなり成熟するにつれ、

中国本土の支社に担当窓口が置かれ、香港との交渉が減る。

よって香港人にとってマンダリンを使う機会はどんどん減っている。

実際私の方がマンダリンを理解し、使うことが可能だと思う。

 

マンダリン、いわゆる簡体字を使用した普通語はまだ歴史が浅い。

中国本土では若い人にはもう基本なのだが、高齢者ほど話せないのが実際。

 

香港が中国に完全に吸収される2047年には

中国人が大挙として香港に押し寄せ(今も押し寄せているが)

香港は完全に中国の単なる一部のエリアになる。

それは少し英国情緒が漂うただの中国になる。

 

その時に元々の香港人はどこへゆくのか?

若い人は成長がまだまだ続くであろう中国本土で働く。

中高年はマンダリンや中国本土での習慣への不慣れさが響き、

中国本土の人ほどは活躍が難しくなるだろう。

 

今香港には5000万人を超える年間観光客が来ているらしいが、

そのうち80%以上が中国本土からの観光客だ。

中国からの観光客によって経済が支えられていると言っても過言ではない。

 

 

言葉はただのツールに過ぎない。

ただその使う言葉が、付き合う相手・習慣・その国の将来性等と強く関係することを考えると、

自分が将来やりたいことをできるようになるために、

どこに住み、何に慣れ、どんな知り合いと輪を広げていくのかは、

熟考が必要なように思う。

 

言葉はただのツールを超え、

文化や歴史的な交流 の糸口になる。

新しい自分への門になるのだ。

 

I.Takashi


【Business Blog-09】アジアンマーケットの変化

2017-06-08 11:06:54 | 【Business Blog】Business / Projects

仕事はマーケットに左右される。

建築や商業施設などの場合は、

発展していて施設が足りない場所には

その状況に応じて数々の開発計画が立ち上がる。

 

例えば中国の田舎町では商業施設がまだまだ足りない。

田舎町といっても中国の場合は100万人の都市になる。

その人口と需要は非常に多い。

当然その発展状況に応じて、

求められるもののレベルは変わる。

ネットショッピングが旺盛な中国でさえ、

地方ほどまだまだ物が必要で、

従来型の商業施設が必要な状況だ。

 

その中国を含めて、

熱帯でリゾート地が多い東南アジアでは

特に観光業界のマーケットは伸びしろが大きい。

中国の富裕層含め、マレーシアやインドネシアなどの

巨大なマーケットが物売りからサービスへとシフトしている。

 

旅行や観光産業は他の地域からの流入人口が多いので

他の地域からのアクセスやその立地自体の魅力が

将来のポテンシャルへと直結する。

 

翻って日本を状況を見ると

・遠い東南アジアからの距離

・日本語対応基本

・現金のみの対応の土地も多い

・宗教や食習慣への対応も未整備

などの状況は日本人から見て魅力的な場所ほどよく見られる。

開かれてきてはいるがまだまだ未開拓だ。

 

逆にそれが観光の魅力になっている部分もある。

 

そういうことから考えても、

逆にお客様が来るために、言葉やカード対応のインフラをしっかり整えれば、

日本の本当に魅力的な文化や景観、文化を持つ街は

本当の隠れ家的魅力を持った街になり得るし、

特別な体験をするために訪れる価値を持つ場所になり得る。

 

東南アジアで爆発する観光マーケット。

その中でもひっそりと魅力を放つ特別な場所。

そこに日本の魅力のポテンシャルが隠されている。

 

I.Takashi


【Business Blog-08】住む場所が変わればチャンスが変わる

2017-05-31 22:47:49 | 【Business Blog】Business / Projects

僕が上海に住んで働くようになって2年目の時、

中国在住の友人からシンガポールの店舗計画の仕事が舞い込んできた。

1:中国国内で電話がつながる

2:デザイン関連の仕事

3:英語で仕事ができる

4:日本語でコミュニケーションが取れる

以上のような条件が揃っていたので僕に話が来た。

 

1〜3の条件は世界を見渡せばゴマンといる。

ただし、4の条件が加わるとその範囲は極端に狭くなる。

海外に出ることで、チャンスの幅は変わってくる。

 

また、このシンガポールの案件をきっかけにして、

別のシンガポールの友人、クアラルンプール、

そしてインドネシアのジャカルタへと知り合いの幅が広がった。

見聞きする場所も増え、マーケット感も養われるようになって来た。

当然、商談や友人との話の中で東南アジアの話がよく出るようになり、

営業の機会をいただいたりして現在に至っている。

 

自分の専門領域に強ければ強いほど、

世界から注目されたり、場所にとらわれないニーズを獲得することができる。

でも同時に、他の専門領域と掛け合わせた時には、

その領域は他の人に真似できないものとなる。

それはどの場所に拠点を構えるかということも影響してくる。

滞在場所、それ自体も個人のポテンシャルを大きく高め得るのだ。

 

I.Takashi