近年、中国で仕事をする中で困難になりつつあること、
その一つが、中国国内外との送金やりとりです。
政府による手続きが厳格になりつつあり、
非常に手間と時間を要するようになった。
それは中国と日本の仕事のやりとりにも大きく影響を与える。
例えば国際契約による委託業務。
中国では少し前から日本式庭園が流行っていて日本庭園の相談が時折ある。
それは集合住宅開発の中庭として計画されることもあるし、
どこかの社長の別荘の庭園として計画されることもある。
そういう日本特有の仕事に関しては特に、
日本の熟練した設計者とともに計画を練り上げて行く必要がある。
本物の熟練工を求める中国として、日本の会社と契約を進める。
そうすると問題になって来るのは国際契約だ。
特に中国企業が日本企業に費用を払う場合、
通常20~25%の所得税が中国で控除されて支払われる。
仮に大枠の計画は国際契約を通してできたとしても、
一番の問題は施工。実行できなければ絵に描いた餅になる。
中国の実施用施工図面作成は、中国政府に登録されている設計院が行う。
日本の計画を、日本主導で行おうとすれば
日本から中国への再委託になってしまい、二重に手間と金がかかる。
そして言葉や慣習、法律の壁があり、業務はうまくいかない。
つまり、一番理想的な形は現地化だ。
現地に精通している人物、中国なら中国人を筆頭にした組織を置き、
日本と協力体制で行う必要が必ずある。
そしてそれは日本からの細かい管理ではなく、協業が理想であり、
ある種、業務上の線引きをして、割り切りが必要だ。
これは僕が感じるに、デザインにおける業界だけでなく、
製造業、輸出入、サービス業や飲食業などにも同様に言える。
現地化ができないと、又は現地企業と今日r業関係ができないと、
日本からの固定観念の押し付けになり、現地との関係は破綻する。
日本の仕事は時に管理が細かすぎてその仕事の魅力を半減させている。
感覚の合うパートナーがいたら、いっそ任せて、自分は別の仕事や余暇に使う。
そんな割り切りが特に海外の仕事には必要と思う。
I.Takashi