ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の話他、幕末〜明治維新の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮などの話も。

歴史を描く時のイメージと史実

2021年10月04日 | サブカル・同人誌関係
今日もスマホからの投稿です。
(ブラウザによってはレイアウトが崩れます。ご了承下さい)

先日、「琉球のユウナ」という、
沖縄が舞台の歴史ファンタジー漫画を読んでましたら、
あの沖縄のお菓子の「ちんすこう」は、
最初はフワフワだったらしいけど
イメージに合わないので、一般的に知らてるハードクッキーの方を描いたと
コミックスの柱部分の解説に書いてありました。
「漫画だからと開き直って」とありました。

例えば…
小説ならイメージは全て文字で伝えるので「手紙を書いた」
という一文だけで可能です。

が、漫画になると具体的にどんな筆記用具を使っていたのか、その時代、場所、リアルにやりたければいちいち調べないといけないのです。

もちろんこれは時代劇だけではありません。私はシナリオライターさんから渡されたシナリオを漫画に起こす作業、いろんな業種さんのを手掛けていますが
クライアントさんはその道何十年のエキスパートでも、私には全く知らない業種ばかりです。

フツウに生きていて、あらゆる業種の使うツールその他を、全部マニアックに詳しくならねばならない、なんて事はあんまり無いと思うんですが
そこをなんとかしないといけないという…。

美容外科の話の連載中、
やっぱり「メス」はイメージとしてあの金属のナイフだろ、と思ってたら
「今はフツウ電気メスで、カルテも電子化してる」なんて事がありました。
同様、今時の警察だとか、今時の大学生の就活だとか、ホント常に勉強が必要です。スーツの襟デザインなんかも変わりますね…。

しかし、広告の場合は、大抵はクライアントさんが資料を提供してくださいます。

同人誌オリジナルはこれが厳しいです。


1人で資料を探し続けなければならない。描きたいと思ったものや時代は、必ずしも自分が詳しいものと違う場合もある。何より、ドラマなんかは昭和の時代劇を参考にしても、それが正しいとは限らない。研究なんか日々進み、変わる。

いちいち調べる努力はしているんですが、作画中は気がつかず(あるいは勝手に思い込んでいて)
描いた後になって「しまった、やってしまった!」はありますw

(其の四で桐野と篠原が飲む場面、
一升瓶みたいなの描いちゃったんだけど
一般的に普及するのは大正あたりからなのよ。
ただ、ワインのボトルはもうだいぶ輸入されていたそうで、空きびんをリサイクルしたりしていた様子。
ワイン、金持ちしか飲めなんだけど、そこは桐野さんで良かった!
フランス香水愛用の桐野さんなら
ワインボトルであっても全然有りだわ…
なんてね!)

すいません。間違えてすいません。
でも、自分も鬱を乗り越えてだいぶ図々しくなりました。

先日Twitterで、江戸時代の着物の着方をレクチャーしたものがバズった後、
本当はもっと自由だったというのもバズってました。
(た、戦わないで…)

レクチャーした側はあくまで「リアルに見せるコツ」の話で
正した方は例外もある、て事なんでしょう。
19世紀末の女性のパフスリーブの歴史もですが、流行に敏感なロンドンやパリの若い女性と、田舎のばあちゃんは違うし
服については、なんとなく流行りや、周りに合わせる、TPOもあり
決まっていたわけではないのも確か。

結局、オリジナルの場合は自分が描く世界では自分は神だと思い、引き受けるしかなさそうです。


描くとなると
資料まみれでも描けず
資料無くても描けず、
欲しい資料は手に入らない!
てあります。

でも、「だったら描くな」
なんてありえないんですよ。
マニアックなツッコミ避けの為にファンタジーにしておかないと、怖くて描けない…なんて表現として不自由すぎると思います。

間違いが良いというのではないですが
間違えたら笑いながら正当化して抜ける!
シュート外したら次のシュートの精神!
です。ドンマイ負けない神でありたい(笑)

ゴメンね!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「青天を衝け」に木戸孝允が... | トップ | 「雲よ、伝へて!其の六」シナリオ出来た »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

サブカル・同人誌関係」カテゴリの最新記事