昨日のブログに書いた藤沢周平著『義民が駆ける』(講談社)を読み出した。ほんの少しである。で、直ぐにこれは日本史のHi-story、心高ぶる物語だな、と思った。これは、江戸も末期、「最後の改革」とも言うべき天保の改革を推し進めた水野忠邦の執政(大御所は元将軍・徳川家斉)の時代の話である。理不尽な「三方国替え」(荘内、川越、長岡)を荘内藩上げて阻止する運動、とりわけ義民たる百姓の活動が根底にある。だから『義民が駆ける』というタイトルになっているのだ。大きな背景として、諸外国が日本に海を通じて近づいていたこと、それを幕府が気にしていたこと、そこで荘内藩の酒田港も北方のロシアに対する護りの港だったが、その護りをおろそかにしたとの幕府の筆頭老中・水野忠邦の「認定」が底にあった。しかし、百姓の「百姓たりといえども二君に仕えず」の武士にもアピール力のある深慮ある旗の下に最後には国替えを阻止した、という「庶民が勝った形の政治劇」であった。藩レベルの小状況だが「下が上の方針を変えさせた」という実例があったことは、今後の庶民の励み、心の支えになるであろう。
知事の談合関与が逮捕も含め事件となっている。「火のない所に煙は立たず」というのだから、全国の知事全体を視野に入れないといけない状況か。そうなると「上」の国土交通省関係はどうなのか。「下」の市町村はどうなのか。民間はどうなのか、と談合一掃の話になってくる。色々と電子入札とか、予定価格の一定幅の変更とか、応札業者の拡大とか色々対策が言われているが、本当の競争が行われると、やはり潰れる業者も多く出るという点が問題となっているようだ。さて、どうしたら良いのだろうか。