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因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

2021年因幡屋演劇賞

2021-12-31 | お知らせ
 さきほどほんのいっとき、粉雪らしきものが舞いました。こんな寒い日、井戸端で働きながら金の工面に思い悩む『大つごもり』の「おみね」のこと、ある決意をしながら伯父の褞袍を縫う『ふりだした雪』の「おすみ」のことを考えました。
 黒豆を煮つつ、感謝と喜びを以て2021年の因幡屋演劇賞を発表いたします。観劇後のblog記事をリンクいたしました。ご参考までに。

*劇団唐組 第66回公演 唐十郎作 久保井研+唐十郎演出
『少女都市からの呼び声』+因幡屋通信68号
*劇団民藝公演 三好十郎作 田中麻衣子演出『地熱』
*鵺的 第14回公演 高木登作・演出『夜会行』+因幡屋69号
*劇団文化座公演159 リリアン・ヘルマン作 常田景子翻訳 西川信廣演『子供の時間』
*文学座12月アトリエの会 ハロルド・ピンター作 喜志哲雄翻訳 的早孝起演出『Hello ~ハロルド・ピンター作品6選~』

 このほかにも心に響く舞台に、オフィスコットーネ『墓場なき死者』、朱の会公演(1,2)、名取事務所『灯に佇む』、ぱぷりか『柔らかく揺れる』、円こどもステージ『河童の三平』・・・たくさんたくさん出会うことができました。ありがとうございます。

 いったん収まりかけたかに見えましたが、オミクロン株の感染がじわじわと拡大しつつあり、不安定な状況はしばらく続くと思われます。中止、延期を余儀なくされた舞台がいくつもありました。関わる方々のご苦労は察するに余りあります。ひとつ置きの座席、大向うのない歌舞伎公演、観劇仲間と終演後の語らいもそこそこに帰路に着くことが普通になり、全席開放の劇場には恐怖を、賑やかに歓談される方々には苛立ちを感じてしまいます。良くも悪くも、演劇に対する自分の感覚が変わってしまったと実感せざるを得ません。

 しばらくblog公開していた因幡屋通信の発行を再開した年でもありました。劇場やフリースペースなど、また一から問い合わせ、ご相談しながらの歩みです。公演折込へのご協力をいただけたのもありがたい出来事でした。「紙もの」の味わいは捨てがたく、ほそぼそではありますが継続していくつもりです。観劇仲間で営んでいる「えびす組劇場見聞録」もblog公開を始めました。こちらにもぜひお立ち寄りください。

 その一方、blogを書けないままスルーしてしまった公演については、「怠けてやらなかった宿題」のごとく、結構な重さで心を圧迫しており、好き嫌いや得手不得手ではなく、けれど自分の心に正直に、ことばはぎりぎりまで吟味して伝えること。これが来年の課題です。

 いたずらに心を騒がせず、自分の立ち位置の見極め、自分の進みたい方向にどうすれば到達できるかを考え、倦まずたゆまず続けること。人生に与えられた演劇という宝に感謝して、これからも励みます。今年一年ほんとうにありがとうございました。皆さまの健康と幸せが守られますよう。来年も因幡屋通信/因幡屋ぶろぐをどうかよろしくお願いいたします。
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