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因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

2018年因幡屋演劇賞

2018-12-25 | お知らせ

 年末恒例の因幡屋演劇賞、出会えたことの喜びと感謝を込めて、以下の皆さまへ。観劇後のブログ記事をリンクいたしました。ご参考までに。

*文学座有志による自主企画公演 シアターχ提携公演 別役実作 藤原新平演出
 『この道はいつか来た道』
 金内喜久夫、本山可久子の台詞の瑞々しく、官能的なことに酔う。何とかもう一度見ることはできないでしょうか。

*パラドックス定数第39項 野木萌葱作・演出『731』
 シアター風姿花伝のプロミシングカンパニーとして、1年に渡り、7作を連続上演するプロジェクトの第1弾。戦争がいかにして人の精神を蝕み、消えない傷を残すか。あの戦争はまだ終わっていない。

*劇団文化座公演151 シアターX提携公演 三好十郎作 松本祐子演出『夢たち』
 すでに新宿の大書店さんの賞を受賞されておりますが、因幡屋からもささやかに。題名の「夢たち」は、物語に登場する人々そのものだ。これから敗戦に向かう日々にあって、なお夢を見、それを託そうとする人々の心に打たれる。

*劇えうれか第四回公演 松田正隆作 南慎介演出『海と日傘』
 galleryしあんという場所を得て、戯曲の変わらない魅力と共に、人物の捉え方、造形に新しい一面を見ることができた。大切に作られた舞台、こちらも大切に受け取りたい。

*東京夜光 川名幸宏作・演出『世界の終りで目をつむる』
 2001年大相撲夏場所において、負傷に苦しんだ貴乃花が気迫の相撲で武蔵丸を下し、優勝を飾ったときのこと。当時の小泉首相が、「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した」と讃えたことは今でも記憶に残る。「頑張る」も「感動」も自分は極力使わないようにしているが、本作を観劇した初日の気持ちは「よく頑張った。感動した」と思わず言いたくなるものであった。劇作家の紆余曲折、試行錯誤が、よき仲間を得て結実した瞬間に立ち会えた嬉しさは、何ものにも代えがたい。

 今年も多くの舞台に出会えました。舞台作りに携わる方々への敬意を忘れず、自分の立ち位置を確かめながら、これからもからだを動かし、頭を働かせ、心を尽くして「見て、考えて、書く」ことを続けて参ります。因幡屋通信を手に取ってくださった方、因幡屋ぶろぐを訪れてくださった方すべてに感謝いたします。ありがとうございました。
 来年もどうかよろしくお願いいたします。

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