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勝麟太郎(武田鉄矢)の弟子になった龍馬と近藤長次郎(大泉洋)は船で大坂に向かう。神戸で海軍操練所ができるまで、大坂の「勝塾」で学ぶためである。塾につくとそこには全国からやってきた大勢の藩士たちがさまざまな勉学、訓練に励んでいた。龍馬たちは鬼教官の佐藤与之介(有薗芳記)から、「さっさと町へ出て人集めをして来い」と言われる。
空腹で町をさまよう沢村惣之丞(要潤)に出くわした龍馬は、彼を勝塾に誘う。一心不乱に学ぶ惣之丞に一瞬安堵する龍馬だが、彼だけではなく多くの藩士たちが、いくさをするための海軍であると思っていることに仰天し、京にいる勝のもとへすっとんでいく。何のための海軍か、なぜ自分たちは異国の技術を学んでいるのかをわからせないと大変なことになる・・・。
尊王攘夷とは何か。自分もまだよくわかっていないが、藩士たちもちゃんと理解して行動している人は少ないように思う。とにかく勇ましく武士らしいことをしたい、自分の存在を認めてほしい、出世がしたいなど動機はさまざまだが、勝や龍馬たちが目指している「喧嘩をしないための海軍」というのは、そうとうに高度な思想であり、理解納得させるのは難しいのではないか。
土佐勤王党からも3名の藩士が塾に派遣されてきた。いずれも武市半平太(大森南朋)の熱烈な信奉者である。最初は仏頂面だった3人が、皆に仲間として受け入れられ、次第に生き生きと一生懸命になっていく様子は、単純といえばそうだけれども、こちらまで嬉しくなるものだった。塾生(という呼び方にしてみます)たちの認識のずれに危機感を訴える龍馬に、勝は「今にきっと肌で感じ取るようになる」と確信を持って諭し、勝塾のいいところをひとつひとつ説いていく。そこに前述の勤王党の3人が変化していく場面が順に挿入され、勝の言葉が説得力をもって伝わってくる。
勝の言葉に安心した龍馬はさっそく大坂に戻り、武市から勝を斬るように言われた岡田以蔵(佐藤健)は、なし崩し的に勝の用心棒をすることになった。勝は以蔵に「どうして坂本みたいなやつと付き合わないのか」と問いかける。このままでは以蔵は武市の出世の道具である。彼にも生き生きと朗らかに生きてほしいと自分は願っているのだが。
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