因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

みつわ会第20回記念公演 久保田万太郎作『あきくさばなし』『釣堀にて』

2018-03-17 | 舞台
*久保田万太郎作 大場正昭演出 公式サイトはこちら 六行会ホール 20日で終了。(1,2,3,4,5,6)  『あきくさばなし』昭和20年7月中旬、東京神田区内の「魚庄」は主人が病弱、戦時中のことでもあり商売を休んでいる。昭和21年「人間」に連載された作品で、上演時間は1時間50分弱と、久保田万太郎作品にしてはやや長い。登場人物の人数は少ないが、浄瑠璃の師匠とその別れた妻おしま、妻の妹おせきにも . . . 本文を読む
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青年劇場『きみはいくさに征ったけれど』

2018-03-13 | 舞台
*大西弘記(TOKYOハンバーグ)作 関根信一(劇団フライングステージ)演出 公式サイトはこちら 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA 18日まで 三重県伊勢市出身の詩人・竹内浩三の詩「ぼくもいくさに征くのだけれど」は、時代に翻弄され、否応なく戦場に駆り立てられる青年の悲痛を詠みながら、どこかとぼけたユーモアもにじむ。青年劇場が同じ伊勢市出身の劇作家・大西弘記に書き下ろしを依頼し、丁寧で温 . . . 本文を読む
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シアタートラム『岸 リトラル』

2018-03-09 | 舞台
*ワジディ・ムワワド作 藤井慎太郎翻訳 上村聡史演出 公式サイトはこちら シアタートラム 11日終了  2014年、2017年に上演された『炎 アンサンディ』のルーツともいえる「約束の血四部作」の第1作が、今回の『岸 リトラル』である。紛争の絶えない国に生を受けた人々が血縁という人間の力ではどうしようもない宿命と、殺し殺し合う悲惨な状況に打ちひしがれながら、それでも生きてゆく物語である。『炎~』 . . . 本文を読む
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加藤健一事務所『ドレッサー』

2018-03-07 | 舞台
*ロナルド・ハーウッド作 松岡和子翻訳 鵜山仁演出 公式サイトはこちら 下北沢・本多劇場 11日で終了 1942年1月、第二次世界大戦下のイギリス。シェイクスピア劇の上演で旅公演をしている劇団では、年老いて精神的に不安定な座長が主役を務める『リア王』の開幕が迫っている。ドレッサー(衣裳係兼付き人)のノーマンの孤軍奮闘の末、ようやく開幕にこぎつけるも、空襲の爆音が響く。果たして今夜の舞台はどうなるの . . . 本文を読む
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2018年3月観劇と俳句の予定

2018-03-01 | お知らせ
 2月はいつもと違う仕事もあって、ぶっ飛ばすように過ぎてゆきました。もう3月です。まずは観劇予定から。*加藤健一事務所『ドレッサー』 1988年の日本初演は三國連太郎の座長に、加藤健一の付き人(ドレッサー)。とてもおもしろく見たが、加藤氏は不完全燃焼だったらしい。30年の時を経て(す、すごいな)満を持して座長役に挑む。付き人に加納幸和の配役が新鮮…実はチケットの予約に出遅れまして、明 . . . 本文を読む
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