ホストファミリーを始めて十数年になる。その間、およそ50人の留学生を受け入れてきた。
ホストファミリーにとって大きな不安・悩みごと一つが英語。英語ができないためホストファミリーになることを躊躇している方は大勢いらっしゃると思う。そこで、英語は話せないが、
- ホストファミリーはできるの?
- 留学生との会話はどうすればいいの?
についてこれまでの体験を基に私の見解をシェアしたい。
私の結論は「ホストファミリーに英語は必要条件でない」(もちろん、仲介業者も同じ考えである)。
「英語が話せるからそんなことが言える」と思われても仕方ないが、お読みいただいてからご判断をいただければ幸いです。
なお、留学生受け入れを希望する方向けに
- ホストファミリー:応募から認定までのプロセス
- 留学生受け入れ後の対応(食事・トラブル・心配事・心得と接し方・留学生の特徴)
なども紹介していますので、こちらをご覧いただければ幸いです。
日本語も英語も話せない留学生の受け入れ
日本語も英語も話せない留学生を受け入れることは、ホストファミリーが英語を話せないのと全く同じ状況ですね。
この体験を基にどうして日本語でコミュニケーションが取れるようになった方法を紹介。
受け入れた留学生の中で英語のできない留学生が数人いた。割合にすると15人に1人くらい。
3年前の夏、香港からの16歳の留学生は日本語も英語をほとんど話せなかった。香港の学生で英語が話せないのは極めて珍しい。私にとっては非常な驚きであった。
その留学生とどのようにコミュニケーションを取ったか?
Google翻訳機能を使えばほぼコミュニケーションが成り立つ。
彼の場合、Google翻訳機能を使って自分の意思を伝えようとした。翻訳された日本語は滅茶苦茶である。精度的には50%以下。それでも70~80%は理解できる。70~80%なら、なんとか会話が成り立つレベル!
Googleの翻訳精度が50%以下なのにどうしても70~80%も理解できるの?
その理由は、
- 話題は何か、
- 直前にどんなことを話したか
- これまでに留学生に関して知ったこと
そういう情報を基に総合的に解釈すれば、話している内容をかなりの確率で理解できるようになる。もちろん、100%理解したとは思えない時も度々。
100%理解するにはどうすればいいの?
100%と言われるとちょっと困るが、それに近づく方法はある。
彼の場合は漢字が分かるので漢字でキーワードを書き並べれば、こちらが理解したことが伝わる。
漢字を知らないヨーロッパ人はほとんど英語を理解するが、香港人と同様、Google翻訳を使って話している内容を日本語で伝えてもらう。それでも理解できない場合は別の言い方をしてもらい、再度Google翻訳してもらう。
そうするうちに、何を話したいのか、その輪郭が掴めてくる。そこで和英辞典など使い自分の理解を留学生に伝えればよい。こうしたことプロセスを繰り返せば、ほぼ、100%理解できるようになる。
英語を話せない留学生を例にコミュニケーションを取る方法を紹介しましたが、この時点でもホストファミリーに英語は必要と思いますか?
少なくても「英語ができなくても何とかなる」と理解していただけたなら幸いです。しかし、極めて面倒なプロセスだ。そんな方法は長くは続けられないと思うは当然のこと。
ウソのようで本当のことだが、このプロセスは3日坊主で良い。何故なら、3日掛ければ家庭内で最低限必要な日本語会話はできるようになるから!
しかし、そのためにはホストファミリーにもう少し頑張って欲しいことがある。それは次!
日本語で会話できるようになってもらえる方法とは?
ボディ・ランゲージを併用する
家庭内での日常生活で必要な会話の例として、
- 8時から夕食にしますが、大丈夫ですか?
- これはxxです。xxは嫌いですか(好き)ですか?
- 何時にお風呂に入りますか?
- テレビを一緒に見ませんか?
他にもたくさんあるが、こうした会話をジェスチャーやアクションをまじえて表情豊かに伝える。留学生はそれによって日本語の意味が理解できるようになる。つまり、「ボディ・ランゲージ」と日本語を併用することがコツ。
ただ、一回だけでは留学生は覚えられないので、数回は繰り返す根気が必要。
オウム返しを活用する
留学生には「オウム返し」であなたのしゃべった日本語を言ってもらう。
こんなやりとりを3日ほど続ければ、日常生活に必要な最低限の日本語はほとんど理解できるようになる。オウム返しの効果は抜群!
なかには「日本語を勉強しに来た」のに日本語習得にそれほど熱心でない学生もいる。話せるようになる期間は留学生次第である。
しかし、努力を続ければ、その気持ちが留学生に伝わり、どんな学生でも数週間すれば家庭内で必要な最低限の会話は習得できるようになる。
極めて重要なことは別の手段を使って確認する
会話ができるようになったからといって安心はできない。念のため別の手段で確認が必要なケースもある。例えば、時間や場所など、間違って理解されたら困るようなこと。言葉だけでなく、
- 手書きする(時刻など)
- 地図で具体的に示す
などの方法で留学生が正しく理解したかチェックして下さいね!
まとめ
Lesson 4: ホストファミリーに英語は必要条件でない!
ホストファミリーにとって大きな不安・悩みごとの1つが英語。その英語ができないためホストファミリーになることを躊躇している方は大勢いらっしゃると思います。
結論としては、「それは不要な悩み、英語なんて必要ない」。
ただ、2つほど頑張って頂く必要があります。
- 留学生とのコミュニケーションの取り方の工夫
- 家庭内で使う最低限の日本語会話を留学生に教える
これらを実行すれば3週間以内には家庭内で必要な最低限の日本語会話が可能になります。苦労するのは長くて3週間ですね!
以上ですが、少しでもお役に立てたなら幸いです。次のLessonもよろしくね!
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