ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

野遊び ~宝探し

2020-06-24 17:54:25 | ジョーク

   野遊び
      ~宝探し

透明な板を用意する。広口瓶などでも可。
二人以上で野原に出る。
宝にする物を探す。花、木の実、小石など。他人には見せない。
散り散りになり、銘々、地面に穴を掘る。
穴は透明版より小さい。または広口瓶が入る程度。
穴に宝を置く。あるいは、広口瓶に宝を入れ、寝せて置く。
板や瓶の輪郭が見えないように、周囲を土や草、砂などで覆う。
宝を隠し終えたら元いた場所に集合し、自分が埋めた場所を指す。
再び散り散りになり、他人の宝を探す。
最初に宝を見つけた人が優勝。
宝は、探し当てた人の物になる。だから、自分の好きな人の宝を探す。
宝は持参しても可。写真、指輪、ペンダント、ピン、写真なども可。「さようなら」と書いた手紙も可。
(終)


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腐った林檎の匂いのする異星人と一緒   2 二番目の私

2020-06-21 14:46:58 | 小説

   腐った林檎の匂いのする異星人と一緒
                2 二番目の私

君は世界で二番目にきれいだよ。
父は何度か私にそう言った。何度もじゃなくて、そう、二、三度。二度。
写真の中でママが笑っている。
君はママに似てくるね。
彼はときどきそう言う、ピアノの上に置いてある写真を見ながら。誰にも弾いてもらえないピアノ。
それはね、二度目にママと海に行ったときのものだよ。
知ってる。
彼は自分のお皿を洗って胸の前に盾のように支え持ち、下半分を布巾で覆って立っている。肩を柱に預けた。片脚を曲げて足首をもう一方の脚の後ろへやり、つんと爪先を床に当て、白い歯を見せる。
自分のお皿は自分で洗うこと。私と彼とのルールだ。話し合って決めたわけではない。いつからか、そう決まっていた。いつから? 思い出せない。思い出すのって、何だか苦手。
君は世界で二番目に分からず屋だな。
私は二杯目のジュースを長すぎるストローでずずっと音を立てて底まで啜ってから、自分のお皿に目をやる。
一番目でもいいよ。
彼は、驚いていることを示すためか、切れのいい息を吐く。
私は、くすくす、笑う。まだ顔は上げない。もうちょっと上げない。
ママの写真は二枚ある。アルバムに貼られていないのは二枚。一枚はピアノの上で、もう一枚は箪笥の中だ。抽斗の二段目。薄いモザイク模様のスカーフに包まれている。その写真の中のママは、私に似ているのだろうか。尋ねてみたい気はするけど、答えは聞きたくない。
彼は窓辺で室内に背を向けて立っている。両手を半ズボンのポケットに突っ込み、少し腰を折る。マネキン人形みたいだ。外を見ているらしい。人形に何も見えるわけがない。何かが見えると思わせたいのだろう。でも、何が見えると思ってやればいいのか。誰かが帰ってくるのを待っているように見えなくもない。でも、そんなはずはない。帰ってくる人など、いない。
異星人ってさ、キスするのかな? 
あっ。聞いてしまった。
うん? 
何でもない。
うん。
あの抽斗には鍵がかかる。だのに、ある日、それが少しだけ出ていた。指の幅一本分ぐらい。中を見てと、抽斗が誘っている。だから、見た。
結ばれていないスカーフを開くと、何通もの手紙が束になっていて、その下に写真が隠れていた。かくれんぼう。見つけられるために隠れる遊び。私は鬼にされた。
異星人とママがキスをしている。どこかの公園らしい。キスじゃなくて、異星人に食べられるところかもしれない。ちらりと見ただけで、すぐに抽斗を閉めた。見てはいけないものを見てしまった。違う。見てはいけないものを見てしまったと私に思わせるために、私を鬼にするために、ママが仕組んだのだ。
君は、まだ海を覚えているかい? 
覚えている。それは砂浜の水溜りだ。海には、二度、行った。でも、一度目の海は覚えていない。二度目の海は、砂に囲まれていた。ただの水溜りとは違う。雨は降っていない。水を汲み出すと、汲み出した分だけ、水が増える。その水がどこからやって来るのか、わからない。海のことで覚えているのは、あと、塩辛いということ。でも、本当は塩辛いという言葉を覚えているだけで、その味を思い出すことはできない。ある雨の日に水溜りを見て、それが海とは違うということを確かめたくて、指を入れ、ちょっと舐めてみた。変な味がした。その瞬間、海の味を忘れた。そのときまで、海と言えば、あの口の中に広がる味、あの味だというふうに思い込んでいたのだけれど、その思いが完全に消えてしまった。人は、こうして体験と言葉を取り換えながら年を取ってゆくのだろう。そして、死ぬ。
ねえ。
うん? 
いつか海に行く? 
君を海辺で見ている人ができればね。私は泳ぐ。その間、誰かが君を見ていなくてはならない。
大丈夫よ。私が見ているもの。私が私を見ている、私が私のお皿を洗うようにね。
彼は声を出して笑った。
そんなことを言っているようじゃ、まだ無理だな。
そうやって何でも話を難しくするんだ。
「あなたもね」と、ママが言った。
(終)


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三密

2020-06-18 15:58:22 | ジョーク

   三密
           

      密教において、衆生(しゅじょう)の行いが

     本質的には仏のはたらきと同一であるとの理念基づき、

     身(しん)口(く)意(い)の三業(さんごう)を

     〈身密〉(口(語)密)〈意(心)密〉の三密とする。
                         (『岩波 仏教辞典』「三密」)

 

人生には三つのサカがあります。
上り坂。
下り坂。
まさか。
まっさかさまに落ちて、ゲラゲラゲラ。

社会は三つのミツによって動いています。
密会。
密約。
密偵。
秘密、秘密、秘密、秘密、おんぶに抱っこちゃん。

青年には三つのカンが不可避になります。
痴漢。
楽観。
酒の燗。
嫁御持たせにゃ、働かん。

貧富の差から三つのビキが始まります。
万引き。
天引き。
首切り。
ぶう、ふう、うう。三ビキの悲鳴。

新しい生活には三つのポンが必要になります。
クーポン。
にこぽん。
がらがらぽん。
今夜も泊まるよ、あの橋の下。
ポンポンポン、ポンポンポン。
(終)


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備忘録 ~テクノロジー

2020-06-16 10:35:26 | ジョーク

   備忘録
     ~テクノロジー

てくてくのろのろ爺
生ゴム 生ごみ なめた孫
ビシバシと叩いて笑う
大便器は小便器を兼ねる
惨事の御通夜
(終)


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笑うしかない友 ~アヒルとクジラと日本人~

2020-06-13 09:54:40 | ジョーク

   笑うしかない友
        ~アヒルとクジラと日本人~

むかし、アヒルは体が大きくて、クジラを食べたよ。
いいえ。むかし、クジラは体が小さくて、アヒルに食べられたのです。
クジラを食べたのは日本人だよ。
日本人とは何ですか。
何だよ。
日本人とは、日本語を話したり聞いたりできるヒトのことです。
じゃあ、パックンも? 
そうです。
じゃあ、イーデス・ハンソンも? 
彼女は、日本人というより、大阪人でしょうね。
大阪人は日本人じゃないの? 
大阪人にお聞きなさい。
募ったが募集してないって人は? 
ヒー・イズ・ア・ベビー・バラバラ。
トゥ・ビー・トゥ・ビー・テン・メイド・トゥ・ビー。
ユー・マイト・シンク・バット・トゥデイズ・ホット・フィッシュ。
オー・ショー・ガッツ。
坊さんが留守。
苦しみます釣り。
掘った芋弄るな。
どう湯呑み? 
具もニンニク。
具、倍。
具、無い。
産休。
選球。
ずうっといたいな、動物園。
日本語を取り戻します。
僕は日本人だよ。
あなたはヒトではありません。
ヒトデじゃないよ。
ヒトなら、クジラに食べられてみなさい。
どうして。
ヒトはクジラに食べられるものなのです。
嘘だい。
そう書いてあります。
どこに? 
四行前を読みなさい。
子どもだから読めません。
読めてもわからないのでしょう。
人間じゃなくても、クジラに食べられるよね。
あなたのような人形のことですね。
人形じゃない。
嘘をつくと、鼻が伸びますよ。
だって、しゃべれるもん。
ほら、鼻が伸びました。
伸びてない。
あなたは自分が何を言っているのか、わからないのです。あなたは腹話術の人形のような存在です。あなたが言っていることは、全部、私が考えていることなのです。
別の人とも話せる。
そのときも、やはり、あなたが言っていることは、相手の考えていることなのです。
だったら、お茶飲めず博士のボーッとピーブルの脳味噌、だらだら、おつむにおむつの病院、紹介しようか、ははあ、あんたがこの間まで入院してたとこね、当意即妙病、わかるかなあ、わかんねえだろうなと、にやける夕焼け小焼けのバカトンマがおっとっとっと、豚コレラと我々は豚飼うぞ、とんとん頓馬天狗の頓馬なマント、天狗の軍手、言葉をおもちゃのチャチャチャ、日本ポーンポ懲りん星のこぶたぬきつねこぶたれる太鼓持ちの気持ちって、わかるかな、わかってたまるかって思ってんの? 
思わずに考えています。
じゃあ、今、僕が言ったの、どういう意味。
意味とは何でしょう。
と、僕が思ってるんだよおだ。
私が考えているのです。
と、僕が思ってるんだよおだ。
本当のことを言いましょうか。
と、僕が思っているんだな。
私は人形です。
と、僕が思っているのか。
私の鼻は伸びていますか。
伸びてない。
私は嘘を申しません。
見え透いてる。
私が嘘をつくような人間に見えますか。
何も見えてないんだよ。
イマジン。
閑人。
肥満児。
見えないくせに。
イマジン。
僕は、本当のこと、言う。
およしなさい。
何でだよ。
日本人になれませんよ。
(終)


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