漫画の思い出
花輪和一(30)
『赤ヒ夜』(青林堂)
『猫になりたくないから』
〈猫になる〉というのは、〈娘が悪い父親に凌辱される〉ということらしい。
娘は死んだ母親を慕っていて、菩薩みたいなのが現れて助かりそうになる。でも、助からない。
〈生きている悪い父親〉と〈死んでいる良い母親〉の関係が怪しい。作者は、〈生きている悪い母親が息子を虐待する〉という物語を隠蔽したいらしい。父親は替え玉だろう。
「静かな所が良いのですよ」と娘は呟く。「所」は唐突。
(30終)
漫画の思い出
花輪和一(30)
『赤ヒ夜』(青林堂)
『猫になりたくないから』
〈猫になる〉というのは、〈娘が悪い父親に凌辱される〉ということらしい。
娘は死んだ母親を慕っていて、菩薩みたいなのが現れて助かりそうになる。でも、助からない。
〈生きている悪い父親〉と〈死んでいる良い母親〉の関係が怪しい。作者は、〈生きている悪い母親が息子を虐待する〉という物語を隠蔽したいらしい。父親は替え玉だろう。
「静かな所が良いのですよ」と娘は呟く。「所」は唐突。
(30終)
回文
~日月火水木金土
日月火 担げ地に
(にちげつか かつげちに)
月火水 椅子担げ
(げつかすい いすかつげ)
火水木 蜘蛛鶍
(かすいもく くもいすか)
木金土 ドン聞くも
(もくきんど どんきくも)
金土日 地に鈍器
(きんどにち ちにどんき)
土日月 柘植地二度
(どにちげつ つげちにど)
(終)
聞き違い
~焼き蕎麦
同一犯 ドイツパン
行きましょう いい気マンション
焼き蕎麦 ヤンキー襲う晩
皆勤賞 怪奇ショー
(終)
漫画の思い出
花輪和一(29)
『赤ヒ夜』(青林堂)
目次 「赤ヒ夜」「かんの虫」「繭」「猟人」「醜悪ゴキブリ男」「かいだん猫」「帰還」「猫になりたくないから」「因業地獄女「倉」」「つぼあかご…かかと」「牛耳る女」「玉の価はかりなき事」「心の影」
半分ほどが再録。
見返しの絵が、面白い。
『猟人』
自称「山男」の独白と絵が合わない。
*
骨も折れるほど 踊ろう!!
*
「折れる」は、比喩ではない。
(29終)
萌芽落花ノート
28 回帰幻想曲
僕が踊るのは いつも
怪奇日食の夕べ そうさ
べちゃべちゃ くちゃくちゃ
ティー・パーティーが終われば
さっさと帰ることができるよ
あの孤独へ
なるべくこじんまりした部屋で
羽根の千切れた蝶を待つ君は優しい蜘蛛だ
怪奇な夜の
母胎回帰の幻想は
僕を二度と
美しい糸から離さないよ
(終)