答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

継続的改善の・・・

2017年09月04日 | オヤジのCCPM修業

「技術者室の模様替えで発掘されたもの」シリーズその3は「継続的改善の5ステップ」。これもまた、かつてわたしのデスクの背後にある壁に貼られていたものだ。

 

 

A3一枚大のその紙には、

 

継続的改善の5ステップ

 1.制約条件をみつける

 2.制約条件を徹底活用する

 3.制約条件以外を制約条件に従わせる

 4.制約条件を強化する

 5.惰性に注意して”1”から繰り返す

制約条件に焦点を合わせ、集中して改善する

制約条件は制約条件を生かすために活用する

 

と書かれている。

今さらながらにながめてみると、これぞまさに「翻訳することなしに土着化なし」の典型のようなもので、原語のまんまでリリースしてしまっているため、何のことだかわからない。

とはいえ、当時これを提唱した当の本人たるわたし自身がほとんど理解できていなかったのだ。翻訳することはおろか、原語を直訳したもので説明することすらでき得なかったのは当然至極のこと。今となっては恥ずかしいかぎりだが、こうやって再び陽の目を見せることに自虐以外の価値がないわけではない。ただ今現在は、もいちど勉強し直してみるのもいいじゃないか、という程度の心持ちではあるが、それもまた「ぐるぐる循環する」試みの一環としては価値があることだと思う。

そういえば・・・

と、バックアップデータを格納しているHDDのなかにある「TOC-CCPM」というフォルダを覗いてみる。「Uさん宮内往復書簡」と名前をつけたフォルダがあった。このブログにも再々登場してきたUさんとのメールのやり取りを保存しているものだ。そのフォルダのなかを「探す」、というほどの手間もかからず、お目当てのファイルは見つかった。「制約条件」についてメールを交わしたのは、”2008.12.06”という名のWordファイルだった。

いかな晒しの世界に身を置くわたしとて、さすがに他人さまのメールをWebで晒すわけにはいかないので、わたしが書いた部分だけを抜粋のうえ記してみる。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

2008.12.06 Uさんとの往復書簡より

 

「制約条件」

U様 

 宮内です。ご教授ください。

 夕張のセミナーの前に砂子組さんの現場事務所で、ゴールドラットの話を聞いたのですが、その中で彼が言った、


ボトルネックとコンストレイントを同じものとして捉えてはいけない。

ボトルネックはコンストレイントの一部である。

コンストレイントこそがクリティカルチェーンである。

ここで行われているのは、ただのガントチャートの管理であってCCPMではないのではないか。

コンストレイントの5ステップを活用しなければいけない。


 という言葉を私なりに読み解こうとしていく中で、今後の弊社でのCCPMのやり方に対して色々な考えが出てきつつあります。

そこで、そのコンストレイントに関してです。物理的制約・方針制約・市場制約のうち、市場制約を我々の公共建設工事という仕事に置き換えることがどうしてもできません。我々の業界(あるいはもっと小さく、一つ一つの工事の方が良いかも)では、何がこれに当てはまるのでしょうか?

今更ながらの質問かもしれませんが。

 

(中略)

 

「Re.制約条件」

U様

言葉足らずでした。

大きな意味での市場制約は理解できます。Uさんの仰るとおりだと思います。

実は、私は今後弊社でCCPMを更に深めていくために、CCPMの運用の中でいわゆる「継続的改善の5ステップ」

 1.制約条件をみつける

 2.制約条件を徹底活用する

 3.制約条件以外を制約条件に従わせる

 4.制約条件を強化する

 5.惰性に注意して1から繰り返す

 を皆に身につけていかせたいと思っているのです。(私自身も)

 そうしようとする時に、皆にそれを伝える為には、もっと平易な言葉で、身の回りで実感できるように話さなければなりません。個々の工事現場の実例として教えていかなければ、多分私以外の人に納得はしてもらえません。

 そこで物理的制約と方針制約は、簡単に実例として挙げられるのですが、市場制約を個々の工事現場に当てはめると、と考えた時に、他の者を納得させられるような答えが見つからなかったので、ご教授を仰いだわけです。

 常々、私は「継続的改善の文化」を礒部組に根付かせたいと思ってきました。そのことの実現なしには、今現在あがっている成果も、いずれは元の木阿弥になってしまう可能性があるからです。 その為には、皆が(表面的には)身体で覚えつつある、そして1週間に1度は必ず行う、CCPM工程を舞台とするのが、最も近道なのかな、と考えました。

 それに何より、多分ゴールドラットの言うように、現在の私達のCCPMは詳細なガントチャートの努力成果、という側面が殆どなので、本質を理解するためには、まだまだ試行錯誤が必要なのだ、と思っています。

 そして、その本質を皆が気付かないまま皮膚感覚で覚えこます、という作業をしていきたいと考えています。 その為には、私自身がまず本質を理解しなければならないので、そんなに簡単なことではないのですが。

 

(後略)

 


・・・・・・・・・・・・・

 

「な~んだ、わかってたんじゃないかソコまでは」と苦笑いひとつ。

「で、継続的改善の文化は根づいたのか?」といわずもがなの自問をする。

それに対する自答は、近ごろほとんど常套句となった感がある言葉だ。


「ぐるぐる循環するのもアリじゃないか」


そして、

「答えになってない!」と別のわたしが斜め45度頭上から非難するのは知らん顔して、

まわるまわるよ時代はまわる、やっぱりCCPMはおもしろい」とうそぶいてみる。

(とうでも思わなきゃ無能な自分と付き合ってはイケマセン、てのもありますがネ ^^;)





さて、誰も期待してないうちに始まった「技術者室の模様替えで発掘されたもの」シリーズ、誰からの反応もないので(ネタもないケド)これにて打ち止め。

どうでもいいけど前回前々回はコチラです ^^;

→『翻訳と土着

→『CCPMをやると・・・




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CCPMをやると・・・

2017年08月31日 | オヤジのCCPM修業

 

「礒部組がCCPMをやると!」

・・・いろいろさまざまな相乗効果を生み出し、最終的には「早く良いものができて地域の人達が喜ぶ」という。

わたしを発掘した恩人のひとりUさんが、10年前につくってくれたものだ。

いみじくも昨夜は、彼の紹介で知己となった県外業者さんと意見交換会のあと一献。

一夜明けて今日は、現在地へ社屋が移転して以来の技術者室の大模様替えで、埋もれていたコイツを発掘したというわけだ(こう見えてけっこうルーズなオジさんです)。

そして、同じ場所に埋もれていたのがコレ。

 

 

これもたぶん10年前、これまた恩人のKさんにもらった「CCPMうちわ」。

「CCPMでしんぱい虫を退治!!」というタイトルの「しんぱい虫(チュウ)」とは、

 

管理を徹底してしまう虫。ミクロな管理を好むあまり、両手が電卓と虫眼鏡に進化している。

一方で、あと2本の腕には、アメとムチをもっていて、これらを使い分けて管理を実践する。なぜか重箱の隅がすきという性質がある。

 

という「会社の害虫」のひとつ。

その裏には、「しんぱい虫」にプロジェクトタイプのCCPMガスを吹き付けると現れるという「あんしん虫」がイラストされている。

CCPMと出会って11年になろうとする今、「ミクロな管理」からも「重箱の隅」からも卒業したわたしだが、「しんぱいでしんぱいでたまらない」という悪癖は治すことができずにいて、「あんしん虫に変身」することは未だでき得ずにいる。

そんなこんなの来し方を思い浮かべ、二度と埋もれませんようにと、デスク背後の壁に「CCPMうちわ」を画鋲で貼り付けた。

 

 

さて・・・いつの日かオジさんは、「あんしん虫に変身!!」することができるのか。

もうちょっと、足掻いてみようと思うのだ。



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CCPMな夏の朝

2017年08月29日 | オヤジのCCPM修業

大した仕事もしてないくせに、やけに疲れている今日このごろ。

そんなわが身を恨みながら、「まったくヤキが回ったもんだぜ」とぼやきつつ、やっとこさ起き出して、わずかばかりの時間を本読みに充てる夏の朝。日中は35度オーバーがざらだが、朝夕の空気は明らかに変わった。

そんな具合だからページをめくるのが遅々として進まないのか、はたまた久々のCCPM本との出会いに、来し方をふりかえり行く道を思案しながら読んでいるため遅いのか。たぶんどっちもなんだろうが、今回ばかりは後者のほうが少しばかり勝ってるんだろうななどと思いつつ、『進む!助け合える!WAのプロジェクトマネジメント プロマネとメンバーのためのCCPM理論』を読む。

 

進む! 助け合える! WA(和)のプロジェクトマネジメント―プロマネとメンバーのためのCCPM理論
宮田一雄
ダイヤモンド社

 

そんな寝ぼけまなこのオジさんが、思わず得たりと膝をたたいたところがこれ。

 

CCPM理論を受け入れ、自らの武器とするところまで深く理解することができたのは、他者からの説得ではなく、自らの内省によるところが大きかったからです」(P.58)

 

まさにかつてのわたしがそうだったからである。

そう言えば、岸良さんも似たようなことを言ってたぞ、と本棚から取り出したのは『三方良しの公共事業改革』(三方良しの公共事業推進研究会、岸良裕司編著)。

 

新版・三方良しの公共事業改革

岸良裕司

三方良しの公共事業推進研究会

日刊建設通信新聞社

 

お目当てのページにたどり着くまで、ものの1分もかからなかった。

 

「われわれは変わらなければならない」という話をよく聞く。しかし、よくよく聞いてみると、ほとんどの場合、変えるのは自分ではなく、「周囲を変える」ために訴えかけているのである。しかし、ここで関わったすべての人が選択しているのは自ら変わるということだ。(P.169)

 

他者をいくら説得したところで、説得された当の本人が変わろうとしない限り、その人は変わることができない。同じように、「変わらなければならない」と説き伏せられたとしても、自分自身が内省とともに「変わらなければならない」と自覚することなしには、その人が変わることはできない。

「過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。」(エリック・バーン)とはよく言うたものよ、とあらためて納得するわたしはしかし、「変えることができない」はずの他者をどうにかして「変えることができないか」と相も変わらずもがく人でもある。

もちろん今となれば、「他人を変えられない」のは百も承知二百もガッテン。それがゆえに、わたしができ得ることは、「指標の提示」や「材料の供給」、はたまた「ツールの提供」などなど、「変わる」ための「働きかけ」でしかなく、とどのつまりは本人次第。どこまで行っても、「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」という原則は崩せない。いやがる馬の首根っこをひっつかまえて顔を水に突っこんだことも一度や二度ではないが、そんな行為は逆効果になるのがオチだ。

CCPMもまた、「人材育成」というのが当初掲げた最大の目的であったという文脈から言えば、そのためのツールであったことは間違いがない。そしてそれをまがりなりにも10年余りもつづけてきたことが、組織にも個人にもさまざまな恩恵と成長をもたらせてくれたことも事実である。

次なるステージへ昇華するために(というより今立っているステージに見合うだけの中身にするために)必要なのは、「自らが内省とともに自覚すること」。そのために使うツールが、またCCPMであったとしても何ら不都合はない(というより「”ぐるぐる循環する”という思想」からいけばむしろそうであったほうがイイ)。

 

そんなこんなを考え出すと、ますます遅々としてページが進まない朝。

それはそれで悪くない。

 

 

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ぐるぐる循環するのもありじゃないか!

2017年08月28日 | オヤジのCCPM修業

「ぐるぐる循環するのもありじゃないか!」

わたしが時おり使うこの惹句のネタ元は、クロード・レヴィ=ストロース

正しくは内田樹を経由したレヴィ=ストロースだ。

以下、『寝ながら学べる構造主義』(内田樹、文春新書)より引用する。

 

おそらく人間社会は同一状態にとどまっていると滅びてしまうのでしょう。ですから、存在し続けるためには、たえず「変化」することが必要なのです。

(略)

ここでいう「変化」というのは、必ずしも「進歩」とか「刷新」を意味しているわけではありません。もし、生き延びるためにはたえず「進化」していないといけないとしたら、その焦燥とストレスで人類は疲れ切ってしまったでしょう。(現代人はそのせいでけっこう「疲れ切って」いますけれど。)

レヴィ=ストロースは、社会システムは「変化」を必須としているが、それは、別に「絶えず新しい状態を作り出す」ことだけを意味しているのではなく、単にいくつかの状態が「ぐるぐる循環する」だけでも十分に「変化」と言える、と考えました。

(P.162~163)


寝ながら学べる構造主義 (文春新書)

内田樹

 

ということで、このたび「ぐるぐる循環する」に指名したのはCCPM、今のわたしを基礎づけている柱のひとつであるクリティカルチェーン・プロジェクトマネジメントである。

手始めに、と読んでいるのはこんな本。

 

進む! 助け合える! WA(和)のプロジェクトマネジメント―プロマネとメンバーのためのCCPM理論
宮田一雄
ダイヤモンド社

 

 

まわるまわるよ時代はまわる、

やっぱりCCPMはおもしろい。



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「お神輿組織理論」から「大勢で工程を引く」を考える

2017年07月18日 | オヤジのCCPM修業

大人数でお神輿を担いでいると、誰か一人が力を抜く。それでも神輿は進む。二人、三人と力を抜いても、まだ進む。ますます力を抜く人が増え、やがて限界がきて、神輿は倒れる。(『ヒューマンエラーを防ぐ智恵』中田亨、朝日文庫、P.152)

 

「お神輿組織論」(金出武雄博士)というのだそうだ。まずほとんどの人は異論がないのではないか。そしてそれは、大きな組織になればなるほど顕著になるのだろうということについても同様に、少し考えればわかりそうなものだ。

じゃあ小さな組織には当てはまらないかといえば、さにあらずだとわたしは思う。

たぶん神輿を担ぐという行為の最小単位は4人なのだろうが(わたしの体験上です。それ以下があったらゴメンナサイ)、そのわずか4人にしてからが、肩にかかる荷の重さは均一ではない。担ぎ手の位置や背格好、その他もろもろの要素で異なってくるのが普通だ。誰かに重荷がかかったとき、別の誰かの荷は軽い。それでも神輿は進むものだ。

言わずもがな、神輿担ぎの話ではない。組織の話だ。「お神輿組織論」は小さな組織にも十分すぎるほどに当てはまる。

そしてそれは、いわゆる「凄腕」の経営者や、いわゆる「デキる」上司が、その強烈な個性と実力でグイグイと引っ張っていくというタイプの組織だけではなく、わたしが標榜してきた「チームの力で成果をあげる」タイプの組織にも無縁ではない。いや、むしろ後者のほうが、目立たぬ分だけその危険性は高いという見立てもできなくはない。チームワークといえばそりゃ聞こえはいいが、その表裏一体としての他者依存が、その種の組織にはいつだって潜んでいる。一見すると仲が良さげな分だけタチが悪いのかもしれない。

 

「工程は大勢で引く」

わたしが習ったところの「CCPMの基本」だ。

11年前、そのスタイルに出会ったときの衝撃を今でもわたしは忘れない。

以来、何年かにわたってそれをつづけたが、ある時期からそのスタイルを放棄した。「複数で組む」という基本については手放してはいない。だが、局所的にはそれすらも、こだわる必要がないときだってあると考えている。

なぜか。

「誰がそれに責任を持つのか」という問題が常にあるからだ。「誰がそれに対して責任をとる覚悟を持てるのか」と言い換えてもいい。工程を大勢で引いた場合、常にそこから生じる温度差がつきまとう。だからといって、責任がない立場だからこその「軽いノリ」から生まれる発想やアイデアを、あだやおろそかにしてはいけない。そのプロジェクトに対する責任感が希薄だからといって、出す意見が薄っぺらだとは限らない。むしろ、異なった立場の人間を集めて、その立場ならではの意見を拾い集めることに「大勢で工程を引く」メリットがある。わたしが衝撃を受け、魅力を覚えたのもそこだった。

ところが・・・

 

大人数でお神輿を担いでいると、誰か一人が力を抜く。それでも神輿は進む。二人、三人と力を抜いても、まだ進む。ますます力を抜く人が増え、、、

 

回数をこなせばこなすほど惰性に陥り、「お神輿理論」が説くところの現象が明らかに表出するようになった。

だから「限界がきて、神輿は倒れる」前に止めた。

そして何年か経ち、今年度になり、また少し方法を変えた。「大勢で工程を引く」スタイルには戻ってない。わたしとしては、あの方法がとても好ましく、手放したままでいることがまことに残念でならないが、それもこれも、

 

ますます力を抜く人が増え、やがて限界がきて、神輿は倒れる。

 

という事態を避けるための判断だ。そのためには、マンネリにならないこと。惰性におちいらないこと。何より自分自身がそうであることが肝要だ。

以上、惰性と堕落の日常を生きるオヤジが「お神輿組織理論」にふれ、われと我が身をふりかえって「大勢で工程を引く」について考えた、の巻である。

 

 

 

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『カレー作りのPERT図から学んでみよう!!』から学んでみる

2017年03月30日 | オヤジのCCPM修業

おもしろい記事を見つけた。

→『カレー作りのPERT図から学んでみよう!!(改2)

「ネットワーク PERT」で検索中のことである。

 

タスクを細分化しなければならない最大の理由は、「つながり」を明らかにするためだ。

「つながり」、CCPM的に言うといわゆる因果関係だが、わたしはあの「因果関係」という言葉が、「いかにも」という感じがしすぎてきらいだ。だから私的CCPMでは「つながり」で統一している。その「つながり」(因果関係)を重視しない、または無視してしまうCCPMは、もはやCCPMとは呼べないとさえわたしは思っている。なぜならば、クリティカル(重要)なチェーン(鎖)を優先してプロジェクトをマネジメントするからこそのCCPMだからである。

「つながり」を明らかにするためには、可能なかぎりタスクを細分化しなければならない。

その例えとして、わたしは長いあいだ『TOC/CCPM標準ハンドブック』(西原隆・栗山潤著、秀和システム)にある資料を基に論を展開したきた。


TOC/CCPM標準ハンドブック―クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント入門
西原 隆,栗山 潤
秀和システム

このアイテムの詳細を見る

 

こんなふうにだ。

 

野菜を煮る、と想像してほしい。

仮に、「1.湯を沸かす」5分、「2.具材を切る」8分、「3.煮る」12分、とした場合、こうなる。

 

参考資料『TOC/CCPM標準ハンドブック』(西原隆・栗山潤著、秀和システム) 

 

この場合のクリティカルチェーンは2→3のつながりで、所要時間は20分である。

これはこれで、ごくごく理解しやすいようにわざとシンプルにしているのだろうが、具材が1種類ではないとしたらどうだろう。

玉ねぎと人参とネギが具材だとしよう。

「玉ねぎを切る3分」、「人参を切る4分」、「ネギを切る1分」がそれぞれのタスクにかかる時間だ。さらに、「玉ねぎを煮る8分」「人参を煮る11分」「ネギを煮る1分」というふうに細分化すると、クリティカルチェーンは「具材を切る8分」→「煮る12分」という単純なものではないことが判明する。

そこで再度工程を組み直してみると、

 

 

まっ先に始めなければならないのは、じつは「湯を沸かす」作業だということがわかる。それにつづくのは「人参を切る」→「人参を煮る」というチェーンだ。そして、その他の切る作業は順次終わらしていけば、4分の時間短縮になる。

と、こういうふうに大雑把なタスクでは判らない「つながり」が、タスクを細分化することによって整理される。そしてそれは(ここからが肝心だ)「見える化」の効果により、工程を組んだ人の頭のなかだけに留まらず、この工程表を見る人すべてに周知される。

ジス・イズ・ザ・CCPMである。

断っておくが、あくまでこれは初級編だ。あくまでも理解しやすいようにつくった例なので、ツッコミどころも満載だ。

もうちょっとレベルが高くなると、上の工程における「湯を沸かす」「煮る」といったタスクを、そのままタスクとしてあつかってしまうことがどうなのか、とかいう問題も出てくる(つまり実作業がさほどともなってない)。そうなってくると、違った意味で奥深くかつ楽しくなってくるのだが、ここではふれない。

で、くだんの『カレー作りの・・・』という記事だ。

そこで披瀝されているのは、「我が家のカレー作りをPERTで分析した例」である。まず、管理人のめたのさえたさんは「カレー作りの作業と所要時間の洗い出し」をしている。

 1.お米を研ぐ・・・・(3分)
 2.野菜を切る・・・・(10分)
 3.米を炊く・・・・(45分)
 4.野菜を炒める・・・・(5分)
 5.肉を焼く・・・・(3分)
 6.具を煮る・・・・(10分)
 7.カレー粉を入れて煮る・・・・(5分)
 8.ご飯をつぐ・・・・(2分)
 9.ルーを入れる・・・・(3分)

そこから、「並行しておこなうことのできる作業・関連のある作業の整理」を行い、「PERTによる分析」のあと、「わかること」「仕事でどんな風に役立つか?」と展開している。

どんなふうに役立つとめたのさえたさんは言っているだろうか。紹介する。

・複数の作業(工程)が存在する仕事をする前に、所要時間が推測できる。
・どの工程が全体の所要時間を支配しているのかわかる。これにより工程ごとに優先順位が付けられる
・クリティカルパス以外は、あえてゆっくり作業したほうがいい場合もある。

いかがだろうか。興味のあるかたはぜひサイトをのぞいてみてほしい。

→『カレー作りのPERT図から学んでみよう!!(改2)

わたしは、大いなるヒントをいただいた。

「そうか!カレーだ!!」

てなもんである。

「野菜を煮る」よりも「カレーをつくる」ほうが断然おもしろい。より具体的だし、わかりやすい。なんとなればわたしは、「ジャガイモがごろごろ入ったカレー」で三方良しの公共事業を論ずる人である。

→『ジャガイモがごろごろ入ったカレーと「三方良しの公共事業」

「カレー作りのPERT図から学ぶ」という展開が好ましくないわけはない。

ということで、さっそくアレンジしてみたいと思っている。賢明な方はすでにおわかりだろう。ポイントは「野菜を切る」「野菜を炒める」「具を煮る」だ。それほど難しくはない。わたしの流儀をそのまま当てはめて解説すればいいだけのことだ。

カレーをつくって33年。

新たなレシピにめぐりあい、少しばかり興奮気味のわたしなのである。

 

 

めたのさえたさん、どうもありがとう。




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余裕がありゃこそ

2017年03月07日 | オヤジのCCPM修業

 

結成50周年 クレイジーキャッツ コンプリートシングルス HONDARA盤
 
EMIミュージック・ジャパン

 

またぞろクレイジーキャッツを聴いている。

会社、あるいは現場への行き帰りにだ。

近ごろのお気に入りは結成50周年 クレイジーキャッツ コンプリートシングルス HONDARA盤のDisc2、

 

1. 馬鹿は死んでも直らない
2. ホラ吹き節
3. あんた誰?
4. 天下の若者
5. だまって俺について来い
6. 無責任数え唄
7. おれの番だ!
8. 無責任経
9. ゴマスリ行進曲
10. 悲しきわがこころ
11. ヘンチョコリンなヘンテコリンな娘
12. 小指ちゃん
13. 遺憾に存じます
14. 大冒険マーチ
15. あんたなんか
16. 何が何だかわからないのよ
17. シビレ節
18. プンプン野郎
19. 虹を渡って来た男
20. それはないでショ
21. 笑えピエロ
22. 花は花でも何の花
23. 余裕がありゃこそ
 

というラインナップだ。

どれもこれも甲乙つけがたい。

特にこの盤は、谷啓をリードボーカルにフューチャーした曲が多く収められているところが出色で、さしもの植木信者のわたしも、全盛期の谷啓の何ともいえぬ味わいに癒されるところ大な日々なのである。

とかナントカいいつつ、この何日か、特に朝は同じ曲をリピート。我とわが身に言い聞かせながら繰り返し繰り返し聴いているのは、やはり植木等。『23. 余裕がありゃこそ』(青島幸男作詞、植木等作曲)だ。

 

めん玉つりあげ歯をむき出して

むきになって励んでみても

でかい事は出来ぬ

そこで一発余裕をもとう

余裕があるから気楽に行ける

気楽に行くからゆとりも出来る

余裕がありゃこそチエも出る

(判るかな俺の云ってる事がさ)

 

(略)

 

頭カッカ来て青すじたてて

むきになってなんだかんだやっても

いい目は出ない

そこで一発余裕をもとう

余裕があるから気楽に行ける

気楽に行くからゆとりも出来る

余裕がりゃこそついて来る

(さあもう判っただろう ナニ!!駄目 余裕がないね)


なに?

ダメ?

余裕がないネ ^^;

 

てな感じでおのれを嘲笑いつつ、これぞクリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメント(CCPM)の極意なりと得心し、愛車マルモッタン号を走らせる日々なのである。 

 

 

 

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「当たり前」のCCPM

2016年12月06日 | オヤジのCCPM修業

先日の優良建設工事施工者表彰発表会のことをもうひとつだけ。

全6件の発表中2番めに登壇したわが社のSさんは、この10年間で4度目の受賞。そのプレゼンテーションはさすがに慣れたもので、真剣勝負の最終審査ではないことも相まってか、地に足が着いた安定感あふれる発表だった。

ところが、その内容で「?」と思わせる点がひとつだけあった。

CCPMについて言及されなかったのだ。

CCPM=クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメント。言わずと知れた今のわが社の骨格であり根幹。当然、ここ10年で計13回の発表のなかでも、その多少はともかく、CCPMについて触れられなかったことはほとんどない。

時間の制約上カットしたのか。それはあるだろう。だが、わたしはそうは感じなかった。

慣れ親しんで「当たり前」の風景となってしまったことから、その意義や存在感が希薄になったのではないか。そう感じたのである。自分たちのストロングポイントが見えなくなってしまいつつある、と言ってもいい。

とはいえその発表自体は、それがなくても堂々として立派なもので、あの会場にいるなかで、CCPMについて言及されない発表に違和感を感じたのは、たぶんわたしひとり。何事もなく発表は終わり、盛大な拍手のあと、どうもご苦労さまでしたチャンチャン、となるはずだった。

ところが、その後に控えた発注者監督職員の応援メッセージがわたしを唸らせた。

いわく、

自分がもっとも驚かされ評価したのはCCPMによる工程管理。

その具体的で細密な日々の工程管理は、これまで目にしたことがない素晴らしいものだった。

 

たぶん、それを聴いているときのわたしの顔ときたら、相好を崩してニヤニヤと、だらしないったらなかったろう。

だが、そのあと現実に引き戻されたわたしが、なんだか空恐ろしい気分になったのも事実である。自分たちにとっては「当たり前」のことが、他所さまから見たらわたしたちのストロングポイントだということ。これに気づいてないことは、なんとも恐ろしいことでもある。

なぜか。それについては繰り返しここで書いてきた。なぜ成果があがったかを当人たちが把握していなければ次へはつながらないからだ。そしてこれも繰り返し書いてきたことだが、わたしはその答えをコミュニケーション&コラボレーションだと思っている(まだ未完ではありますが)。それを推進する骨格がCCPMというツールであり、クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメントという考え方である。それがわからなければ、「当たり前」のストロングポイントは、すぐに「当たり前」でもストロングポイントでもなくなる。

それをあの場所で監督職員さんが、いみじくも証明してくれた。

そう感じたわたしなのである。

 

 

それから1週間が経ったきのう、別の場所で発表する同じ工事を題材にした論文が出来あがった。

CCPMに関する記述がたっぷりとそこに盛り込まれたのは、言うまでもない。

 

 

なぜできたか?

どこが良くてその成果があがったのか?

それがわからなければ明日へはつながらない。

 

 

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いちいち細かく言わない

2016年11月15日 | オヤジのCCPM修業

14日のヒゲブチョーのブログ『代弁も有りだ。

 

 

  画像は「テンよし、ナカよし、シマイよし!」より転載

 

 

工程表に吹き出しでコメントを入れる。

これだけなら誰でも考えそうなことなのだが、さらにそれをマンガのキャラクターを使ってコメントさせている。

意外に思えるかも知れないが、わたしこんなの大好きである。

これぞ「見える化」と「言葉のパワー」のハイブリッド。

(何がハイで何がブリッドなのかはよくわからず使ってます。深い意味はありません ^^;)

今を生きる土木屋が「効果的な伝え方とは?」と考えていったとき当然の帰結としてこういう方法もある。

遊び心がなければ現場は上手く転ばない。

 

ヒゲブチョーいわく、

目的は、ギリギリで設定したタスクの遅れや進みに一喜一憂しながらも、

現場を進め、最後に皆で笑うこと。

なので、その途中で味わう心配事などの心持ちを、自分の口で上手く伝え難いのなら、

マンガのキャラに代弁してもらうのも有りだ。

そのための手段にまで、いちいち細かく言わない。

 

復唱。

そのための手段にまで、いちいち細かく言わない!

御意 m(_ _)m

 

ちなみに・・・

文中名前の一部が伏せられていたカ◯ジとナ◯ト。

 

こっちはわかるが、

 

こっちのナ◯トのなかにどんな文字を入れたらいいのかが、オジさんにはわからない。

 

ナオト?

ナント?

正解にたどりつくまでしばらく時間がかかってしまった。

そして正解がわかってもなお、「?」と首をひねるオジさんはNARUTOを観たことも読んだこともなかったりする。


ま、いい。

いちいち細かく言わない!

のであるよ。

 

 

 

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Dandori8

2016年07月22日 | オヤジのCCPM修業

 

 

Dandori8なるものがあることを知る。

「段取りできるプロジェクト管理クラウドサービス」だとのことだ。

無料版(スタートアップ会員)もあるらしいが、バッファ進捗管理ができないようなので通常会員プラン(年額5,980円)を申し込む。

さっそく計画済みの工事で遊んでみた。

 

 

新規物件を受注できたら、本格的に使ってみようと思っている。

Dandori8

おもしろそうである。



ところで、Dandori8と聞いて

 

♪ 夜の柳ヶ瀬なじみの酒場

  しのぶネオンのあどけなさ ♪


という歌を歌っていたカサノヴァ7というグループを思い出すのはわたしだけ?

 

カサノヴァ7 夜の柳ヶ瀬

 

 

だろうな(たぶん) ^^;

 

 

  

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