【70才のタッチ・アンド・ブースト】ーイソじいの”山””遍路””闘病””ファミリー”ー

【新連載】 『四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ』

四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 23  写真は宿毛トンネル

2023-01-15 00:11:48 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 涅槃の道場(愛媛県)編
(23日目・5月13日)  宿毛 秋沢ホテル~国道56号線~40番札所 観自在寺~御荘
         町 ホテル青い国。修行の道場 高知県を超え、降り続く雨
         の中涅槃の道場 愛媛県へ
 6:10起床、朝食→8:35発→国道56号線→9:55喫茶より道10:20→10:50県境宿毛トン
ネル→11:55昼食(一本木温泉レストラン)12:50→国道56号→15:40 40番札所 観自在
寺16:10→16:25ホテル青い国泊り。
 本降り後小雨。8:35発、10日以降1日曇りをはさみ雨が降り続いており、それも強
い雨で古道の遍路道が歩けず、少々うんざりする。本日も40番札所 観自在寺を目指し
てひたすら国道56号線を歩く。
(出発前、秋沢ホテルでの朝食)
(宿毛トンネル。トンネルを出てしばらく行くと涅槃の道場愛媛県)

 宿毛市街地を離れると間もなく宿毛トンネル。宿毛トンネルは自転車遍路の時にト
ンネル内に歩道はあるのだが、幅が80cmも無く、危なくて押して通り過ぎたこと。そ
れとこれを抜けると修行の道場もやっと終わる、そして補陀落の渡海足摺はやはり全
行程歩けばよかったと切々と思う。この連日の大雨が…などと寂しい言い訳も秘めな
がら。
 トンネルを過ぎて10時前、峠に向かう途中に喫茶店Yがありちょっと休憩。戸を開
けると年配の女性がおられ、その方がママさんのようであり、やはり年配の男性客2
人と3人で談笑中。ポンチョを脱いで置き場所を聞くと、ちょっとレトロな竹製の傘
立てを出してきてくれた。コーヒを頂いていると、にぎやかな会話で、どうやらママ
さんは18才の時に集団就職で大阪に来ており、ニチボー貝塚の活躍や1964年の東京
オリンピックや1970年の万博のころの話を懐かしかしんでおられた。年齢は後期高齢
者になったところ。男性の一人は19歳のころからマグロの遠洋漁業で、給料は当時で
年間100万円以上。私が大学1回生の頃なので、大卒サラリーマンの初任給が月給2万
円未満、大工さんなどの日給が1万円以下だったと思う。そのおじさんが南米のチリ
に停泊した時など腹巻に札束入れて遊びまわったことなど笑いながら話す。ママさん
に『そんなことばかりするから前立腺癌になるんや』と茶化されていた。もう一人の
男性は、後でおっしゃったけど、私より1年年上で、自分のことはしゃべらないけ
ど、ニコニコとされていて大変聞き上手。そのうち、私に気を使っていただいたの
か、
 「どこから来られた?」
 と聞かれ、大阪と答えると、先ほどの話に尾ひれがつき、次の万博やらママさんの
集団就職は電機メーカーだったとか和気あいあい。そのうち“NO WAR”のゼッケンの
話題になり、もっともや戦争は絶対あかん、で大団円。
 店を出て歩いてすぐにまた喫茶店があり、この店も軽トラックが2~3台止まってい
た。このあたりの山間の集落にしては喫茶店が続いて在るのかなあと思ったが、近在
の住民、特にリタイアされて、まだまだお元気な方のコミュニケーションの場所なん
だなあ、と思った。Yでの談笑を楽しく聞かせていただいて、四国には若かりし頃に
大阪や神戸や京都と縁のある方が多いわけも少し分かった。もう少し市街地、例えば
中村、宿毛、土佐清水などでは現役世代で移住してこられている方も少なくない。遍
路宿でお接待していただいておられる方も、同じような感じがする。
(県境の峠への道には、こんなお店も)
(県境のトンネル)

 10:50に県境のトンネルを超えるときには、やっとここからは修行の道場を過ぎて
涅槃の道場だ、という思い。修行の道場 高知県で鍛えられ、涅槃の道場 愛媛県で成
仏して、語呂よく付けられた区切りの呼び名かと思っていたが、今は少し実感が伴
う。愛媛には大寶寺、岩屋寺、さらには横峰寺、雲辺寺が構えている。三角寺や弥谷
寺も控えている。愛媛県で涅槃して香川県で菩提様になる、別に宗教や教義に帰依し
ているわけではないが、生きていることに感謝しつつ挑戦している実感が身に染みて
くる。
(雨が少し小止みに。あと2日がかりで宇和島へ)

 遍路道は『これが本当の道』というわけでもなく、遍路地図でもいくつかのコース
があったりする。私は何らかの道を経て88ヵ所霊場を巡りきる、それが私にとっての
遍路道『マイウェイ』と思っている。観自在寺へ峠は県境になっていて、遍路地図
では遍路道は国道56号を離れ県道332号を北行するようになっているが、そちらの方
へ行くと番外の寺へと続く山道と、観自在寺へと続く県道に分岐する。山間部のよう
で、連日のこの雨なので、このまま国道56号を辿り観自在寺へと向かった。
 昼前に近在の皆さんの賑わい施設の一本松温泉のレストラン(食堂)でチャンポン
麺の昼食。国道を挟んでスーパー銭湯のような温泉施設と道の駅とか公共施設の集ま
ったところで、休憩プラス食事には最適。考えたら四国に入ってはじめて食べた中華
系麺だった。
(近在の皆さんの賑わい施設、一本松温泉・道の駅)
(昼食で頂いた、チャンポン麵) 
約1時間食事休憩の後、出発。15:40に40番札所 観自在寺着。山門前の階段がコン
クリートになっているが、20年前と全く同じ景色のようだ。門前の旅館もそのまま。
自転車遍路の時は宿毛から観自在寺を詣りそのまま宇和島まで行き、若き頃病院勤め
時代のかつての仲間に昼食を豪華接待してもらい、さらに龍光寺、仏光寺、明石寺と
詣り卯之町まで行った。元気だったなあとしみじみ忍びながら、そうそう門前でおば
さんに文旦を2個お接待していただき、お接待にも慣れてきたことも思い出した。
(40番札所 観自在寺の門)
 今日の道中、歩き遍路さんに出会ったのは4人。車や自転車の遍路さんもほとんど
出会わず。連休が終わったからか、コロナのせいか、天候のせいか。少し寂しい。本
日は、56号線沿いの青い国ホテルに宿泊。同宿の人はほとんどがビジネスの出張族、
それと部活の若者(高校生?)か。四国に入ってどこでもそうだけれど、ホテルでも
従業員の皆さんの遍路への心遣いは十分に感じる。夕食はホテルの隣のレストランで
天ぷらそばとイカの一夜干しの一品。今日も良く歩いたからか、ふとビールが頭に浮
かんだが禁酒・禁酒。
                   (歩行、38,988歩。  距離、27.2Km)