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ブランチャード エクステンションブレードと鞘 徹底検証

2018-07-14 09:26:13 | 刃物

ついに手に入れました。
ブランチャードのエクステンションブレードと鞘。
お客さんのインスタで初めてこれを見たとき、何ともかっこいい!
しかもフランス製で、ブランチャードといえば、エルメスも使っていることで有名です。
刃物好きの私としては、これは是非とも手に入れたいとずっと思っていました。
ただネットで見てもいつも売り切れで、先日たまたま思い出したようにネットで探していたら、なんと在庫あり。
すぐにポチりました。
しかし入荷数も少ないのですね。
私がポチった後は、すぐに sold out になってました。
一本だけあったのかもしれません。
運が良かったです。
さて、やっと手に入れたこのアイテム、性能はどうでしょうか?
めちゃめちゃ期待してます。
だってエルメスが使ってるんでしょ?

まず鞘なのですが、真鍮製とはいうものの、なんだかメッキされたようです。
真鍮の無垢の色でありません。
しかもあまりメッキも綺麗とは言えません。
かなり厚付けしている感じが伺えます。
メッキは薄くつけてツヤを出すのが難しいのです。
厚く付けてツヤを出すのであれば誰でもできます。
ちょっとぼってりメッキがついてる感じがします。
しかし真鍮にメッキをしているというのはなぜなのでしょう?
真鍮が酸化して黒ずんでくると手が汚れて製品が汚れるから、メッキをしているのでしょうか?
製品の品質を考えればそうなるのかもしれません。
ただ所有欲としては、真鍮無垢の方が私は好きですし、それを期待していましたが、写真ではそこまで判断できませんでした。

もった感じ、重量感もあり、真鍮のようです。
が、メッキしているので、もしかして?と興味が湧いたので、新品をいきなりグラインダーで削ってみました。


中身も真鍮のようです。
ただちょっと黄色みが薄くない?
銅が少ない感じがします。

こうなると、疑いの目で見るようになって、エルメスが使っている素晴らしい道具なんていう印象はとっくに無くなってます。

なので比重を測ってみます。


鞘の重さが81.2グラムです。


水の中に吊るして計量します。
11.1グラムです。
もちろん、純水でもないですし、常温なので誤差はあります。

が、割とこの計測方法でも正確に出るのです。

81.2÷11.1=7.315...

うーん・・・
真鍮だと8は行くんですよね。
でも亜鉛にしては重め。
色も黄色みを帯びている・・・

真鍮は真鍮でも、銅の比率が少ないようです。
どちらかというと、亜鉛合金と言った方が正確な気がします。

JISでは真鍮は規格があるのですが、フランス製なので規格外でも大目にみますか。
真鍮製というのは、嘘ではないけれど、なんともグレーゾーンですね。
おそらくそれもあって、メッキしているのだと思います。
切れ味に関わる部分ではないですが、刃物好きとしてはちょっと結果が残念です。

さて、気を取り直して、次は肝心なブレードです。

が・・・


これひどくないですか?
折れてると言うか、折ったと言うか、最初からこういう状態なのです。
これじゃ切れるわけありません。
研いで使えってことなのでしょうか?
にしても、ひどすぎます。
ただエクステンションブレードは800円なので、そこまで品質を求めてはいけないのでしょうか?
でも800円もしないカッターナイフでももっと先が尖っています。


セットしてみました。
こんな状態なのです。
フランスの品質ってこうなのですか?
めちゃ曲がってます。
梱包状態は特に問題無かったので、本国からの出荷状態からだと思います。


切ってみます。
切れる訳ありません。
オルファのがよっぽど切れます。


硬度測定してみました。
HRC50-55です。
それほど、硬くは有りません。


オルファカッターと同等レベルです。

ちなみに、硬度測定については、いろいろ革包丁も測定しているので、興味のある方、測定方法の詳細はこちらのブログを参照ください。

革包丁の硬度測定

ただ、硬ければ切れ味はよいですが、刃こぼれしやすくなります。
私のように雑な使い方だと、硬すぎでも使いにくいのです。


ちなみにこれは、京都有次で購入した傘屋小刀で、HRC65以上あるキワモノですが、めちゃ刃こぼれします。
ちょっと固いものにぶつけたらアウトです。


ちょっと研いでみましたが、先端が尖るほどまで研ぐのは時間が掛りますから、オルファの刃をセットしてみました。

そもそも、そんなに研ぐ時間があるなら、三連休に仕事なんかしていません。
忙しいから今日も仕事しているのです。
時間をかけて準備しなければならない工具なら、私の場合、仕事では全く使い物になりません。
インスタ映え専用になってしまいます。


刃の傾斜が逆なので、これはこれで使いにくいです。
刃先が鞘の陰になって見にく過ぎます。

エクステンションブレードについては上位版もあるようですし、日本の刃物屋さんでも製造しているところがあるみたいです。
良いエクステンションブレードを手に入れれば、使い道はあるのかもしれません。
所有欲や趣味性を満たすのであれば、またインスタ映えを考えれば、良いかもしれませんが、コストパフォーマンスで考えたら、私はオルファを使うことにします。

まだ無駄遣いしてしまった・・・


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