彼岸の入りの今日は曇りときどき雨。今朝は上空に厚い雲が広がっているものの、雲の合間から朝焼けの光が射しこんで、まるでロゼワインの中にいるような光に包まれたような景色が目の前に広がった。今朝の気温は26℃で、久しぶりの熱帯夜となった。湿度が高く、猛烈な南風が吹いている。
連休明けの今日はカレンダー通りの出勤のため、早朝に家を出た。昨日降っていた雨で濡れた路面はすっかり乾いていたが、外は蒸すような陽気で、強い風が体感的に涼しく感じられる。ただ、水分をたっぷりと含んだ風は温く、肌に絡みつくような感じで、あまり気持ちよくはない。駅までの道を歩いていると、遠くからドバトの鳴き声が聞こえてきた。駅前のロータリーの木は大きく枝が揺れていて、木々の茂みの中から小鳥の鳴き声が聞こえている。
連休の狭間の平日ということもあって、朝の電車は空いていた。電車に乗って新宿駅に着くと、改札を抜けて外に出る。雨は降っていなかったが、路面はしっとりと濡れていて、所々に大きな水たまりができており、つい先ほどまで強い雨が降っていたことを物語っていた。職場に着いて窓から外を眺めると、東京の市街地の上空を厚いガス状の雲が覆っている。低い雲がすごい速さで南から北に流れていくのが見えた。職場に着いてしばらくすると、雨が降り出してきた。
日中は雨が降ったり止んだりの空模様となった。上空にはどんよりとした厚い雲が広がっていて、午後から強い北よりの風が吹いてきた。正午の気温は22℃で、朝よりも気温が低くなり、シメシメとした風が涼しく感じられる。お昼に外に出てみると弱い雨が降っていて、風が湿っぽく感じられた。
夕方になって日が傾いてくると、市街地の西側に広がる雲海の中から山々のシルエットが現れてきた。その上空の雲が切れて、夕日でオレンジ色に照らされた空が垣間見える。日が沈むと、空が漆黒の闇に包まれて、市街地の灯りがまるで宝石箱をひっくり返したようにキラキラと輝きはじめた。
夜になって、仕事を終えると帰宅の途につく。明日は夏休を1日消化することにしている。今日はいろいろと忙しかったが、何とか仕事を終えると職場を出た。後ろを振り返ると都庁がオレンジ色にライトアップされている。ちなみに今日の18時00分~19時30分は世界アルツハイマーデー ライトアップとなっており、19時30分~21時00分までは世界患者安全の日ライトアップとなっている。どちらのライトアップもオレンジ色だが、意味が異なる。
新宿駅から電車に乗ると、国分寺駅で一旦下車した。今日は精神的に疲れたこともあって、気分転換にお茶をしていきたい気分である。そこで、セレオ国分寺2階にあるカフェ「タリーズコーヒー セレオ国分寺店」に入店する。
駅コンコースを見渡すことのできる窓際ののカウンター席を確保すると、レジに向かった。注文したのは「アップルチーズカラメル」と「OIMOティーシェイク」のトールサイズである。
代金をタリーズカードで支払うと、ケーキを載せたトレーを受け取って、左奥のカウンター前に進んだ。ここで、ドリンクの載ったトレーを受け取ると、更に冷水を注いだ紙コップをもらって、確保したカウンター席にトレーを運んだ。
さっそく紙おしぼりで手を拭き、「OIMOティーシェイク」にストローを挿して飲む。
「OIMOティーシェイク」は秋らしい黄金色のソースと華やかなアールグレイを合わせた「おいも」づくしのフローズンドリンクで、蜜芋をイメージしたソースの鮮やかなマーブル模様が見た目にも楽しい。表面には紅はるかを使用したホイップクリームをたっぷりと浮かべて、蜜芋風ソースをかけ、黒ゴマをトッピングして、大学いもをイメージしている。
ストローを勢いよく吸い込むと、お芋の風味と共にアールグレイの紅茶の香りが鼻腔を突き抜けていく。蜜芋風ソースの濃密な甘さに、爽やかなアールグレイの香りがあわさって美味しい。さつまいも風味のミルキーなシェイクといった感じのドリンクは、本格的な秋の訪れを感じさせてくれる。
「OIMOティーシェイク」を少し飲むと、今度はスプーンで表面に浮かべられたホイップクリームを掬って口に運ぶ。濃厚なホイップクリームは優しいさつまいもの甘さが感じられて、黒ゴマの粒々とした食感がアクセントになっている。芋蜜風ソースの甘さとホイップクリームのミルキーな甘さの組み合わせは、まるでスイーツを食べているような感覚である。
再びストローで「OIMOティーシェイク」を飲む。「OIMOティーシェイク」がグラスの半分くらいまで減ったところで、ケーキを食べることにした。
「アップルチーズカラメル」はココアの薄いビスケット生地の上に角切りリンゴを載せて、チーズムースを重ね、上面にカラメルソースを塗って、角切りリンゴをトッピングしたケーキである。リンゴの果汁が絡んだカラメルソースが滴って、台紙に溜まっている。
ケーキにフォークを入れて口に運んだ。舌触り滑らかなチーズムースにバニラビーンズが合わさり、濃厚ながらも上品でまろやかな味わいで美味しい。カラメルソースのコクのある甘さに角切りリンゴのフルーティーな甘さが絡む。角切りリンゴはシャキシャキとした食感でケーキにアクセントを与えている。ケーキの底面に敷かれたココアのビスケット生地はサクサクとした歯応えで、小ぶりのケーキながらも食べ応えがあって、なかなか満足できる。
ケーキと「OIMOティーシェイク」の相性もいい。カラメルソースのコクのある甘さが「OIMOティーシェイク」のアールグレイの味わいに溶け込んで、また格別の美味しさである。ケーキを食べてしまうと、「OIMOティーシェイク」を飲む。ケーキの味わいがアールグレイの香りとともに喉の奥に消えて、さつまいも風味のミルキーな味わいで口の中が満たされると、ひと息ついた。
ちょっと落ち着いたところで、カバンの中から読み物を取り出した。「OIMOティーシェイク」を飲みながら、記事に目を走らせる。
しばらく記事を読んでいると、「OIMOティーシェイク」の入ったグラスが空になった。スプーンとストローでグラスの中のクリームとシェイクを全て口に運んでしまうと、これに紙コップの中の冷水を注ぎ、グラスの中のクリームを洗うようにして、よくかき混ぜた。白濁した冷水を飲みながら、更に記事を読み進める。
目が疲れてきたところで腕時計を見ると、既に入店してから小一時間ほどが経過していた。少し気分転換もできた気分である。重い腰を上げて食器を返却すると、店を出た。
国分寺駅から中央線の電車に乗って帰宅の途につく。日野駅に到着して電車を降りると、改札を抜けて駅の外に出た。
夜になって、空気はシメシメとしていて、湿った風が冷たく感じられる。日中に降った雨で濡れた路面は所々に濡れた跡が大きな黒いシミのように残っているものの、ほとんど乾いていた。駅の西側のロータリー前に出て上空を見上げると、雲の塊を敷き詰めたような雲が浮かんでいて、雲の割れ間から暗い空が透けて見える。結局、持っていった傘はささずに済んだ。