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「国鉄」という化け物のような組織に興味があって読んでみました。
ブックカバーには本書の概要が以下の記載があります。
「かつて日本には、国家の所有する鉄道があった。その組織は平時においては陸軍をしのぐ規模を誇り、列島津々浦々の地域を結びつける路線を構想することは、社会のグランドデザインを描くことそのものであった。歴代の国鉄トップは、政治家や官僚たちは、そして現場の人々は、この巨大交通システムに何を託し、いかに奮闘したのか。近代化に邁進する明治政府が新橋・横浜間を開設してから昭和末期に日本国有鉄道が分割民営化されるまで、「鉄道と国家」の歴史を一望する壮大なパノラマ!」
本書によれば,日本の鉄道の歴史は大きく四つの時代に分けることができるとしています。
まず、明治時代の私鉄が主役だった時代、次に、日露戦争後に多くの私鉄を買収した政府が直営した時代、さらに、第二次世界大戦後、国鉄が公社化されて日本国有鉄道となった時代、そして現在のJRの時代です。
この中で二つの戦争が出てきます。
特に第二次世界大戦が国鉄のその後に大きな影響を与えました。
ボクはそこに国鉄の悲劇があったのだと思うのです。
その原因者は,復員兵をはじめ,国鉄にすべてを押し付けた政府にあると思うのだけど,本書ではそのことには全く触れていません。
労働組合もやりすぎたことに間違いはないけど,彼らもその被害者だったし,何とか国鉄を立て直そうとして命を落とした国鉄トップの苦労を思うとやりきれない思いになります。
今後の人口減にどのように生き残りをかけるのか,まだまだ試練は続くのでしょう。
国鉄の歴史については,石井 幸孝氏が書いた「国鉄『日本最大の企業』の栄光と崩壊」という通史を昨年読んでこのブログにアップしていますココ
よかったら見てください。