「はじめに」に記載されているとおり,この本は,2019年から2023年までの約四年間にわたり,馬の知識ゼロだった著者が初めて馬の世界に足を踏み入れ,引退競走馬をめぐる世界の全貌を求めて各地を訪ね,様々な人に出会いながら,馬の魅力にグイグイと引き込まれていく旅の記録です。
競馬業界では毎年約7千頭のサラブレッドが生産されるそうですが,その一方で約6千頭が引退するそうです。
そして,その多くが行方不明になっています。
著者はそうした記事を読んで大きなショックを受けたことが取材を始めるきっかけになったそうです。
馬の寿命は30年ほどだそうですが,競走馬として活躍できるのはそのうちの数年。
当然その後の長い生涯をどのように送るのかだろうか。
競馬人口は多いがほとんどのファンはそうしたことまで考えないでしょう。
本来は責任を持って取り組むべきはJRAだろうけれどもJRAはこれまで力を入れてきませんでした。
そこに疑問を持った,調教師だった角居勝彦氏などがセカンドキャリアという取り組みを始めたのです。
乗馬用,セラピーホース,馬糞を使用したたい肥作り。
様々な取り組みについて記載されています。
ボクも15年ほど前からホースセラピーに興味があるので,こうした取り組みに共感したのですが,競走馬をセラピーホースに転用することについてもう少し詳細に記載してほしかった。
なぜなら,競走馬を育てるには闘争心が必要です。
ところがセラピーホースにするためには,競走馬に必要な馬の気性を全く反対の性格にしなければならない。
それをリトレーニングというそうですが,それは馬にとってはいい迷惑なのではないかと思ったのです。
人間の都合で性格を間逆に変えさせられてしまうのですから。
それに,セラピーホースが必要ならば,生まれた時からそのように育てるべきではないだろうか。
誰でもが思うようなそうした素朴な疑問に答えていただきたかった。
そして,JRAはふんだんな資金をもっと積極的に引退競走馬につぎ込むべきだし,ノウハウを持たないJRAは,引退競走馬が幸せな生涯を送れるようなしっかりしたシステムを構築していただくことを願っています。
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