お正月の読書。
今年は二冊読んでみました。
本書はトヨタの歴代社長のひとり,現社長である豊田章男氏を中心にトヨタの組織について,章男社長の古くからの知人である著者が分析して執筆した作品です。
「トヨタ」といえば『KAIZENN』。
世界中で共通言語となっていますが,著者はさらに「家元組織」というフレーズをタイトルに掲げています。
そして,サブタイトルには「世界が学ぶ永続企業の「思想・技・所作」とあります。
それらが『KAIZENN』とどのようにつながっていくのか楽しみにプロローグから読み始めました。
プロローグでは「章男が作った組織は日本に固有の組織形態である家元組織だと私は考えている。」という記載があり,さらに「トヨタの強みとは,ムダ,ムラ,ムリを排除して,知恵と工夫で生産性を上げていくところにある。それが伝統の芸事と相似する「思想,技,所作」にあると分析した」と続きます。
そこまで読んで,ボクが期待していた内容と違うなと思い始めました。
そこまでこじつけなくてもいいのでは,と思ったのです。
と同時にめんどくさい人だなあと。
トヨタの歴史と組織,そして章男社長について身近で見てきた事実を作品とした方が良かった。
それがボクの感想です。
なんかね,大切なところが抜けているんです。
例えば,章男社長がエンジンにこだわった事実とその理由。
水素エンジンに早くから取り組んできたことをしっかり書いてほしかった。
ボクも「MIRAI」に乗ったことがあるけど素晴らしい車でした。
環境にやさしい車であると同時に,日本の産業と技術者にとっても。
簡単にエンジンを捨てるべきではないよね。
しかし世界はEVのみに突き進んでいます。
章男社長には長いものに巻かれてほしくなかった。
いや,まだ水素エンジンはあきらめていないことを期待します。
やっぱり車はエンジンがあってこそのものなのに,BMWもベンツもあっさり見切ってしまったのはなぜか。
日本とともに水素エンジンで頑張ればアメリカと中国に対抗できたと思うのだけど。
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