うどんやラーメンなどの食べ歩きと旅のブログ2

国内・海外問わず旅が好きです。以前のブログが、無料容量限界に達したのでその続きです。

JR九州日田彦山線「BRTひこぼしライン」添田⇔日田(2023年8月28日開業)

2023年11月23日 | 旅行

 ブログの引継ぎは、2023年8月1日なのですが、9ヶ月もネタを寝かしておくのもアレなので、タイムリーで公開した方がいいものは都度公開することにします。

 JR九州日田彦山線の添田⇔夜明け間は、2017年の九州北部豪雨のため不通になってしまったが、超赤字路線のためJRとしては「復旧するなら関係自治体が費用の負担をしてほしい」ということは理解できます。(あくまで民間企業ですからね、昔の国鉄とは違います)しかし地域沿線の自治体は「全額JRの負担で復旧してくれ」という主張が真っ向から衝突し、なかなか方針が決まらない状況だった。JR側からしたら、巨額の復旧費をかけて列車を運行しても、赤字を垂れ流しすることには変わりがなく、地域沿線の小さな町村は費用負担に耐えるだけの予算を確保は至難の業であろう。

 江戸自体の日田は天領として大いに繁栄し、昭和になっても日田駅は交通の要所として賑わっていました。また筑豊は炭鉱で栄え、国鉄の路線は石炭輸送を目的として、広く張り巡らされていました。日田から小倉へ出ようとすると、日田⇒別府⇒小倉というルートと、日田⇒田川後藤寺⇒小倉というルートがあります。また田川後藤寺からは、さらに新飯塚経由で博多方面に行くことも可能です。日田彦山線はローカル線ではありますが、盲腸線ではないので比較的使い勝手はいいのだとは思いますが、車の発達と地域の住民減少により運行しても赤字という状況です。利用しないので、ますます運行本数は減っていき、使い勝手はさらに悪くなります。筑豊の路線はICカードも使えず、駅員もいないという駅が多くあります。

 費用負担の問題で復旧不可となると「区間廃線」か「バス転換」しか手はないと思われます。協議の末、JRと福岡県が一部費用を負担して、BRT化(バス高速輸送システム)が決定しました。一般道を走っても高速輸送にはならないので、線路の一部を整備してバス専用道路にしますが、それ以外は一般道を走行します。また夜明⇔日田間は、既存のJR久大本線と並行して走行します。(これは利便性が向上する)

 使用するバスは新車の小型電気バス(座席は17)と中型ディーゼルバス、それと今後は水素バスの導入が予定されています。本数は列車時代より増え、停留所の数もかなり増えます。専用道部分には、4Km以上の長さの釈迦岳トンネルがあります。また専用道は狭く、基本離合ができないので無線で他のバスとやりとりをしています。停留所は、旧駅を含み集落を細かく巡っていくので、地域の人にとってはかなりいいのではないでしょうか。しかし今でも「JRは列車による復旧を」という看板も見られるので、列車復旧を望む人もいるのかなと思います。しかしながら、いくら望んでも乗る人が少なすぎるというのでは、路線復旧は現実的ではないと思います。

 BRTひこぼしラインの開業は、2023年8月28日でした。開業時には全国から人が来て、かなり賑わったと聞いています。(TVニュースなど)混んでいるバスに乗るのは嫌なので、少し待って2023年11月に16日(水)に乗車しました。

 乗るにあたって運賃を調べました。添田⇒日田間は860円です。切符は(例えば)小倉⇒日田間でも乗れるし、添田までの切符で乗れば、JRの運転手から清算証明書を貰えばBRTの運賃が100円引きになります。証明書は運転手に申告しないと貰えないので要注意です。ネットで調べていたら「BRT開業記念の1日乗り放題切符」を見つけました。購入するのにはスマホのみで「マイルート」をインストールしなければなりません。(紙の切符は買えない)住所・氏名・連絡先・クレジットカード情報の登録も必要です。金額は860円で片道料金と同額なので、往復するならかなりお得です。さらに乗り降り自由で、沿線の数施設で使える特典もあります。あまりスマホのアプリは入れたくないのですが、他に道はないのでインストールしました。口コミでは「電池を食う」「支払い時にうまく動作しなかった」というのがありましたが、動作自体は問題ありませんでした。(ソフトのアップデートはされているようだ)

 電池を食うというのは気になったので、モバイルバッテリーを持参しましたが、車内ではUSB充電ができるようになっています。(座れなかったら厳しい)マイルートのチケットを使ってみたら、BATTは30%くらい減っていましたが、フル充電で行ったので大丈夫でした。(普段は5%くらいかな)旅の途中では、モバイルBATTで充電しました。

 今回は「添田」から乗車しました。チケットの注意書きには「整理券を取って、下車時に整理券を回収箱に入れると同時にスマホの画面を運転手に見せて下さい」とあります。乗り降り自由なのですが、整理券は取った方がいいようです。小型の電気自動車(中国BYD製)が来ました。まだ新車のにおいがします。

 途中からバス専用道に入るので快適です。運転手によっては、地域の観光情報を言ってくれる場合もあります。(あくまで個人のサービス)

 街道沿いのバス停は簡易なバス停があるのみですが、JR九州の駅だったところは駅舎が残っているところもあります。

 4379mの釈迦岳トンネルに入ります。上部には蛍光管による照明がありますが、注目はトンネル最下部にある反射板の色です。添田側の半分は緑ですが、それを超えると青になります。色が変わるとトンネルの半分を超えたなと分かります。トンネルは狭く、離合は不可能です。非常電話は500mおきに設置されているとのことです。

 BRT区間でも一般道と交わる部分は遮断機があり、一般車が進入できないようになっています。たまに専用道を横切る車がありますが、一般車優先で運用されています。BRT側が通行せずに待っています。

 この駅は撤去工事がされています。線路は撤去済みで、公園化されるようです。

 久大本線をまたぎます。夜明から久大本線に乗り換えることもできますが、BRTは日田駅まで行くので便利です。久大本線といっても本数は少ないからですね、夜明駅が終点だと結構辛いかなと。

 終点日田駅に到着しました。添田から約1時間半ほどです。途中下車はしませんでした。特に観光地っぽい所もなく、一度降りると1時間(時間帯によっては2時間)次のバスがありません。しいていえば「道の駅歓遊舎ひこさん」ですが、何度も訪れているのでパスしました。

 行はMAX8人で、帰りはMAX14人でしたので、全員座れました。添田⇔日田間を通して乗ったのは観光客っぽく、途中で乗り降りしたのは地元のお年寄りっぽかったようです。帰りの人が多いのは登山帰りの人たちかな?

 BRTひこぼしラインのバスは、いろいろな色があります。