大阪名物?といわれた『ワンコイン(初乗500円)』タクシーも姿を消しました。コロナ禍が、3年と長引き『乗務員離れ』も加速し、週末深夜や休日は『タクシーが不足』。京橋界隈は『半減したのか』と感じるくらいに、週末深夜はタクシー難民で溢れています。私たち、タクシー乗務員にとっては『やっと、商売がしやすくなった』のですが・・・。大阪のタクシー運賃改定に関しては、業界紙や新年社内訓示等で『公開』されたので、概要を書いておきます。
【写真:大阪名物『5/5割』も、なくなるでしょう】
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◆近畿運輸局が、料金改定への『審査』の動き。
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長らく『大阪名物』と揶揄された『5/5割』がなくなる様相です。
5/5割とは『5,000円を超えた分は、50%オフ』という、
なんとも就労意欲をなくす運賃体系でした。
これが『やっと、なくなる』方向性で進んでいます。
(KグループのY氏も、やっと折れてくれた・・・(笑))。
規定により70%以上のタクシー事業者が希望を出したため、
近畿運輸局も動き出しました。(まず、改定案審査から)
(※現在80%以上の事業者が改定希望の意思表示をしています)
・初乗運賃:710円(初乗距離は未定。現行1.7km:680円)
・遠距離割引:9,000円以上は10%割引
・爾後(ジゴ)料金:従来どおり80円ずつ加算(未定)
・爾後距離:現状より短くなる(メーターの上がりが早くなるが詳細未定)
概ね、首都圏エリア同等と予想しています。
初乗距離が、現行1.7kmを踏襲したとして、
旧運賃の2.0kmまで680円だったのと比較すれば、
改定運賃だと、2km乗ると、790円、870円あたりになるでしょう。
現在、840円くらいで乗れていた距離でも、
改定運賃だと、950円~1,030円(約1,000円前後)になると見ています。
また、消費税免税対象の個人タクシー事業者も、
インボイス導入によって減収が見込まれ、
運賃改定に手を挙げました。
概ね、16%~27%程度の値上げになるのは必至でしょう。
従来、10,000円分走っても、支払時には7,500円・・・。
もう、5/5割の役割は果たした、終わったのです。
この背景には、団塊の世代が『大量退職』するのを見据えて、
年金受給までの空白期間の雇用確保などが主目的でした。
5/5割だと儲からないのでは・・・?
もちろんやる気が失せるくらい、儲からない仕組みでした。
とはいえ、大量退職の雇用の受け皿だったタクシー業界は、
『運賃が高かったらホテルに泊まる層』を取り込むべく、
5/5割を強行し、ホテル需要をタクシーに向かせました。
ホテル層を取り込んだため、かろうじてやってこられたのが実情です。
その団塊世代のドライバーが、いよいよタクシーからも大量退職・・・。
2025年には、団塊世代全員が『後期高齢者』に突入します。
また、多くのタクシー会社が75歳~80歳の間で『定年退職』を告げ、
いよいよ、タクシー業界も乗務員不足が深刻化します。
さすがに、後期高齢者乗務員の再雇用は、一段と難しくなるでしょう。
今度は『若い乗務員が家族を養って食べていけるように』と大変革。
まぁ、昭和時代のように『元通りになるだけの話し』なのですが、
平成に入って以来『就職氷河期世代』が『ハケン』で苦しむ中、
まだ、ハケンより自由度が高く、高収入も期待できるタクシー業界に、
若い人が、少しずつ入ってきています。
今までのように『供給過多』はありません。
すでに、需給バランスが逆転している地域もあり、
『どこそこまで行ってくれや』的な、横柄な乗客も激減しています。
運賃改定で、一時的なタクシー離れはあるでしょう。
とはいえ、運賃が少々高くなっても『乗る人は乗る』のです。
むしろ、タクシーを必要とする人が、乗れればいいのです。
今までのように『安いから』で乗っていた人は、
ホテルに泊まるなり、朝まで飲み屋で過ごすなり・・・。
安いから乗っていた人が減ると、本当に必要な人に回ってきます。
2025年、大阪万博も開催されます。
コロナも落ち着き、インバウンドも期待されています。
だんだんと『加齢臭のする、おっちゃんタクシー』が減り、
接客の質も、ずいぶんよくなってきました。
・乗客も、アプリでタクシーを選ぶ時代ですが
・タクシーも、乗客を選ぶ時代に戻りつつあります
やっと、ウインウインの関係に戻り、
等価交換、双方がイーブンの関係に戻ります。
今までのように『雲助扱い』していたら、
社会的に下に見ていたタクシーから『乗車拒絶されるかも』知れません。
パワハラ客、モラハラ客には、運送約款に従い『対処』されます。
すでに『初乗500円台』の『安モンタクシー』は激減しました。
いろんな価格が高騰していますが、
本当に必要な方に、ご利用いただけるようになりつつあります。
また、若い層が、この稼業できちんと生計が立つようになってきました。
運賃改定は、2023年末繁忙期頃と予測しています。
私たちも襟を正し、接客の質を上げています。
毎度おおきに。ほんじゃーね!
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