6月18日付、地元某地方紙朝刊第一面に二段抜きで「電磁波対策・法整備を」との見出し。これはただごとではないと記事を読みすすめると、「日本は規制無し」の小見出し。あれ?、電波防護指針は廃止されたのかな? よ~く読むと、何のことはない、「超低周波電磁界」に関するWHOの国際指針の話でした。
地元では有名紙なのですが、残念ながら記事を書いた記者さん、すこし勉強が足りなかったようです。どうやら「超低周波(ELF)・電磁界(Electromagentic Fields/EMF)」を、「超低周波・電磁波」と解したようです。確かに、「電磁界」と「電磁波」、しばしば混同されがちですが、もう少し慎重に使い分けてほしいものです。特に今回WHOがいっている超低周波の発ガン性については、「磁界」についてのみその危険性が指摘されており、なおさらその使い分けが重要になってきます。
記事の最後のほう、高圧送電線の危険性と並び指摘されたのが、携帯電話の基地局や高周波試験設備の「電磁波」に対するリスク。おぃおぃ、まったくわかっちゃいませんな。すくなくとも、今回のテーマである超低周波電磁界の話とは全く関係ない。確かに、高周波数領域電磁界の発ガン性がないとはだれもいってませんが、少なくとも10kHzを超える「電磁波」(一部周波数電磁界含む)には、「電波防護指針」という法令が整備されている。携帯電話基地局や船舶用レーダー検定施設の話を持ち出すならば、「日本は規制無し」の小見出しは明らかに誤り。訂正記事掲載を要求したいぐらいだ。
ただただ住民の不安をあおり立てるような、こんな無責任な記事を書かれると、ご近所様に一生懸命電波防護指針のことや自局の無線設備の説明して、協力を仰ぎながらほそぼそと楽しんでいるアマチュア無線もいよいよできなくなってしまう。暴力ともいえるPLC解禁といい、アマチュア無線家を絶滅させ、そのスペクトルを横取りしようとしている陰謀すら感じる今日この頃です。
某地方紙記者さんへ。最低でも、下記サイトの情報ぐらいは理解した上で、今後は責任のある記事を書いていただけることを期待します。
http://www.niph.go.jp/soshiki/seikatsu/seiri/html/WHO/top.htm (リンク切れ)
by taniyan
※旧ブログサイトから記事移動(2017/12)
http://www.jeic-emf.jp/commentary/723.html