松本電鉄新村駅に保存されていた、日本最古の電車「ハニフ1」が、10月に開業する鉄道博物館へ寄贈されるため、本日新村駅をはなれます。現地では、「さよならハニフ1号」と題して記念イベントが開催されました。
余生を過ごした専用車庫を離れ、現役の電車車庫へ移動されていました。専用車庫とは線路がつながっていませんので、あらかじめクレーンアップして移動したのでしょうか。
「青ガエル」こと5000系も一般開放され、車内にはいることができました。中には、昔の上高地線はじめ、浅間線路面電車の写真などが飾られたり、浅間線の切符や車内補充券(当時の本物)が売られています。使用済み切符や廃部品を販売したりと、松電さん商売もお上手です^^)。
名残惜しそうにハニフをながめているのは、松本電鉄現社長さん。このハニフが当時のまま保管されたのは、先代社長さんの特別な指示があったからとのこと。効率化や営利にばかり走りがちな昨今、自分たちの仕事に誇りを持ち、歴史を大事にする英断、本当に頭が下がります。
いよいよお別れの時が近づいてきました。大きなクレーン車につり上げられ、車輪がレールから離れていきます。車両を傷つけないよう、1時間以上かけてつり上げの準備を行い合計8本のチェーンで持ち上げていきます。
軽々と持ち上げられたハニフ1は大型トレーラーに積み込まれていきます。大宮だったら、JR線経由で、篠ノ井→中央東→埼京と、古巣の中央線をみながら甲種回送してあげたいところですが、このお歳ではとうてい無理、いわゆる乙種回送とあいなりました。
トレーラーに固定され、本日21時、まもなく松本を離れます。約48時間かけて、23日夜には大宮到着予定とのこと。鉄道博物館では、「100年前の姿に復元したい」との話もあるようですが、高松塚古墳のようにはしないでください。大宮に行ってもみんなに大事にされること祈っています。
春分の日とはいえ、だんだん日も傾きはじめるなか、出発の時をじっと待つハニフ。今回は、地元平田駅から新村駅まで、全行程電車で移動しました。上高地線に乗るのは、もしかしたら30年ぶりくらいかもしれません。イベント会場には大勢の人が集まっていましたが、電車は行きも帰りもがらがら。地方鉄道路線の維持存続はいずこも大きな課題です。
本日の切符類です。平田=松本往復はよいとして、上高地線、松本→新村、JR松本駅自動券売機の一番左側で買えますが、なんとオレンジカードが使えます。帰りの、新村→松本、新村駅には自動券売機はなく、未だに窓口販売、しかも通常乗車券が「硬券」です。久しぶりに日付刻印機に切符を通す光景を目の当たりにしました。改札は残念ながら「はさみ」ではなく、スタンプ。しかしそのスタンプには「入鉄済」と記されていました。松本駅で「使用済み」スタンプを押してもらいましたが、硬券は磁気券より若干幅が細く、せっかくの松本城の絵柄のスタンプがはみだしてしまいました。
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by taniyan
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