最近読んだ面白い本の紹介
「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治
児童精神科の宮口氏は少年院で少年たちと関わる中で、
彼らは重い犯罪者ではあるが被害者でもある、と述べています。
一見、見落とされてしまう境界線の子どもたち、
必要な教育を受ける機会を提供して来なかったまわりの大人の責任はどうなのか、
境界線の子どもたちを学校、家庭、医療福祉、地域の中で受け止めることが難しい問題点はどこにあるのか。
私たち大人はどう受け止めどう対応していけばいいのか。
氏が主宰している困っている子どもたちの支援を行う「コトグレ研究会」の学習支援は参考になります。
明らかに何らかの支援を必要とする子どもならまわりも配慮ができますが、
気づかれないまま、気づかれても特別な支援を受けられないまま、
社会に放り出されてしまう子どもたち、そして社会からはじけ出されてしまう子どもたちも多くいると思います。
特に知的に何ら障害が無いとまわりの理解は殆ど得られませんから、
弊害として二次障害を発症し、そこから病院に繋がり発達障害の診断が下りるケースは多いかと思います。
では知的障害のある子どもが支援を十分受けられているのかというと、それも難しい。
必要な教育を受ける権利、というのが本当にその子に必要な教育の中身となっているのかとか、考えてしまいます。