ASDの特性としてコミュニケーションの難しさがあります。
中でも、誰かに助けを求めることが難しい子が多い。
「困ったことが有ったら、言ってね」
では子どもに通じないことが良くあります。
そもそも困ったという気持ち、どうしたらいいのかわからない、という状況をその場に応じてどういう言葉で相手に伝えるのか。
自分の困っている感事態を他者に伝えることは本当に難しいのです。
状況が分からないからパニックに陥る、パニックにまではならないにしても、フリーズしてしまう、あるいは見過ごされてしまっているASDの人は多い。
外見上のその様子を捉えて、パニックから見える課題にだけ目を向けられた場合、本人の困り感の本質は見過ごされてしまいます。
本人が自分で気が付くまで、自分で何とか対処するまで、経験を繰り返す中で身につけていくものだから、まわりは見守っていく姿勢が大事、といったスタンスを取られた場合も、同様です。
しかし、まわりが察して手を差し伸べる、口頭で指示する、それは本人の表出コミュニケーションの機会を阻止することになってしまいます。
その表出コミュニケーション方法を身につけるためには、子どもの特性に則した表出方法で、困った状況を設定した場で練習をしていくことが必要になります。
〈足りない備品を確認し、~スタッフに伝えて調達する〉
〈備品をどこに片づけるのか、~スタッフに聞き片づける〉
確実に本人から行動に起こせるように、具体的にモチベーションの持てる手段を用いて、練習をします。