じんべえ時悠帖Ⅱ

関さんの森

 昨日は埼玉県参院補欠選挙、知事からスライド立候補した

上田氏の当選よりも「投票率」が注目された。

 結果としては、国政選挙日本最低記録(1991年埼玉補選)

17.80%を辛うじて上回る20.81%。

 各政党が候補者擁立を諦め、対抗はN国党首の立花氏だけ

という寂しい選挙。投票数の85%を獲得した上田氏も、県民

6人に一人の信任ということである。

 我が三郷市の投票率は、市部では川口市に次ぐ下から2番目

の18%台、郡部最低の松伏町の14%台と併せ、県政から遠い、

東の端に位置するせいだろうか。

 今回も「翔んで埼玉」を起用した埼玉選管。投票率の最低

記録を辛うじて免れただけの効果はあったようだ。

 

 さて、台風一過の松戸散策の2回目は「関さんの森」。

地図を見ると、幸谷観音の北方に面白い名前の森があるので、

今日の予定コースからは離れるが寄ってみることにする。

 下の図の「関さんの森」の左側の道、微妙なカーブが

「タモリ風」に興味をそそる。

 因みに、矢印付きのオレンジ色の線が歩行ルートである。

 その広い道を横断して、鬱蒼とした森の端に着く。

道路の大量の落ち葉を掃く男性に入口を訊くと、素っ気なく

「知らねえなー」。若干敵意さえ感じる雰囲気である。

 戻って直角方向の道を歩くと入口らしきものがあり、

丸太の柱に「関さんの森」と見える。

 やはり丸太で土留めした階段を上がったところで森の中を

眺めるが、自然のまま、整備されている訳ではなさそう。

 先を「少し」急ぐので森の中には踏み込まず、広い通り

戻ることにする。江戸川左岸台地の端のこのあたりはアップ

ダウンが多い。ここまでの下りを取り返す上り坂となる。

 広い通りに出て、交差点近くのコンビニで体を冷やす。

台風(21号)一過のカンカン照りの中を、もう一時間も

歩いている。この坂を下れば国道6号線(水戸街道)。

 「関さんの森」の脇の微妙にカーブした道の謎解きは、

家に帰ってからのネット探索となる。

 まず「関さん」は、このあたり松戸市幸谷(元は荒谷)

の代々の名主である関家。二町歩(約2ha)の敷地には、

森の中の母屋、梅園、子供に開放する広場などがある。

 昭和の中頃、ここを通る幹線道路が都市計画となった。

船橋から江戸川を渡って埼玉県(三郷)を結ぶ幹線道路

が具体化したのは平成に入ってから。

 自然愛好家や地元民などが「かたまりで残そう」と、

関さんの森の保存運動が始まる。当の関家は「道路には

反対しないが、出来るだけ自然を残す方法で」と訴える。

 一旦は「地下化」で決定するが、費用がかさむという理由で

凍結状態になった後、今から十年ほど前に、松戸市と地権者の

関家との間で合意書が締結された。

 当初の直線案から森を残す曲線道路となったが、むつみ梅林

や子供広場が分断されることになった。

 「関さんの森」の入口を訊いた私に、ぶっきらぼうな返事

を返した、落葉掃きをしていた住民の気持ちが解った。

 台風が続き、大量に「関さんの森」から飛んでくる落葉に

辟易としていると言うことだろう。

 また、この小さなカーブで死亡事故も発生したという。

このあたりに広い幹線道路がなく、万年渋滞に悩んでいた

松戸市だが、地下案はともかく、もっと大きく迂回する案は

なかったのか。

 道路や治水には「百年の計」が要るが、そう言った大きな

考えが出来る役人は少ない。だから「小役人」なのである。 

 国道6号線を渡って開店したばかりの「モール」へ向かう。

その様子は次回。




 

 

 



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コメント一覧

jinbei1947
保存活動をどう総括しか?
情報がないので判りませんが、多分、森の真ん中を通る、
真っすぐな道路を回避できたことは評価しているでしょう。
持ち主の関さんも絶対反対ではなく条件「闘争」?でした。
そして、残された森の整備や催しなど、パンフレットにある
「関さんの森エコミュージアム」活動を進めているのでは
ないか、と。
一連の台風の後ですから、ちょっと荒れた感じがありました。
ykoma1949
昔は、そのような大物の人物がいましたね
信州でもいろんな個人の名前のついた水路
用水池、など世のため人のために自分の私
財をなげうって社会に貢献した。
今は社会を騙しても自分の為にだけ私財を
作る小役人や政治家や国民が殆ど、森を
残そうと運動した人たちのその後の意見は
なん云っているんでしょうかね~
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