日本の岩屋毅防衛大臣は消息を絶った航空自衛隊のF35A機が墜落したことを明らかにした。
現段階では搭乗していたパイロット(40)の捜査に全力が注がれている。製造されてわずか1年の
機体が墜落した原因は未だに明らかにされていない。一方でこれから5年にわたって日本は米国から
27機のF35Aを買い上げる計画であることははっきりしている。防衛省の公式サイトによれば、
F35Aの価格は1機が116億円。この巨額な購入費がこれから日本の納税者の肩にのしかかってくる。
第5世代の戦闘機がなぜ墜落したのか。その原因についてスプートニクはロシア人軍事専門家の
ユーリー・クヌートフ氏に取材を行った。クヌートフ氏は米国の最新鋭機の墜落を知った瞬間、膨大な
数の疑問が頭に浮かんだと語っている。
「一番の疑問は、これだけハイクラスの飛行機でありながら、なぜ事故後、パイロットに関する
情報もなく、彼がどこにいるのかも分からないのか、ということだ。
パイロットはなぜ操縦不可能になったことを知らせなかったのか、
なぜ緊急脱出装置を作動させなかったのか、
そしてこれが究極なのだが、何が原因で非常用位置指示無線標識装置は作動しなかったのか。
事故の後、これが最初に頭に浮かんだ疑問だった。」
クヌートフ氏は、F35A機には独自の優位性があるものの、緊急事態ではこれらは一瞬のうちに
短所に変わってしまうと指摘している。
「例えばF35Aの搭載するエンジンはわずか1基。これは機体の軽量化と操縦性を大きく高める。
だが同時にエンジンが1基のみということはパイロットにしてみれば潜在的な危険をはらんでいる。
2基あれば、1基が故障しても別のエンジンで飛行し続けることはできるからだが、F35Aの場合は
こうした可能性は絶たれている。
この他にもこの型の飛行機は防御性が極めて低い。F35Aの製造にはステルス技術が用いられて
いることから、機体に何かが落下したり、単に鳥が衝突しただけでもユニットやブロックは簡単に
故障しかねない。F35Aの整備にシャシー用、胴体用、エンジン用と数種類の手袋が要されるのも
れっきとした理由がある。これを正しく使わない場合、戦闘機はいとも簡単に壊れてしまう。」
だがクヌートフ氏は、F35Aの最大の問題はソフトウェアにあるとしている。生じた不具合からみて、
このソフトウェアはWindows10のように常に変化している。
「いくつかのケースではF35Aのコンピューターソフトはニューロネットのように機能し、
情報の収集、読み込みを行ってしまう。がこれは戦闘機には極めて尋常ではない。なぜなら通常、
これに従事するのは偵察機であり、戦闘機ではないからだ。複雑なコンピューター機能が不具合を
引き起こす可能性は十分ある。いずれにせよ、民間航空で起きたボーイング737の事故原因の
ひとつはまさに、操縦システムがあまりにも『賢すぎた』からだと言われている。」
ボーイング737が2018年にインドネシアで、また2019年にエチオピアで事故を起こした際に、
ロシア人パイロットとして豊かな飛行経験を持つキリル・ルィチコフ氏が「コムソモーリスカヤ・
プラヴダ」紙からの取材に、2つの墜落事故とも離陸後わずか数分で起きていることを指摘していた。
ルィチコフ氏は、このことはエンジンには不具合がなかったことを物語っているとみている。
つまり問題が生じたのは操縦システムだったということになる。この操縦システムとは失速警報装置の
最新バージョンだが、何らかの理由で正常に機能せず、パイロットのほうも手動でこれを変更する
ことができなかった。捜査でも、ボーイング737Maxのインドネシアとエチオピアの事故状況の
類似点が明らかにされた。このことをロイターとブルームバーグが消息筋からの情報として報じている。
クヌートフ氏は、F35Aはこうした短所があることから戦闘機というよりはむしろ軍人用の
「高価な玩具」になり下がっていると断言する。製造に巨額の資金が要された以上、米国としては
このモデルを時々リニューアルし、最大限多くの国に売りつけることで、生産にかかった費用を
部分的でも補填せざるをえないのだ。
NATO内の米国の同盟国の中には、様々な理由をつけてF35Aの購入拒否または購入台数の削減を
宣言する国が次第に増えている。そうした国の中にはイタリア、ドイツ、英国も含まれている。
<続報>不明のF35A戦闘機 墜落と断定 防衛省 / 空自のF35戦闘機が消息絶つ 太平洋上で訓練中