トルコ首相 「失敗のクーデター 背景にギュレン教団」
7月16日 22時52分 NHKニュース
トルコのユルドゥルム首相は記者会見し、クーデターの試みを阻止した国民や警察官などに感謝の意を示すとともに、
イスラム組織、「ギュレン教団」が関わっていたとの見方を示しました。
ユルドゥルム首相は日本時間の午後6時半前に会見し「国民の意思として民主主義を貫き通すことを世界に示すことができた。
反乱軍に対して勇敢に反対の声を上げた国民の一人一人に感謝したい」と述べ、
クーデターの試みを阻止した国民や警察官などに感謝の意を示しました。
そのうえで「反乱軍のメンバーはすでに司法の手の元にあり、司法の裁きを受けることになる」と述べました。
さらに、クーデターの試みにはイスラム組織、「ギュレン教団」が関わっていたとの見方を示し、「指導者であるギュレン師は相応の罰を
受けることになる」と述べて、クーデターの試みに関与した人物には断固とした対応を取る姿勢を示しました。
ギュレン師支持の団体が声明 関与を否定
今回のクーデター未遂に関して、エルドアン政権と対立するイスラム組織「ギュレン教団」が関係しているという見方が出ていることにつ
いて、指導者のギュレン師を支持するアメリカの団体がギュレン師のものとする声明を発表し、
クーデターの企てへの関与を否定しました。
こ の中で、ギュレン師は「トルコのクーデターの企てを最も強いことばで非難する。政府は、軍事力によってではなく、自由で公正な選
挙によって樹立されなけれ ばならない」とクーデターの企てを批判しました。
そのうえで、「この50年の間、複数回にわたった軍のクーデターに苦しんできた者として、そうした企てに 関与したとされることは著しい
侮辱であり、私はそうした非難については断固として否定する」として、クーデターの企てへの関与を否定しました。
政府はギュレン教団をテロ組織に指定
「ギュ レン教団」は、40年ほど前にトルコ西部のイズミールでその母体となるグループが設立され、学習塾や高校で質の高い英語教
育などを提供することで、高度な 教育を求めるさまざまな層に浸透してきました。
支持者は、人口7800万人のトルコで650万人に上るという推計もあります。
「ギュレン教団」 は、トルコの国是である世俗主義を認めながらもイスラム教の価値観を重んじるといった主張を展開し、
トルコの政財界に大きな影響力を持ってきました。
指導 者のギュレン師は、病気の療養のため、アメリカ東部ペンシルベニア州に滞在しながらインターネットなどを通じて
トルコ国内外の支持者に向けてメッセージを 発信していて、支持者たちの活動は「ギュレン運動」と呼ばれてきました。
イスラム的な価値観を重んじる政策を推し進めてきたエルドアン大統領とは、長年、協力関係にあったものの、
3年前、トルコで反政府デモが起きた際、ギュレン師がエルドアン氏の対応は強硬的だと批判したことで対立が表面化します。
その後、2013年12月、エルドアン政権を巻き込んだ汚職疑惑が発覚した際、エルドアン氏は汚職の捜査の背景にギュレン師がいる
として名指しで批判。
警察の一部がギュレン教団の影響下にあるとして、捜査を担当した警察官らを大勢更迭するなど対決姿勢を強めてきました。
また、トルコの検察が、ギュレン師がテロ活動に関わった疑いがあるとして、おととし12月、逮捕状を取ったほか、ことしに入って、トル
コ政府は「ギュレン教団」を正式にテロ組織に指定しました。
ことし3月には、トルコの裁判所がギュレン教団を支援している疑いがあるとしてトルコ最大の新聞社「ザマン」を政府の管理下に置く決
定を出すなど、ギュレン教団側に対する締めつけを強化していました。
トルコのクーデター・・・米長官「米関与説は完全な誤り
政府は状況は制御できているとし、反乱に関与した疑いで兵士から上級幹部まで2839人が拘束されたと発表。
国営アナトリア通信によると、シリア、イラク、イランの国境を担当する陸軍第2軍司令部のトップも拘束された。
また当局は司法関係者についても、エルドアン大統領と対立する在米のイスラム教指導者ギュレン師に関係があるとして、3000人近
い検察当局者や判事らの解任や拘束を命じた。
エルドアン大統領は、クーデターを企てたのはギュレン師の支持者だと主張しており、
米政府にギュレン師を国外退去させるよう求めた。
一方、ギュレン師は声明でクーデターを非難し、自身の関与を否定している。
オバマ米大統領は、
クーデターを支持した勢力と政権側の双方に対し、一段の情勢不安定化を避けるため法の支配を尊重するよう求めた。
ケリー米国務長官も、クーデターに関する調査を行う際に法の支配が尊重されるべきだとトルコのチャブシオール外相に伝えた。
また米国務省は、ケリー長官が「クーデターの試みに米国が関与したとの示唆や主張は完全な誤りで、両国関係に悪影響を与える」と
述べたと発表した。
またケリー長官は、米国は反乱に関与した人物の特定に協力するとした上で、
トルコ政府はギュレン師が関与したとの証拠を示すべきだと述べた。
トルコ政府がトルコ南東部にあるIncirlik空軍基地の米軍使用を一時停止する措置を講じたことが16日、The Guardian紙の報道で
明らかとなった。
Incirlik空軍基地はトルコ空軍と米空軍が共同利用を行っている空軍基地で、米軍はIncirlik空軍基地には戦術核兵器保管庫なども
設置している他、シリアとイラク領内のISIS空爆作戦の重要拠点としてこれまで使用してきた。
今回のトルコ政府による基地使用の一時停止措置は、週末にかけて発生し、その後、鎮圧されたトルコ軍のクーデターへの対応のた
めとみられている。
しかし、今のところいつになったら、使用停止措置が解除されることになるのかは、不透明な状況ともなっており、
今後、Incirlik空軍基地の使用ができない状態が続いた場合、米軍のISIS空爆作戦は大きな制約を課せられることとなる。
Incirlik空軍基地は、トルコ軍によるクーデターが発生した直後に、トルコ政府により強制閉鎖され、電力供給も全て途絶となっていた。
米軍は現在、ペルシャ湾に空母「USS Dwight D Eisenhower」を配備しているが、空母ではISIS空爆に使用しているドローン
(UAV)の運用はできないため、Incirlik空軍基地の使用 停止状態が長引いた場合、ドローンを用いた対ISIS空爆作戦の実行可能
回数は大幅な削減を求められることとなる。
米軍はまた、Incirlik空軍基地にA-10部隊を置いており、A-10の運用に関しても制約が課せられることとなる。
テロ、クーデターと国際的に大きな事件が続き、どこで、何に巻き込まれるか判らなくなってきました。
トルコのクーデターの影響で米国のISに対する作戦に支障が出ています。
トルコ政府がクーデターの首謀者としているギュレン師が米国におり、この人物の引き渡しについて一悶着ありそうです。
ここにもアメリカが関わってるのか~アメリカは、世界の警察辞めたいけど、なかなか国際社会から抜けられないな~
南シナ海で軍事衝突が起こる危険もあるし、我が国の尖閣に何かあったら米国に出てきてもらわないと困るし、
朝鮮半島の有事の可能性もあるし、みんな憲法9条で解決できれば良いですね。ハハハハ。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。