シリア空爆で片目失った赤ちゃん、トルコに脱出 大統領が出迎え
2018年4月2日 12:35 発信地:アンカラ/トルコ AFP
【4月2日 AFP】シリア政府軍の包囲下で空爆に遭って片目を失い、その痛ましい写真がソーシャルメディア上で注目を集めた
男の赤ちゃんが、家族らと共に無事トルコに脱出した。トルコ赤新月社(Red Crescent)が明らかにした。
現在6か月のカリム・アブドラ(Karim Abdallah)ちゃんは昨年10月、生後わずか5週間のときに首都ダマスカス(Damascus)
近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)の市場で母親と共に政府軍の包囲下で空爆に遭い、重傷を負った。
母親は死亡した。
トルコ赤新月社の代表ケレム・キニック(Kerem Kinik)氏は「神に感謝します。カリムちゃんは今、安全だ」とアラビア語も
交えてツイッター(Twitter)に投稿。カリムちゃんについて「シリアのすべての罪なき子どもたちを代表して生き延びるだろう」と
述べ、「私たちが人としての良心を備えていることを思い出させてくれる」と続けた。
トルコのメディアによると、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、シリアと国境を接する
南部ハタイ(Hatay)に到着したカリムちゃんとその家族らを出迎えた。
シリアの東グータ地区では、最後まで戦ってきた反体制派が1日までに戦闘員と民間人を退避させることに同意したもようで、
バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権は同地区の完全制圧に近づいた。
アブドラちゃんを抱き上げるトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(右、2018年4月1日撮影)
包囲下にあるシリアの反体制派支配地区・東グータで、政府軍の空爆で片目と母親を失ったカリム・アブドラちゃん(2017年12月24日撮影)