中国に米機密情報売り渡す、元CIA職員に禁錮20年の有罪判決
2019年5月18日 10:39 発信地:ワシントンD.C./米国 AFP
【5月18日 AFP】米国の裁判所は17日、中国に米国の機密情報を売り渡していたとして、
元中央情報局(CIA)職員に禁錮20年の有罪判決を言い渡した。米国の情報機関で中国の内通者が
逮捕・起訴される例が相次ぎ、「憂慮すべき傾向」が続いている。
禁錮20年を言い渡されたのは、ケビン・マロリー(Kevin Mallory)被告。2017年3月から
4月にかけて中国・上海を訪れた際、中国情報機関の工作員に米国の「防衛情報」を2万5000ドル
(約275万円)で売り渡したとされる。マロリー被告は2017年5月5日、中国の工作員に
「そちらの目的は情報収集、私の目的は対価だ」と述べたという。
標準中国語を流ちょうに操るマロリー被告は、米陸軍や国務省外交保安局の特別捜査官を経て、
CIAの覆面捜査官になった。
米国では、高度の機密情報アクセス権を付与された当局者が、中国情報機関と許可なく取引した
罪で逮捕・起訴される例が相次いでおり、ジョン・デマーズ(John Demers)司法次官補
(国家安全保障担当)はマロリー被告の事件に関して、「米国の元情報機関職員が中国に狙われ、
国家と仲間を裏切る憂慮すべき傾向の一例」だと述べている。
同じく、中国のためにスパイ活動を行った罪で起訴された元CIA工作員のジェリー・チャン・
シン・リー(Jerry Chun Shing Lee)被告(54)は、場合によって終身刑を言い渡される
可能性がある。