激高するセレーナの「差別的」風刺画、豪漫画家に世界中から批判の嵐
【9月11日 AFP】女子テニスのスーパースターであるセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の
風刺画を描いたオーストラリア出身の漫画家が、批判の嵐にさらされている。
人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの原作者J・K・ローリング(JK Rowling)氏は、
問題の描写について「人種差別と性差別で冷やかすもの」と不快感をあらわにした。
豪メルボルンの地元紙ヘラルド・サン(Herald Sun)で10日に掲載されたマーク・ナイト(Mark Knight)氏の
風刺画では、たくましい体格で分厚い唇をしたセレーナが、全米オープンテニス(US Open Tennis
Championships 2018)の試合中に、跳びはねながら壊れたラケットを踏みつけている姿が描かれていた。
同大会の女子シングルス決勝で、セレーナは主審と激しい口論を繰り広げてテニス界を騒がせた。
コードバイオレーションを受けた同選手が罰金1万7000ドル(約189万円)を科された今回の問題では、
男子と女子の選手で異なる基準が適用されているのではないかという訴えが出された。
この試合で大坂なおみ(Naomi Osaka)に敗れたセレーナは、四大大会(グランドスラム)のシングルス
史上最多記録に並ぶ通算24勝目がお預けとなったが、この風刺画では、主審が大坂に対して「彼女に勝たせて
あげてくれないか?」と話しかけている様子も示されている。
全米オープンテニス、女子シングルス決勝。ラケットを破壊するセレーナ・ウィリアムス(2018年9月8日撮影)
全米オープンテニス、女子シングルス決勝。主審に抗議するセレーナ・ウィリアムス(2018年9月8日撮影)
全米オープンテニス、女子シングルス決勝。ブライアン・アーリー主任審判(左)に抗議するセレーナ・ウィリアムス(2018年9月8日撮影)
セレーナ風刺画で非難の豪紙、一面に再掲載し反論
【9月12日 AFP】女子テニスのスーパースター、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の風刺画を
掲載し非難の嵐にさらされたオーストラリア・メルボルンの地元紙ヘラルド・サン(Herald Sun)は12日、
同日付の紙面トップに問題の風刺画を再び掲載し、人種および性差別的であるとの批判について反論した。
同紙は10日付の紙面に、大坂なおみ(Naomi Osaka)との全米オープンテニス(US Open Tennis
Championships 2018)決勝で怒りを爆発させたセレーナを描いたマーク・ナイト(Mark Knight)氏の
風刺画を掲載。
風刺画にはたくましい体格で分厚い唇をしたセレーナが試合中におしゃぶりを吐き出し、跳びはねながら壊れた
ラケットを踏みつけている姿が描かれており、人種差別および性差別的であると世界中から非難の声が上がった。
しかし同紙は12日付の紙面で、「マーク・ナイトに関する自称検閲官たちの思い通りになれば、
新しいポリティカリー・コレクト(政治的・社会的に公正)な生活は本当に退屈で仕方のないものになる」と批判に反論。
また、ナイト氏も同紙ウェブサイトで自身の風刺画に対する非難について「世界が狂ってしまった」兆候だと指摘し、
「セレーナの風刺画は彼女の態度に関するものであって、人種に関するものではない」と主張した。
ナイト氏によると自身のツイッター(Twitter)に投稿した風刺画に関するツイートには2万2000件以上の
コメントが舞い込んだが、そのほとんどが批判的な内容で、同氏は家族や友人たちを守るためにアカウントを
閉鎖したという。