フランス新大統領にマクロン氏 史上最年少、「分裂と戦う」
2017年05月08日 07:30 AFP
【5月8日 AFP】(更新、写真追加)フランスで7日、大統領選の決選投票が行われ、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏(39)が大差での勝利を確実にした。大きく二分された同国と欧州の将来にとって極めて重要となった今回の選挙で、極右のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏(48)の激しい挑戦を振り切った形だ。マクロン氏はフランス史上最年少で大統領に就任する。
マクロン氏はパリ(Paris)の陣営本部で行った演説で「たくさんの人の怒りや不安、疑いの声を聞いた」と指摘。その上で「われわれをむしばんでいる分裂と全力で戦っていく」と表明した。
親欧州連合(EU)派のマクロン氏は「欧州と欧州市民の絆を再建する」ために働くとも誓った。「今夜、われわれの長い歴史の新たなページが開かれた」と述べ、「希望と信頼が取り戻される」大統領になると約束した。
最新の開票結果によると、得票率はマクロン氏が65%強、ルペン氏が35%弱となっている。
今回の選挙戦では、フランスの経済的・社会的分断、さらに国家のアイデンティティーや移民をめぐる緊張が浮き彫りになった。マクロン氏は、分裂し、混乱した国を癒すと誓っていた。
元投資銀行家で3年前には無名だったマクロン氏が今や、フランスとEUにおける極めて野心的な政治・経済改革計画を掲げ、欧州で最も有力な指導者の一人になろうとしている。
その勝利は世界中に響き渡り、ルペン氏の反EU、反グローバリゼーションの政策が敗れたことで、とりわけEUとドイツの首脳陣の間に安堵(あんど)が広がるものとみられる。
フランス大統領選の決選投票で当選確実となり、支持者らを前にした演説に臨むエマニュエル・マクロン氏と妻のブリジット・トロニューさん。首都パリにあるルーブル美術館で。妻は25歳年上。(2017年5月7日撮影)
フランス首都パリ中心部のルーブル美術館前で、エマニュエル・マクロン氏の大統領選勝利確実のニュースに歓喜する支持者ら(2017年5月7日撮影)