トルコリラまたまた暴落 「トルコの銀行が倒産する」とゴールドマン
2018年08月13日05:12 Market Hack
日本時間の月曜日の朝、トルコリラがまたまた暴落、一時7.24をつけました。ツイッターでは「トルコリラが
7.1を超えたら銀行が倒れはじめるとゴールドマン・サックスが言っている」というツイートが流れています。
1 USD : 7.2 #TurkishLira
— Konstantin Krammer (@KonstantinKlug) 2018年8月12日
According to Goldman Sachs, #Turkey's banks are going to collapse if it remains like this.
そのほか「ユーロ、欧州株、米国株、米国債なども今日はリスクオフの流れになるだろう」というコメントも。
今回のトルコリラ暴落は中央銀行がインフレを放置し、後手に回ったとき、どうなるか? を示す良い例だと思います。
上はトルコの政策金利から消費者物価指数を引き算したチャートです。これがマイナスであればインフレよりも
政策金利の方が下に設定されていることを示します。
こういう状態を長く続けると人々は生活防衛のために借金して実物資産を買い始め、それがいっそうインフレを
酷くします。
トルコ中銀が、このような無責任とも言える低金利を維持し続けた理由は6月に総選挙があり、エルドアン大統領に
勝たせるためです。
下はトルコリラのチャートです。
8月は新興国にとり「残酷な月」として知られています。1998年にロシア・ルーブル危機が起きたのも8月でした。
ちょっと兜の緒を締めてかかる必要がありそうです。
リラを見捨てたトルコ国民-愛国心にも限界、外貨売りに応じず
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大統領が最初に呼び掛けて以降、リラの価値はほぼ半分に減った
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娘婿アルバイラク氏の財務相起用が「危険な状態招いた」との見方も
エルドアン大統領が政権を握るトルコにおいてさえ、愛国心には限界があるようだ。
イスタンブールのグランバザールで外貨の両替を行う利用客
市場の暴落に直面するトルコの政策担当者が取り得るさまざまな選択肢についてエコノミストは臆測を
巡らせているが、トルコ国民はあたかもボクシングで選手にタオルを投げるセコンドのように自国通貨リラの敗北を
認めつつある。
エルドアン大統領は、リラ相場の支援のため、まとまった額の外貨をリラと交換するよう繰り返し市民らに
求めたが、その声は無視されている。そのような懇願に聞き従った人々は必ず財産を失うというのが過去の教訓だ。
イスタンブールの商業資本の中心で、大統領への信認と支持が損なわれる兆しが表れている。
退職生活を送るセビン・テムールさん(58)は「大統領を尊敬してはいるが、彼が呼び掛けたからといって
私は保有する金や外貨を売ることはできない。食べたい物も切り詰めて蓄えたのだから」と語った。
エルドアン大統領が2016年12月に最初の呼び掛けを行って以降、リラのパフォーマンスは世界の通貨で最悪と
なっており、対ドルおよびユーロで価値がほぼ半分に減った。
「ドルを買わなかったことを後悔している。自分がばかのように思える」と話す店主のブレント・ウジュランさん
(36)は、エルドアン大統領が娘婿のアルバイラク氏を財務相に起用した政権の人事に言及し、
「経験が豊富な人材が数多くいたにもかかわらず、経済全体の運営を娘婿に任せたことが危険な状態を招いた」と嘆いた。
昨日米国株式市場【米国株・国債・商品】株が続落、トルコ巡る懸念で-商品も安い
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米国債は午後に落ち着く、米10年債利回りは2.88%
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新興国資産や商品に幅広い売り、原油と金にはドル高も逆風に
13日の米株式相場は続落。ただトルコ金融市場混乱の波及は、総じて新興国市場内にとどまった。ドル高を背景に、
原油から金属まで幅広い商品売りが見られた。米国債は朝方に不安定な値動きとなったが、午後は狭い値動きに終始した。
· 米国株は続落、トルコの金融市場混乱を懸念-S&P500は4日続落 · 米国債はまちまち、10年債利回りは午後に落ち着き2.88% · NY原油は反落、ドル上昇が重し-トルコ情勢で需要懸念も · NY金は続落、1オンス=1200ドル割れ-ドル高逆風に |
S&P500種( 大型株500銘柄で構成)株価指数は4営業日続落。エネルギーや素材、金融などの軟調で、ここ5カ月で最も長い
下落局面となった。トルコ・リラは対ドルで4営業日続落。幅広い新興国株式と通貨が大幅安となった。
S&P500種は前週末比0.4%安い2821.93で終了。ダウ工業株30種平均は125.44ドル(0.5%)安の
25187.70ドル、ナスダック総合指数は0.3%下げて7819.71で終えた。
ニューヨーク時間午後4時56分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.88%。
ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が反落。
トルコ金融市場の混乱やドルの上昇を受けて、世界の石油需要に対する不安が高まった。
みずほセキュリティーズUSAの先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は、「ドル高が背景だ。この逆相関が
まず原油への圧力になっている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は43セント(0.6%)安い1バレル=67.20ドルで終了。
ロンドンICEの北海ブレント10月限は20セント安の72.61ドルで終えた。
ニューヨーク金先物相場は続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は1.7%安の
1オンス=1198.90ドルと1200ドルを割り込んで終了。引けベースで2017年1月以来の安値で、
日中の下げ幅としては6月半ば以降で最大。安全資産と見なされる円やドルに資産を移動させる動きが高まったが、
ドル上昇により投資妙味が薄れる金は逃避先として選ばれなかった。
トルコリラ急落
ルートホールドの最高投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏はこの日の株式市場について、
「朝方の上げが失われたことで、トルコのリスクがまだ拡大し続けており、大きなイベントになるのではとの
懸念が広がった」と指摘。「波及リスクがこの日の主な相場材料だ」と語った。
米国債イールドカーブ(利回り曲線)はスティープ化(イールド・カーブの傾きがさらに急(右上がり)
になること)。利回り差は5年債と30年債、また10年債と30年債の双方で拡大した。
原題:U.S. Stocks Fall, Dollar Gains Amid Turkey Fears: Markets Wrap(抜粋)
USTs Mixed, Long-End Lags as Risk-Off Bid Fades; Futures Active
Oil Dips as Dollar Rises, Turkish Tumult Elevates Demand Concern
No Safe Haven in Gold as Prices Sink to Lowest Since Early 2017
昨日:米国株式市場=続落、トルコ通貨危機で世界不安波及
2018年8月14日 / 05:35 [ニューヨーク 13日 ロイター] -
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード ダウ工業株30種 25187.70 -125.44 -0.50 25327.19 25381.39 25153.93 前営業日終値 25313.14 ナスダック総合 7819.71 -19.40 -0.25 7848.00 7888.66 7814.27 前営業日終値 7839.11 S&P総合500種 2821.93 -11.35 -0.40 2835.46 2843.40 2819.88 前営業日終値 2833.28 ダウ輸送株20種 11020.83 -69.80 -0.63 ダウ公共株15種 724.47 +0.96 +0.13 フィラデルフィア半導 1356.75 +1.95 +0.14 体 VIX指数 14.78 +1.62 +12.31 S&P一般消費財 892.17 -4.61 -0.51 S&P素材 364.13 -3.83 -1.04 S&P工業 627.51 -3.28 -0.52 S&P主要消費財 546.01 -0.41 -0.07 S&P金融 459.14 -4.71 -1.01 S&P不動産 203.04 -0.01 -0.01 S&Pエネルギー 547.44 -6.74 -1.22 S&Pヘルスケア 1036.45 +0.09 +0.01 S&P電気通信サービ 151.92 -0.29 -0.19 ス S&P情報技術 1279.42 -1.87 -0.15 S&P公益事業 268.59 +0.24 +0.09 NYSE出来高 7.46億株 シカゴ日経先物9月限 ドル建て 22050 + 160 大阪比 シカゴ日経先物9月限 円建て 22035 + 145 大阪比 米国株式市場は続落して取引を終えた。トルコリラ急落に伴う世界的な不安が波及した。