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米「秘密兵器」の新ミサイル開発 標的をピンポイントで殺害

2019-05-11 02:42:51 | 軍事・兵器・訓練演習・自衛隊

 米「秘密兵器」の新ミサイル開発 標的をピンポイントで殺害

2019 年 5 月 10 日 01:48 JST 更新   By Gordon Lubold and Warren P. Strobel

米国は標的をピンポイントで攻撃し、巻き添え被害を最小限に抑えるミサイルを開発した(左:無人機の空爆で破壊された車両 右:R9Xによるアルカイダ幹部殺害現場) 


 【ワシントン】米政府はテロリストだけをピンポイントで狙う特殊設計のミサイルを開発した。

複数の現・元当局者によると、この秘密兵器は爆発せず、付近の家屋や民間人の巻き添え被害を

最小限に抑えることができる。


 中央情報局(CIA)と国防総省は、この「R9X」という新兵器を使用しているが、その存在を

注意深く隠している。R9Xは「ヘルファイア」ミサイルの変種で、爆発せずに45キログラム超の

金属を発射し、周囲の人々や物に被害を与えることなく、建物や車の屋根を突き破ってターゲットを

殺害する仕組みだ。


 標的とされた人物にとっては、金属の塊が空から猛スピードで降ってくるようなものだ。

R9Xには従来と異なる種類の弾頭が搭載され、内部に格納された6つの長刃が着弾寸前に

展開するという。


 この秘密兵器の詳細と利用については、米政府の十数人の現・元関係者が確認した。

その存在を巡ってはこれまで臆測があったものの、開発・配備は公表されていない。


 R9Xは、知っている人には屋根を切り裂く鋭利な刃にちなんで「飛ぶギンス」と呼ばれている。

この通称は、1970年代終盤から80年代序盤にかけてテレビで盛んに宣伝されたナイフセットが由来。

「ニンジャ爆弾」とも呼ばれる。


 米軍はアフガニスタン、パキスタン、イラク、シリア、ソマリア、イエメンといった国で

長期にわたり空爆を実施した。新ミサイルは、オバマ前政権下で民間の被害者を出さないための

取り組みから生まれた。人道的・法的な見地を別にしても、民間から死傷者が出れば米国の

戦略目標への国民と同盟国からの支持に影響が出かねないためだ。


 当局者によると、開発の理由はそれ以外にもあった。テロ集団の戦闘員は米軍の空爆に慣れ、

手が出せないようにするために女性や子どもの集団に紛れ込むことが多くなった。


 R9Xの開発は2011年には始まっていた。数人の当局者によれば、同年のパキスタン北部

アボッタバードでのテロ集団アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者の殺害計画で、

同様の機能を持つミサイルが「プランB(次善の策)」として検討されていた。ただ結局、

米国は特殊部隊の戦闘員を使う作戦を選んだ。

 当局者の話では、R9Xの使用頻度は低い。テロ組織の幹部の居所が正確につかめたものの、

他の兵器では罪のない市民が犠牲になりそうなケースなど、特定の状況に限って使用している。

従来型のヘルファイアの変種は、標的の集団や、他組織との連絡を担う「価値の高いターゲット」

に対して用いられる場合が多い。

https://jp.wsj.com/articles/SB12190159571111683931004585292821887068944


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