ドイツの新型ウイルス感染者、国内で「人から人へ感染」 欧州初か
2020年1月28日 21:20 発信地:ミュンヘン/ドイツ AFP
ドイツ・ベルリンの空港に独英中の3か国語で掲示された新型ウイルスに関する情報(2020年1月26日撮影)
【1月28日 AFP】ドイツ当局は28日、中国で猛威を振るっている新型コロナウイルスの
感染が確認されたドイツ人男性(33)について、同じ会社に勤務し、
中国からドイツを訪問していた同僚から感染していたと発表した。
欧州内における初の「人から人への感染」とみられている。
バイエルン(Bavarian)州保健当局のトップが記者会見で明らかにしたところによると、
感染した男性は中国へは渡航していなかったが、中国人女性で上海在住の同僚が
先週ドイツを訪れていた。
男性は21日、同州ストックドルフ(Stockdorf)に本社を置く自動車部品メーカー、
ベバスト(Webasto)の事務所で、この同僚が講師を務めた研修会に参加。
27日夜に、新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示した。
この中国人女性は、「今月23日、帰国便の中で体調不良を感じ始めた」とされる。
帰国してすぐ医師の診察を受け、新型ウイルスへの感染が確認された。バイエルン州
保健当局の話では、女性は両親の住む武漢地区を最近訪れていたという。
べバストは、中国からの、あるいは中国への出張を「今後少なくとも2週間」取り
やめると発表した。
独保健当局は、この感染者2人と接触のあった同僚や家族など約40人の検査を行っている。
ドイツ・ベルリンのホロコースト記念館を、マスク姿で訪れた観光客(2020年1月27日撮影)
■日本でも、最近の中国渡航歴のない男性が感染
一方、日本の厚生労働省は28日、ここ最近では中国への渡航歴のない男性が新型
コロナウイルスに感染したと発表した。
男性は、感染拡大が始まった中国・武漢(Wuhan)からの観光客らを乗せたバスを
運転した後に感染したとみられている。
奈良在住の60代のこの男性は今月、武漢からのツアー2団体の運転手を務め、25日に
インフルエンザに似た症状で入院していた。