海底地形名、日本の承認数500件超に 沖ノ鳥島周辺など
一方、日本近海で命名活動を活発化させている中国は今回、参加国最多の79件を申請したが、
承認は12件にとどまった。
海底地形には、著名な故人や動植物などの名称を付けることができ、特徴が共通する地形群は統一した
命名を行える。日本は沖ノ鳥島(東京都小笠原村)周辺や同島南方の「九州パラオ海嶺(かいれい)」
南部海域で、「冥王星海膨」や「ふたご座海山群」など、星や星座にちなんだ命名を承認された。
また南鳥島(同村)周辺では、磁性鋼の発明で知られる学者、本多光太郎にちなんだ「本多平頂海山」の
ほか、生物から取った「真鴨海山」「オオヒトデ平頂海山」など多彩な名称が承認された。
承認された地形名は海図やインターネット上の電子地図、論文などで活用される。
海底地形の命名、日本が一歩リード ルール無視の中国
1/8(火) 7:57配信
海底地形の公式名を審査する国際会議「海底地形名小委員会」(SCUFN、スカフン)で日本が
提案し承認された地形名が、計500件を超え、米国とともに世界最多レベルに達したことが判明した。
スカフンから「申請の質」を高く評価されたためで、日本近海で命名活動を活発化させている中国との“
命名競争”を一歩リードした。
「完璧に近い成果を得た」。政府関係者は振り返る。日本は沖ノ鳥島周辺と九州パラオ海嶺南部海域で
申請した37件中35件が承認、南鳥島周辺では38件全てが認められた。海上保安庁の海洋調査に
基づく正確な海底地形図などの質が評価されたことに加え、地道な「根回し」も承認につながったとみられる。
日本は同海嶺海域に有する大陸棚の延長を国連大陸棚限界委員会に申請中だが中国は反対。
一方、同海域ではパラオも大陸棚の延長を申請中だ。日本は関心が重なる同海域の対立や申請の重複が
起こらないよう、名称や位置についてパラオと事前協議を実施。結果的に、日本の申請はほぼすべてが
順調に受理された。
これに対し、中国は関係国と調整する姿勢はみせず、同海嶺海域で申請した4件のうち1件で日本、
2件でパラオと重複。4件はいずれも承認されず、各国との協議を求められた。
南極周辺海域の地形では古代中国の思想家「孔子」と命名しようとしたものの、関連性のなさを
指摘された。
また、共通の特徴を持つ地形群では日本の「星座」のように統一化した命名が求められるが、
ルールから外れてばらばらの名称を付けようとして承認されなかった事例もあるなど、申請には粗さが
目立った。
ただ中国は日本近海での活発な命名活動を継続しており、沖ノ鳥島や九州パラオ海嶺海域周辺では
16件中3件、南鳥島周辺では3件中1件が認められた。「海洋強国」を目指す中国にとり同海域は
海洋戦略の要衝で、軍事的活動の強化と並行し、命名に向けた強引な海洋調査を加速させる恐れがある。
スカフンでは国家間の主張が対立する海域などの申請は審査しないルールだったが、今回、同海嶺の
南部海域で日中が重複した案件などを保留した上で、協議を行うよう求めた。今後、会議の政治色がより
強まる可能性がある。
一方、今会議では新議長が韓国から選出。韓国は不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)周辺の
日本の排他的経済水域(EEZ)で命名を申請した経緯があり日韓関係が悪化する中、審査への悪影響も
懸念される。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190108-00000502-san-soci